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村上春樹の主人公(再読前)

最近、驚くことばかり。「わっ、すごい!」って思うのって新鮮でいい気持ちになる。画像は、川中紀行/コピーライターさん。

またハルキの本読みたいから、再読前の思い出を書いておく。

ハルキの主人公はクールでタフ
だけど、人の気持ちが分からず、なにかしらの空虚感を持っている。(相手を思う気持ちはあり、分からないことを感じる繊細さがある)

ノルウェイの森では:

“<主人公ワタナベの行動> 周囲は学生運動に熱中しているが、一人読書や音楽鑑賞を嗜む ケースバイケースで男友達と下世話な話をして溶け込むことができる 女性に「何か面白い話をして」と言われたら面白い話ができる 女性にサラッとスイセンの花をプレゼントできる 愛情表現が普通に言える 作中にお金に困る描写がない ジャズに知見があり、バーで流れてる曲が何か分かる 海外文学はもちろんのことマルクスも語れる”

育ちの良さ、高尚な趣味(エキセントリック?!ジャズは私は全く分からない)。これが、男性、女性に関わらず、他の人の気を引く要因じゃないか。他人に分かち合えるだけの大きな知識がある。
スイセンの花を買った時に彼女が喜んだという経験を学習している。
人の気持ちが分からない人が、「国境の南」のレコードを突然かけたりしたら、普通のガールフレンドは寒気感じるよね。サイコっぽい。でも彼のガールフレンドは、「面白い人ね!」と、突拍子もなく、ベットインする。
それは主人公視点からの描写である。彼はその途中にあるガールフレンドの感情の動きを理解していないだけ。理解していないから、突拍子もなくベットインという描写になる。
でも、別にいいんじゃない。人を理解なんて絶対的に100%出来ない。ある人は50%、ある人は80%理解して欲しいと思う。このタイプはハルキ主人公とは付き合わない。サムくなって逃げてく。

あと一つ、気になるところ。人付き合いは苦手っぽいけど、天真爛漫なところがある。だから、変な人に対する境界線が曖昧。その為ちょっと変な人がボーダーラインを超えて、彼に関わってくる。「愛を信じる」が故、彼は病んでる人の闇に引き込まれてしまいそうになる。しかし!彼の持ち前の「人の気持ちの分からなさ」が幸いして、彼は闇の一歩手前で立ち止まる。

生きづらい人が闇の前で立ち止まることができるのは何故か。。