羽の記憶

はじめに

 本稿は現体制NILKLYについて、現在地点とその位置付け、メンバーやパフォーマンスなどの有機的な瞬間を切り取って描き出すことを試みたものになります。見てきた範囲があまりにも限定的な上に、視点の置き方が多少斜めかもしれませんが(そもそも2年前はNILKLYについて書くなんて微塵も思ってもいなかった!!)、そうしたスタンスゆえの何かを書き残せればなあと思います。それではどうぞ。

NILKLYへのまなざし

・NILKLYとの邂逅
 私がNILKLYを初めて見たのは、2019年5月25日のNILKLYお披露目まさにその日になります。過去記事にも記載しましたが、ぐーるる目当てで訪れたWOMBでめいちゃ新グループのお披露目があるということで、どんな感じなんやろな〜と思っていたところに黒い羽だったので、第一印象は「また羽をやるのか田中さん…!」だったのは否めません。過去の2回があるので殊更に。ただ、初期メンバーのめいちゃ、イブヨ、潤ちゃんの仕上がり方と楽曲や世界観での新しさはその時点でも感じていたので、むしろ観る側としては過去の「黒い羽」像との折り合いの付け方次第だなあと思ったのを覚えています。(下記は「黒い羽」について縦軸で書いてみた過去記事です)

 とはいえ私はグーグールルを追いかけていたので、そのグーグールルが2021年4月に解散を迎えるまではNILKLYとは大きな対バン(アイドル甲子園とかギュウ農とか)で時間があったらステージ見ようかなくらいの距離感でした。イブヨの声量と潤ちゃんの来歴(都市の幽霊的な意味合い)が知識としてある程度。なのでオリジナルはOdysseyとREMしかわからん状態(今も怪しい曲はあるけど)でしたし、時折カマされるasthmaで過去がフラッシュバックして頭を抱える…といったこともありました。2年位前の話。


・新体制と躍動するニューカマー
 そんな時期を経て再びNILKLYを観るきっかけとなったのは、ぐーるる解散後に現場難民となっていた6月に開催されたMIGMA SHELTERとNILKLYとの不定期ツーマン「MILK GIRL Vol.1」で整番1を引き、期せずして両グループをガッツリと観る機会に恵まれたことがそれに当たるかなと思います。

 上記は新体制NILKLYを見た際の第一印象を記した筆者のツイートなのですが、メンバーのパワーバランスといい、新メンバーの面白さと新しさといい、「新しいものが始まる感覚」を久々に感じて、これはちょっと注視しておきたいなあと思った部分はありました。
 楽曲やパフォーマンスについては下記の章(ワンマンライブについて)で併せて触れるとして、以下ではその体制と面白さ、メンバーとその関係性などについて記載していきます。

-現体制について
 新体制NILKLYの始動は2021年5月23日、伊吹咲蘭、小林潤の2名に、小笠原唯、長門蓮の2名を加えた合計4名でスタートを切りました。
 田中さんの作るグループの性質上、てっきり奇数で曲ごとにセンター位置が設けられるような魅せ方をするのかなと思っていたので、この人数構成は自分にとっては意外でした。横道に逸れると、MIGMA SHELTERは現在6人体制だし、ALICE曲とか特にナラちゃん加入以降は歪さや不整合の中の解放としてのレイヴよりも、パフォーマンスそのもので殴るというかクオリティを突き詰めた先の境地を目指しているように感じているものの、NILKLYはそうした志向なのか?という点でいうとそれもまた違うというか。
 振り付けやフォーメーションも人数に依存するので、「4」という均等な数字はメンバー全員をフラットな立ち位置で魅せようという意志の現れなのかな、と勝手に感じたりしていました。
 旧体制ではまさにNILKLYの始祖であっためいちゃがいなくなった時に、最終的に残ったイブヨと潤ちゃんの両方を守るというか、お互いがお互いを助け合える状態で存続を選んだという形なのかな、と想像しています。それ故の現体制は「中心」の不在というか、「全員で進んでいる」チーム感がことさらに強く感じられるなあと思っています。

