川治温泉 まさか!のひとり旅①
栃木、奥鬼怒川方面は、かつて湯西川という温泉宿に20年以上前に行っきり、電車で訪ねるのは初めて。宇都宮の旧友に会う前に川治温泉歩き、一泊の小旅行。下調べの時間があまりなく、珍道中のひとり旅となりました。
東武特急リバティにて「龍王峡」へ
日光方面の特急に乗るのは初めて、数日前に切符を購入するも、ほぼ満席で、朝1番の会津田島行、東武特急リバティ会津101号が辛うじて、取ることができ、北千住からスタート。当日満席にて6:43出発。前3両がリバティ会津101号、後ろ3両がリバティけごん1号。会津方面は3両編成なので、満席も致し方なし。
朝日昇る、荒川橋梁を渡り、春日部(粕壁)通過、栗橋を過ぎて、大きく右にカーブをすれば、利根川を渡る橋梁が見えてきます。冬のいい景色です。
渡良瀬遊水地付近では、バルーンレースがちょうど開催、大きな気球を眺めながら、特急リバティは栃木市を快走します。
栃木を過ぎ、徐々に山が迫って来て、鹿沼まで来ると、右前方には、古賀志山。このあたりからJRの日光線と並走。
日光線と交差の後、左手には、日光の山々、右手には、杉並木が見えて、下今市駅へ。
鬼怒川を渡り、左手に男体山、列車はゆっくりと鬼怒川温泉駅へ。東武鬼怒川線は、「鬼怒川公園」を経て、終着駅は「新藤原」。
渓谷沿いのホテルは、かつては多くの社員旅行を受け入れたであろうホテルが立ち並びますが、今は、廃墟ホテルも多く、栄枯盛衰。
左に大きくカーブして「新藤原駅」着。ここからは会津高原まで続く、野岩鉄道になります。会津と関東平野を結ぶ念願の線路でしたが、工事が始まるも、国鉄再建時にかかり、工事は一時中断、第三セクターとして昭和61年に開通。一日に10往復程度しか電車は走っていません。
関東屈指の渓谷「龍王峡」にひとり…
新藤原からすぐにトンネル、一駅で「龍王峡」に到着。しかし、降りたのは自分ひとり…。あれっ、もう、シーズンオフなの??
ということで、誰もいない階段を上がっていくと、改札には職員の方一人。こちらで龍王峡のパンフレットを頂きました。
龍王峡の解説は下記のようで、成り立ちが異なる3つのエリアに分かれており、今回は下流から登っていきます。虹見の滝は鬼怒川に注ぐ支川による滝で、鬼怒川の浸食の方が大きく、段差が出来、滝が出来たという解説。
6km3時間のコースか、1時間強で途中からバスを使うか、まだ決めておらず、いいペースで歩くも、先日サッカーで痛めた足も不安なので、龍王峡のメインのエリアを観察して、バスを使うことに…。
人は誰もおらず、すれ違いもせず…、こんな時に熊出たら、OUTだなと、ちょっとビビり始めました。鈴も持ってないし…。
バス停に辿りつけない!?
小さな売店?茶屋?がありましたが、くつろぐ時間もなく、進みます。
駅からゆっくり写真撮りながら、ここまで30分。
さて、「兎はね」(ウサギが対岸に飛べるくらいの狭い峡谷)、「かめ穴」(亀が住んでいる穴ではなく、瓶のような穴が開いている)というあたりは、案内があるもののイマイチ見えなくて、残念。
兎はねは何とか見えました。かめ穴は、水流で川底のが侵食され、石がぐるぐると廻って削られた甌穴(ポットホール)というものです。
さて、かめ穴のあたりまで来て、バス停「白岩」を目指します。
鬼怒川が大きく曲がっているのを見ながら、おかしいなと思いながら、分岐を大きく通り過ぎて、発電所まで来てしまった…。バスの出発まで残り15分。もう一度戻るも、分岐が見当たらない。
残り10分。(さらに2時間歩くか、山を駆け上がるか…)
地図を見る限りでは、30m上の山側に道があるので、谷の緩やかなところを見つけて一気に!
