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佃日記アーカイブ2009

ハリネズミ飼育としてはかなり初期ではないかと思うが、1986年から88年までハリネズミを飼っていた。その学名はをエリナセウス オイロペウス という。 オイロペウスというあたりが、いかにも「格調」が高い。欧州系ですね。欧風カレーなど よりも本当の欧州の香りがする。実際、針ねはかなりハリネズミ臭いのである。
この小動物は欧州からユーラシア大陸に分布しているが、なぜか朝鮮半島まででその先には来ないのである。
その針ねが、病気になって獣医さんに連れていったら、先生は「へえ、ハリネズミです
か、、、もっとよく見せてください」というくらいで、当時(80年代なかば)は珍獣のうちであった。
最近ではMIXIなどで「うちの子自慢」があるほどだから針ねも一般的になった。
以前、羽仁進監督にお目にかかったとき、なんとなく話題がハリネズミの話しになり、監督も以前飼っておられたとかで「あの人はねえ、、」ということになった。人称で呼ぶ所
に監督の針ねへの「愛」が感じられた。
坂崎幸之助さんは、「あの針ねの左右の耳がラッパのようになってるとこが、可愛いですねえ」と言う。

その針ねに、大枚25千圓で我が家に来ていただいたのだけど、同じ「商品」が家族連 れで夜更けのプラハの郊外の丘陵地を歩いているのは、なかなか可愛いものだ。 それでプラハの住民は夜、お皿にミルクを出しておく。
その「恩返し」に針ねが針にりんごを刺して届けにくるのであって、これは民芸品のモチ ーフにもある。
まず、「鶴の恩返し」よりも現実的だな。
個人カメラ雑誌「カメラジャーナル」を10年やったけど、針ねのマーク入りの限定のリコーカメラとか、英国製のカメラバッグなどを限定販売してこれがなかなか好評だった。
だからカメラジャーナルの読者さんには、その動物が何であるのか周知されていたが、銀 座の松屋のカメラショーでの自著のサイン会などでは、知らない人には「イグアナ」とか 「針千本」とか「おこぜ」を本に描いてください、とか言われた。これはひとえにあたし のイラストが下手なので針ねには多大なご迷惑をかけた。
1988年だかに、動物学の分類法がかわって、それまでハリネズミ目とかいうのがあったのが、もぐら目に変更になった。それでプライドの高い、我が家の針ねは憤慨して「自死」したのではないかと考えている。

我が家のハリネズミ「ハー君」の昇天日は19881224日。
すでに20年余が経過しているのだ。

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