 現時点(この部分を書いていた)ではAqbiオーディションが開催中であり(10月29日時点で3次審査スタートしたらしい)、合格者は全グループ対象の為MIGMA SHELTERにもNILKLYにも新グループ(グーグールル後継)にも配属される可能性があるので、この4人体制である期間はもしかしたらかなり限定的なものになるかもしれませんが、だとしてもこの4人体制で再始動したことには大きな意味があるのではないかと感じています。

-私から見たメンバーの印象やその関係性について
+伊吹咲蘭
 旧体制時に見た時から(とはいってもちゃんと見てきた期間は少ないのであれですが)、一番印象が変わったメンバーかもしれないです。イブヨヴォイスの印象が強すぎたのと旧体制時のパフォーマンスから感じた印象は、元気でおしゃべりでパフォーマンスが派手(≒華がある)な子という感じでした。
 ただ新体制をここ数ヶ月ウォッチし、イブヨ生誕ライヴにも行ったりした上で今の印象を言語化するならば、「ネガティブ思考な面もあるけれど、メンバーが好きで、グループが好きで、自身のスキル(特にダンス)に真摯で真剣で、周りに気を遣える優しい子」という感じです。あとダンス、またそれに付随する表情管理がほんとに凄い。K−POPの人見てるみたい。それでいて情念を乗っけられるから見ごたえしかないなあという。生誕でのソロで披露したヤナミューの『Stain』すごかったな…

 2021年で23歳になったということで、お誕生日のツイキャスでは夢を追いかけることと人生と、というようなある意味アイドル活動としての逃れがたい現実もしっかり認識した上での今後の展望を述べていました。
 また、潤ちゃん唯ちゃん蓮ちゃんは2021年度に成人する世代なので、ひとりお姉さんになるという事もあってか「NILKLYの母」的な役割になることが多いように感じますが、後輩2人の成長と頼もしき潤ちゃんの存在に支えられつつ、もっとプレイヤーとしてやりたい放題やるところも面白そうだなーって思ったりしてます。
 俯瞰で見れるがゆえの動きもあると思いますが、あなたの武器は強いのよという言葉を贈りたいなあなんて思います。

※お誕生日のツイキャスめちゃんこ良でした。

+小林潤
 最初にNILKLYを見たときは潤ちゃんが気になっていました実は。2年半前のお披露目時。飄々としているように見えて、ステージ上では感情のこもった熱いパフォーマンスをするかと思えば、ステージを降りるとあのマイナスイオン漂うような森林の中にいる心地になる優しい声と話し方、ギャップが素晴らしいなと。潤ちゃんはイブヨと比較したときに私の第一印象からの現時点の印象とのギャップはそれほど大きくはなかったものの、なんというか奥行きが増すとともにその底知れなさを実感している感じですね。
 パフォーマンスで特に好きなのはLikeのラスサビの「L~~~~ike」のところ(伝われ)です。
 イブヨのパフォーマンスは華やかで麗しいという言葉で表現するなら、潤ちゃんのパフォーマンスは情熱的な格好良さというか。魂が歌い踊ってる感じというか。
 いまは潤ちゃんイブヨで共同生活しているみたいですが、そうする前からも活休期間含め2人で支え合ってきたんだな、というのが先のイブヨ生誕での潤ちゃん→イブヨへの言葉からも感じられましたし、主役より真っ先に泣いちゃう小笠原さんからの流れ良かった。
 そして、割と複雑な構成や激しめのダンスを繰り出すNILKLYの楽曲パフォーマンスにおいて、その混沌と均衡の合間を成立させているのが、潤ちゃんのぶれないスキルなのかなとも感じています。基礎技術の高さというか、サッカーで言う「止める・蹴る」が上手い感じ。イブヨを左ウイングに置くなら、潤ちゃんは左ボランチで展開を任せたい感じです。サッカーの例えを続けてしまったけれども、それくらいいい意味での安定感と信頼感があります。最近は後輩2人に対しても大人な面を見せている潤ちゃん。大人っぽくなったねと感じつつも、このグループでいい仲間と出会えてよかったね、という気持ちですね。今後も益々楽しみです。