落ち葉が深く、枯れ木ばかりで掴めず、道なき道を行くことがこんなにつらいとは…、途中で崖をずり落ち…(命がけレベル…、主よ!)。
山を優雅に歩く鹿とは大違い、たかが10分ですが、汗だらだら…。
道が見えましたが、時間がない。
間髪入れず、(もう一回、神様呼んで)思い切って駆け登って、時計を見れば、ちょうどバス停到着の時間。30秒もしないうちに、バスがカーブを曲がってきて、両手を振り、バス停でもないところで、止まってもらいました(◎_◎;)
傷に効く「薬師の湯」
「ここバス停じゃないんですけど…」
「…、はぁはぁ、(*´Д`)」
「ホントは停めちゃいけないんだよね」
(分かってます…)「…、…、分岐がないんですよ、バス停へ◎◆×Aaaa〇・・・」
バス発車後、20秒。
「バス停ココだよ、ココ!」
「バス停に向かう、道がないんですよ、道が…」
とまぁ、こんな感じで、あっという間に川治温泉エリアに。
「川治湯元の駅の近くのバス停で下ろしてください!」
と、降りたところは…。
未だ汗が引かず、ようやくここで息つけました。
我に返り、気を取り直して、
地図とスマホ見て、現在地確認、川治温泉唯一の外湯「薬師の湯」へ。
ようやく、薬師の湯に10時過ぎに到着。お風呂は10時からですが、男性客は自分以外に2名。単純泉の弱アルカリ泉でPH8.0、温度も37℃と低めです。
受付のおばあんに「今日は、露天風呂が入れませんが良いですか?」と聞かれ、問題なし。
龍王峡から途中まで歩いてきたことを伝えると、
「もう紅葉は1か月前に終わっているし、誰もいなかったでしょ?大丈夫でしたか?」と。
(ちょっと大丈夫じゃない…)と呟きそうに。
「熊もね、居ないわけではないし」
「…」
久しぶりに気持ちの良い、遅い朝のお風呂。気がつけば、むこうずねに擦り傷でやや流血。崖で滑ったときに負った模様。アドレナリン出てたか、全く気づかず。
「傷は川治、火傷は滝(鬼怒川)」と昔から言われているらしく、これまた恵みと感じながら、入浴。
お風呂を上がると、直ぐに肌がスベスベなのに気が付きました。やはり、お湯は間違いないです。PHとかでは測れない、侮れない単純泉の深みです。
受付のおばさんに聞けば、昔は濃縮して、化粧水で売り出していた所もあったとか。
おばさんと話が弾んでいる時に、中年の夫婦が受付に。
「今日は露天風呂入れませんけど、大丈夫?」とおばさん。
二人は相談して、迷った様子で、
「そうですか…、じゃあ、また来ます」ということで、そのまま帰ってしまいました。
まさかの露天風呂!
露天風呂は外にあるんですか?と尋ねれば、
「露天風呂はこの時期、お湯が足りなくて、中止だそうで、外にあり、橋の上から見えますよ!」「混浴の露天風呂はもうこの辺ではココしかないんですよ、鬼怒川も無くなったし」とのこと。
(さっき見たけど、囲いで囲まれていた場所なのかと)
橋の上から撮りましたが、お湯はチョロチョロと流れており、ココが露天風呂。二つあるけど、二つとも橋から丸見え。
これは、男性でもかなり勇気が要る笑。川べりの素晴らしいロケーションですが、真横の橋からも、対岸から見ても丸見え、何度見ても、笑える。
中年カップルはまさか、ここに入ろうと思っていたのか…!?
本気だったのか?知らなかったのか笑
薬師の湯の岩風呂、夜中ならまだしも、日中ではくつろげまい。しかし、暖かくなれば、是非入りたいですね。
ということで、まさかの龍王峡オフシーズン、続いて、山中の迷子で崖を這い上がり、まさかの露天風呂に出会い、お昼前にして、充実の小旅行。
昼食を取りめげずに、午後も歩きます。(つづく)
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