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【もののあわれ】

秋彼岸もあと一日、いよいよ秋も深まり稲刈りも終盤。
美味しそうな桃、梨、ぶどうなど色とりどりの果物がところ狭しと
スーパーに並んでいる。

秋分の日も過ぎ今年も四分の一あまりを残すのみとなった。
まだ四分の一もあるとも言えるが、今だコロナに振り回されている。


私は、新聞のあるコラム欄を書き写すことを毎日の日課としている。
先日も書いているとき〝蟋蟀〟という初めての漢字が出てきた。
なんと「コオロギ」である。

「こうろぎ」「コウロギ」で検索してもでてはこない。
はじめてその漢字を知って嬉しい。


風呂に浸かっていると外では「蟋蟀」(コオロギ)の鳴き声が聞こえる。
ああ 秋なんだなあ、としみじみ思う。

秋の虫


アメリカ出身で後に日本に帰化した日本学者のドナルド・キーンさん
曰く、英語圏や西洋には〝もののあわれ〟という言葉やそれに類似した言葉もなく、虫の音で季節を感じる感性はないそうである。

日本のあるおばあちゃんが虫の音を聞いて
「ああ もう秋なんだねえ」と言ってほろっと涙を流す。

虫の音がノイズや雑音にしか聞こえない英語圏の方には申し訳ないが
秋の虫の音を聞いて〝もののあわれ〟を感じることの出来る
日本人で良かったと思う。

秋の果物


秋の夕暮はつるべ落としと言い、秋分の日が過ぎると
昼より夜がだんだん長くなってきている。

どちらかといえば、暗い時間が長い季節は好きとはいえないが
虫の音も、秋の味覚も東北の短い秋をできるだけ満喫したい。

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