+小笠原唯
 新生NILKLYが始動し始めた頃、TLのヲタクが唯ちゃんに良い意味でざわついていて、その全方位特攻みたいなインパクトの残し方から気になって、今に至るという感じです。最初の頃は前世持ちっぽいぞ、くらいの前情報しかなかったですけど、確かにパフォーマンスには「技術」を感じるし、距離感の測り方と空気感は天性のものを感じるなあと思っていました。
 僕は唯ちゃんブログの文体、食事関連の割合、唐突に挟まる「人生」、みたいな思考の足跡とグルーヴを感じるところのファンなのですが、その片鱗を感じたのが2回目のブログでしたね。1回目はスタンダード自己紹介ブログだったところから、次の回でそのグルーヴを見せています。

 オーディションで歌った曲がYUIの『Good−bye days』だったことも個人的にかなり良かったんですけど、以下の部分が特に好きでした。

二次審査当日、審査を一通り終えた後
田中さんに
「ではなにか質問はありますか?」
と言われて

給料はどうなってるんですか?ちゃんと払われますか??
活動頻度はどういう感じですか?
NILKLYの目標ってなんなんですか?私はMステに出たいんです!!!!!

など....初対面にもかかわらず怖いもの知らずな質問攻めをしました!笑

 オーディションの段階でこの辺を突っ込んで聞ける人って道筋考えられてる人だなあと思うし、野望もしっかり持っている感じが最高ですね。
「あ、この人気になる」となったのは振り返るとこの部分だったなと思います。
 本人に「パフォーマンス面で見てほしいところは?」と聞くと「ダンスをガンガンに攻めていきたい」とのことだったんですけど、その言葉通りこちら側から見ていてもテクニカルな面でのダンスの上手さは感じるし、その上での遊び心が乗っかっている感じが見ていて飽きないなと思います。ステージ上から感じる感情の振り幅でいうと、メンバーの中で唯ちゃんが一番純度高くそれを感じるかなあという印象です。
 また、外交力的な面で言うと、かなり積極的にAqbi内外に関わらず仲良くなりたい人とのコミュニケーションを取っている印象がありますが、その相手に対して本当に仲良くなりたい!!!の気持ちで飛び込んでいるようなところを感じるので、そこもまた愛され力なのかなあとか。
 見どころも満載で話していても楽しい唯ちゃん。その素敵な感性とあらゆる方向への推進力でどんどん伸びていってほしいなあと思っています。

※上記はダンス配信のツイキャスです。オムライスクッキング配信は「そして伝説へ…」

+長門蓮
 蓮ちゃんのライブ中の笑顔は革命だと思う。そのくらい屈託がなくてどの曲でも楽しそうに笑ってるの見るとこっちも笑顔になるよねという。
 ダークポップな世界観と楽曲に対し、いい意味での違和感を残し続けているところが最高だなと思います。アイドルグループに限らずいろんな芸術や表現活動において、定石や世界観の中に配置された違和感こそがその独自性であったり個性、という様な捉え方を私はしているのですが、そういう意味で新生NILKLYの新しさを強く支えているのは、先の唯ちゃんの縦軸の新しさと、蓮ちゃんの横軸の新しさにあるのかな、とか考えたりしています。
 アイドル未経験とのことだったので、初手Aqbiとそのヲタク含め慣れてくれるかなあという一抹の不安はあったものの、いまのNILKLYに入ったのが環境としてもチームとしてもとても良かったのかなと感じています。
 学業との両立も大変そうだけれども、ステージに立つこと、ヲタクとの感情の交換を楽しんでくれていることは何よりだなあと。
 歌声の音域としてはその低めの声もいい味を出しているし、かと思えば歌唱力の伸びも凄くて、I Heart Uのファルセットとかとてもきれいだし伸びやかなので、成長し続ける姿を目撃できている感触があります。DAY DREAMリリイベで振り付けがついていない時代のアドリブダンスで独特な動きをしていた時代も懐かしい域で、今や激しい振りの部分でも緩急がついていてとっても見ごたえがあります。
 蓮ちゃんブログもまた結構好きなんですけど、最近のポストでぐっと来たのはこの回でした。

