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『GRANBLUE FANTASY: Relink』は期待以上の良ゲーだった

ご存じの方も多いと思うけれども、このタイトルはいわくつきというか、発表されてから発売するまでに7年近くかかった。途中開発会社が変わったとかなんだとか、詳しいことはよくわからないけれども、なんというか本当に大変だったんだろうなあ、ということだけはわかる。だからこそ、正直に言えばあまり期待していなかった。プレイヤーにはなんら関係のない大人の事情で、微妙な完成度で発売されるゲームはこの世にはたくさんあるからだ。

やろうとしたきっかけは友人の冗談まじりの「リリンクやるか!」だった。その友人一帯は何を隠そう初期の頃の『グランブルーファンタジー』を一緒に遊んでいた仲であり、ティアマトボルト・マグナを一緒に集めた仲だった。今ではお世辞にもグラブルプレイヤーとは言い難い人間ばかりだけれど、『リリンク』を一緒に遊ぶだけの理由はそこにはあったと言える。

このゲームは100点満点中100点ではないと思う。ストーリーはあっさりしているし、使いまわしのモンスターも多い。出てくるキャラクターも『グランブルーファンタジー』における古のキャラクターばかりが出てくる(7年前に作り始めたのだから仕方ないのだが)し、はっきりいってなぜそのキャラクターをプレイアブルにしたかわからない、人気も疑わしいキャラクターがいたりする。不満はある。だがそれでも、要点を抑えている良いゲームだと思う。

強くなるごとに大きくなる数字が戦闘中に表示される楽しさ。地獄だが中毒性のあるハックアンドスラッシュ。ロードの速さ。懐かしみを覚える武器群。変わらぬ声優の方たち。チェインバーストとそのかけあい。特にチェインバーストは本家では次第に硬直が長いことを理由に効率的には忌避される傾向にあったから、フルチェインしてオーバードライブを突破する仕草がなんとも楽しくなるというか、懐かしいというか、嬉しくなる。これはまさしくグラブルだと思えるに至る要素が存分に詰め込まれている。バハムートに大いなる破局を撃たれるだけで、僕は楽しい。

何より重要なのは、致命的なストレスが存在しないことだ。嫌悪感を覚える新規キャラクターが出てくるなんてこともないし、強化に対して必要な時間がおかしかったりすることもない。やればやるだけ進捗状況は良くなっていく。そしてやりこもうと思えばいくらでもやりこめてしまうボリュームも、なんというか『グラブル』らしい。

ゲーム自体に新規性はあまりない。このゲームは『モンスターハンター』であり、敵のギミックは『ファイナルファンタジーXIV』であり、ある時では『原神』だったりする。だがその上にグラブルらしさを分解して再構築したところに確かな作り手の力量を感じた。このゲームはよくできている。

できれば一緒にできる仲間と共に、できれば引退した騎空士を集めて、このゲームを遊んでみてほしい。このゲームは確かにグラブルであり、人と楽しむのに十分な要素を備えている。


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