A「いや～こうやって二人で喋るのも…10年ぶりか？」
B「そうだな」

A「同じ地方の大学を出て別々の企業に就職し…」
B「ああ」

A「まさかSNSで偶然フォロワーだったとはな～！」
B「しかも同じ地域に住んでいたとはね」

A「お前は本当に変わらないな～！」
B「えっそうかな、ちょっと太ったんだけど」

A「お前は相変わらず見た目爽やかだよな～」
B「いやいや」

B「そういうお前も変わらないよな～」

A「まぁ～…俺はね！学生の時からモテないしさ！」
B「それは関係ないだろ～」

ヴーッ…ヴーッ

A「あっちょっとごめん」
B「おう」

A「はい！もしもし！」

A「…はい…………」
B「…？」

A「はい…ゼウス様」
B「えっ」

A「ゼウス様がそうおっしゃるのであれば
　そのように致します！！」
B「ゼ…？何て」

A「失礼します！失礼します！失礼します！失礼します！
　愛しております！」
B「怖…」

A「ピッ…」
B「…」

A「いや～ホント俺ら変わらないよな～」
B「えっ待って待って！」

B「今の電話何？？？？？？」
A「え…？」

A「…国内通話」
B「そうじゃなくて！」

B「今国内か国外は聞いてない！見たらわかるし！」
A「え？」

B「今誰と電話してたの…？？」

A「えっ誰って…ゼウス様に決まってんじゃん！」
B「いやいやいや当たり前の様に言うなって！」

A「お前どうしたんだよ！急に血相変えて
　いつものお前らしくないぞ！！！」

A「お前変わっちまったなぁ！」
B「お前だよ！！！！」

A「何びっくりしてんだよ！俺が誰と話そうと勝手じゃねーかよ！」
B「そうだけど…なぁんか…その引っかかるんだよ！」

A「どこが引っかかるんだよ！」
B「ゼウスにだよ！」

A「おまっ！呼び捨てにするとは何事だぁあああああ！！！」
B「いたいいたい！やめっやめろって！」

A「立ち去れ！立ち去れ！」
B「いたいいたい…って何で殴ってんだよそれ！」

A「え？ニンニクを束ねたものだよ！」
B「お前やっぱおかしいわ！！！！」

B「なんでプライベートでそんなの持ち歩いてんの…？」

A「…はぁ……」
B「どうした？お前なんかあっただろ？」

B「今日もさ、なんか序盤からテンション高いなって思ったんだよ」

B「なんか、やましい事でもあるかの様に大声出して…変だと思ったよ」

A「お前…」
B「なんだよ？言ってみろよ。友達だろ？」

A「やっぱ、お前には見破られてたか…」
B「当たり前だろ」

A「聞いてくれるか？」
B「ああ」

A「実はな…」
B「ああ…」

A「愛していますは序盤に言わなきゃいけないんだよ…」
B「そ・う・じゃ・ねえよおおおおおおおおお！！！！！」

A「愛していますの順番間違えたら
　幹部に目をつけられて、副アンダースタンドからアンダースタンド補佐に逆戻りだぁ～」

B「何の話してんだよ！！！ずっと！！！
　いいよその知らない世界の知らない役職は！気持ちの悪い！」

A「最悪だよぉ～マジ最っ悪だわぁ～～～～クソォ！！！！」
B「ごめんあんま共感できないわ！ごめん！」

A「そうだよ！俺は変わっちまったんだよ！！」
B「どうした急に！」

A「実はな…俺バツ１なんだ」
B「マジかよ！？結婚も聞いてないのに！？」

A「恥ずかしいが…いわゆる、できちゃった結婚でな…
　経済的にも余裕がないのにない見栄を張ってたら何もかも失って…」

B「どうして言ってくれなかったんだよ…」

A「自分の責任は自分で取りたかったんだよ…」

B「バカヤロウ」

B「きっとこれは何かの運命だろSNSを通じてこうやって再会して
　言いにくい事、言うチャンスじゃないのか！？」

A「お前…」

A「実は…今日お前を呼んだのはこれに関する事なんだ」
B「なんだ！そうだったのか！なんでも聞くぞ！」

A「お前………副アンダースタンドになってみないか？」
B「失礼します！」