 人それぞれ理由があってアイドル活動を志し、実際にオーディションを経て人前に立つというプロセスがある中、Aqbiを選んで、NILKLYでアイドルになるという選択を採ってくれた蓮ちゃん。我々(というと若干主語は大きいですが)ヲタクは入ってくれてありがとうだしNILKLYになってくれてありがとうの気持ちだよ!と伝えたいですね。

NILKLY one-man「NERVOUS」

 セトリは以下です。1曲ずつ(MC含め)箇条書き形式ですが感想を書いていきます。(下記の方のツイートを引用しました)

1. DAY DREAM
・歌みんな上手くなったよねえ
・唯ちゃん右肘にサポーターみたいなの着けててここまで準備してきた積み重ねを感じて心配と同時にグッときていた
・この明るい曲で始まるのが新生NILKLYという感じで好き

2. 2SoundDown
・カバー曲というかNILKLYがやるベルハー曲全体に言えることだけど、曲そのものがNILKLYに向けてアレンジされてるし歌詞も変わったりしてるし、その上で曲に纏わりついているベルハーの残り香も薄くなってきてるというか、NILKLYの色と香りがしっかりと感じられるようになってて良い
・蓮ちゃんのパンプキン🎃のパート好き
・4人という人数に合うな2SD

3. Apathy
・タルトレット〜〜〜〜
・DAY DREAMのカップリング(裏)がApathyなの最高
・Apathy超好き
・2:2になる時の表情とかも見所
・魂の小林潤

MC1
・唯ちゃん髪型ゴージャス
・イブヨ「始まったら終わっちゃうよ!!!」←言いたいことめちゃわかる
・イブヨ「今日は私達が世界で一番格好いいです!!💪」←ライブ全編を通したらこの言葉を証明していてよかった

4. Hash Up
・蓮ちゃんの高音というかファルセットを聴いて成長を感じるなど
・振りが激しい中でも歌がブレることは少なくなってきたように思う
・Hash Upのピアノの音に合わせて跳ねる部分の唯ちゃんの動き、音符になっているかのような動きでお気に入りポイント
・表情管理、イブヨはほんと強いすね…

5. Anything
・イントロでおおおおおとなった
・新体制は暗い曲よりもアップテンポな曲が似合うので、ここでAnything持ってきたのありがとう
・小林潤さん!!!!おれだ!!!!!(となるくらい惹き込まれる格好良さ)
・配信のアーカイブ聴いてるとオケ自体もアップデートされている
・ナンシーのツイートで見返すとたしかにアウトロにNILKLYのロゴの形を描いているわね、ナンシー振り付けのこういうイースターエッグ感も良い

6. Like a Bending Spoon
・新体制が気になり始めたきっかけの曲ことLikeなので拳を突き上げたよね
・楽しいのよ、楽しいのよ
・これはやはり唯ちゃん蓮ちゃんが入ったからこそ生まれた曲という感じ。希望なんだよなあ
・OdysseyがNILKLYの代名詞なら、Likeは新体制を代表する曲になっていくと思う
・お尻を振るパートでの潤唯と蓮咲蘭のそれぞれの振りが楽しい

7. c.a.n.d.y.
・新c.a.n.d.y.どんどん好きになるな、元とはもう全然別物になってるしニッコニコで良い
・ナンシーが書いてた唯ちゃんから聞いたか覚えてないけど、「はしゃぐJK」みたいなイメージとかがある的な
・三時のヒロインがなぜか毎回よぎるんだよな
・song2の面影もかなり薄くなりましたね
・楽しくてハイタッチするのもわかるよね楽しいもん

8. KANWA Q-DIE(新曲)
・唯ちゃん始まり〜
・小躍りしたくなるひたすらノリノリの曲
・半ラップパートみたいなところ良いねえ
・ナンシー振付のエッセンス全振り感
・羽がないとこんなに手足も表情も見えるんだなあ、みんな笑ってるのがわかって良いなーって
・言葉選びはやっぱり田中さんなんだけど、鬱々としてないのでぐーるるの時に近いマインドなのかもしれん
・最後のポーズ(シェーみたいなやつ)のポーズでスナッキー??となってたヲタクたち
・Qの振りは絶対習得する(決意)
・振り解説のとき簡単だよ的な前フリから普通にむずくて笑った
・KANWA Q-DIEのKANWAがKWANGYAに空目してしまう

MC2
・蓮ちゃん、Qの振り付けに苦戦
・Anything新体制初披露\ヤッター/

9. REM
・ヤバ曲ことREM
・この曲がわりと初期からあるグループって何だよ(褒め言葉)
・曲のイメージの割に鳴ってるギターもドラムのビートも振りの激しさもある
・良い音響の箱で聞けば聞くほどコテジュンさんの声が響き渡る

10. Night is Yours
・好き曲ことナイトイズユアーズ
・童話みたいな曲だよね
・田中節の歌詞ぃ〜って感じ
・唯ちゃんが顔出して見渡す振りの部分好き
・潤ちゃんのサンセットの言い方のファン

11. I Heart U
・イントロ〜Aメロの刻み方変態だと思う
・歌がじっくり聴ける曲、半バラード的な
・シンメを多用できるのは4人体制ならでは
・引きの画で撮った時の蓮ちゃんの画の力強い

12. Fact or Fable
・唯ちゃんが特に力込めて歌っている曲ことFact(他の曲も色々歌い分けているとのこと)
・シンプルにかっこいいんだよな
・潤ちゃん、衣装のインナーがノースリーブから長袖ハイネックになったのとグローブが相まってさながら忍者

13. Manic Panic
・ベルハー曲からここ持ってくるのマジでNILKLY
・ダーク風味と可愛さとは新体制に確かに合っている
・餅つき
・大衆性を帯びてきているな
・大分元の曲からはアレンジされていたけど個人的には全然あり

MC3
・自分達の曲を格好いいと言えることは最高だね潤ちゃん
・LikeとKANWA Q-DIEのシングル音源リリース\ヤッター/
・「楽しさ」がテーマのシングル楽しみすぎるわね
・心眼のくだり俺は好きだよイブヨ!
・あともう一回ワンマンやりたい、それはそう
・動画頑張ったよねほんとえらいよ
・ここまで活動してきてようやく初のワンマンなんだよねえ、万感
・ずっとMCでいいのに(?)
・愛に溢れる、そして最高気温を教えてくれる潤ちゃん

14. Icecream
・アイスクリーム表記ではもう無いんだよな今更ながら
・熱量が伝わってくる
・4人で腕絡めながら陣を作るところマジで好き
・スペースあったらもっとめちゃくちゃに踊りたい

15. Block System

・イントロで優勝を確信
・声量上がったのを感じる
・目の前にきたもの全部薙ぎ倒すみたいな曲
・ラスサビ前の心拍からのカタルシスよ

16. Odyssey
・NILKLYの象徴ことOdyssey
・銃のモチーフでぶっ放して終わるの良い
・倒れ込み、蓮ちゃん上手の方で機材とかにぶつけないようにね、と毎回親心(?)が発生する
・ひとりひとり見せ場がある順々に出てくるところ、アイドルグループだ!!ってなる

MC4
・潤ちゃんMC、表現のところは皆に聞いてほしい
・ライブって素晴らしいよね
・見つめる蓮ちゃん
・イブヨは母の表情
・誰かが泣くと集まるの可愛いねえ
・貰い泣き唯ちゃん
・活動が楽しいということ、何よりだぜ
・イブヨがいてくれる事こそがありがたいしイブヨのおかげでグループとして救われてることも絶対ある

全体的な感想

 上記唯ちゃんツイートでぐっときました。よくツイートに登場するお母さんやおばあちゃんや弟くんについては活動のことも知っているしブログとか読んでたりしていたと思うのだけれど、この「お客さんを喜ばせられて初めて対価をもらえる”仕事”として成り立っていて見方が変わった、動画とかじゃなくてちゃんと生で見てよかった」の言葉が、娘さんに対して仕事人としてのリスペクトの念を持っての言葉だなあというように受け取れたので、この関係性も、お父さんにこの言葉を言ってもらえるような活動を積み重ねてきた唯ちゃんもまた素晴らしいなあと。

 ライブ本編は1時間半くらいだったのかな、としても一瞬で過ぎたような濃い時間でした。30分押してたのも気づかないくらい。今回はこういったセトリだったけど、新体制ではまだ一度もやっていない曲だとか、あるいはベルハー・ゼアゼアから曲を持ってくるとか、さらには新体制での新曲とか、やれる曲のストックや期待感もまだまだ大きいので、楽曲面でも本当に楽しみなグループになってきたなあと思います。とくにベルハー曲をやるときとかは曲に食われたりしないかと無駄な心配をすることもあったけれど、いまとなってはもうそんなの関係なく自分たちの色で歌っているし、明確に「NILKLYの歌」なんだよなあと。安心して新体制NILKLYに付いていっても大丈夫なんだよというのは思うところでもありました。

 パフォーマンスとしても成長を感じる部分がここ約半年の中で見てきていても十二分に多かったし、何よりグループのバランス、メンバー間の紐帯の強さ、チーム感がある現体制は、見ていてワクワクさせられる何かがあると思います。そこには、NILKLYを最初から支えてくれたイブヨと潤ちゃん、そして加入してから半年ほどでワンマンを迎えた唯ちゃんと蓮ちゃん、それぞれがそれぞれの苦悩と努力を重ねながらこの日にたどり着いたであろうことが、MCなどでの各々の言葉の端々からも感じるところでした。とくに唯ちゃん蓮ちゃんについては、もう実感としては「新」メンバーではないし、誰が認める認めないとかじゃなくその頑張りは皆が知っているので、胸を張ってNILKLYを引っ張っていってほしいなあと思います。

 ラストのMCで潤ちゃんが話していた内容が特に印象に残っていて、潤ちゃんはステージでの表現について「格好良く見せたい部分と自分の心の内をさらけ出したい、そのバランスについて考えていたけど、今日ライブをしていて気づいたんだけど、ライブをしていて内側から出てくるものが本当に表現したいことだから、ライブをしていて楽しいな、と内側からにじみ出てくるものが勝手に表現になるんだから、あんまり悩みすぎなくてもいいんだな、ライブって素晴らしいなあ」(意訳)と言っていたけれど、潤ちゃんにとってライブが楽しいと感じてくれていることが何より嬉しいし、この体制のNILKLYに通底している「楽しさ」を潤ちゃん自身が体現しているのがとても感慨深かったです。

 このワンマンをもってして、いよいよ名実ともにNILKLY第2章のスタートの感があった1stワンマン。明るい未来図を描き出すようなライブだったなーと思いました。今後の成長も楽しみです。

黒い羽の未来

 新体制NILKLYが始動し約半年、その歩みは「黒い羽」とは一線を画する独自性を獲得しつつあるように思われます。DAY DREAMとか羽を想定した振り付けじゃないし。窓とか。そういう意味では、旧体制NILKLYは旧劇場版エヴァ、新体制NILKLYはシン・エヴァの世界線というか、あり得た可能性を選び取る「黒い羽」の未来系なのかなと思います。
 BELLRING少女ハートの動物的で魂を燃やすような刹那的な興奮と、THERE THERE THERESの宗教画のような構図への美的感覚と洗練されたパフォーマンスに宿る狂気、そして旧体制NILKLYのダークでヴィランのような狡猾さを持ちつつもエネルギッシュでキャッチーを兼ね備えたポップネス、それらに共通する「黒い羽」というモチーフを鮮やかに捨象してみせたのが、新体制NILKLYなのではなかろうかと。

 かつてBELLRING少女ハートがZeppTokyoやTDCホールを埋めたような時期とは、ご時世の関係もアイドルシーンを取り巻く状況も一変しているので一概に比較できるとは言えませんが、だとしてもいまの新体制NILKLYにはそんなストーリーを期待させる何かがあるなと思います。

 庵野秀明が「エヴァンゲリオン」を超克し完結へと導いたように、田中紘治は「黒い羽」を超克するのか、という分かちがたき宿命とも対峙していくNILKLYですが、そんな部分も軽々と飛び越えてみせる、そんなパワフルなNILKLYは今後も楽しみだなと思います。

参考動画


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