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仕事を続けながら税理士合格を果たした「勉強法」(1)


今回から、「超」整理手帳のユーザーの方にお話を聞いていきます。
一人目は、働きながら難関資格、税理士試験に合格した師岡徹さんです。


勉強漬けのストイックな6年間

──師岡さんはいま、税理士としてお仕事をされているんですよね。

師岡:はい。3年前に税理士資格を取得しました。

──税理士って、かなり難関資格ですよね。合格率はどのくらいなんですか?

師岡:試験科目が11科目あって、うち必須科目を含む5科目に合格すると、税理士試験合格となるんです。年度によっても違いますが、科目ごとの合格率が十数パーセント、最終的に5科目合格にたどりつけるのは2〜3パーセントといわれています。科目選択の戦略や、大学院に通って論文を書くと税法科目の2科目が免除にになるという抜け道もありますが。

──相当な勉強量が必要と聞きますが。

師岡:税理士試験は、まず会計科目(簿記論と財務諸表論)を受験してから税法科目(所得税法、法人税法等)の順番で受験していくのが一般的です。私も会計科目からはじめましたが、一番最初の講義で先生から、こんなことを言われました。

「ここはカルチャースクールではありません。習いごとのつもりで来た人はやめてください」

「お金と人と時間を犠牲にする覚悟はありますか? これからあなたたちは最低でも5年以上勉強を続けることになりますが、その覚悟はありますか?」

「ここに100人いたとして、来年の試験会場にたどりつけるのは7分の1です」

……実際、最初は120人くらいいたんですが、最後は10分の1くらいに減りました。脱落していく人の理由は、社会人になって久しぶりにテストの成績という点数で評価される厳しさに耐えられないこと、そして、何よりも1年間勉強していくイメージ、すなわち合格というゴールに向けて何をしていくのかが見えないことです。

──厳しい世界ですね。師岡さんは仕事を続けながら試験勉強をされたんですよね。勉強中はどんな生活を送っていたんですか?

師岡:平日は朝5時半に起きて、家で1時間、出社前に喫茶店で1時間。就業前に2時間勉強すると決めていました。9時から17時まで仕事をして、仕事が終わったら勤務先から専門学校に行きます。17時半から21時くらいまで授業か自習です。夕食はおにぎりを持っていって、食べながら勉強していましたね。休みの日は当然勉強です。たとえば子どもの運動会も、午前中だけ顔を出して午後から勉強とか。でも、そこまでやらないとなかなか受からないんですよ。

──す、すごい。大学受験よりストイックですね。そんな生活を何年続けていたんですか?

師岡:6年です。試験が8月の半ばくらいなので、その直後は少しだけ休みましたが。私は35歳で勉強をはじめたので、できるだけ最短でと思い大学院に通って科目免除を受けましたが、それを含めても平均9年か10年かかるといわれています。まれに3年くらいで受かってしまうスーパーエリートもいますけどね。

──師岡さんはかなり早いほうだったんですね。でも、長い間勉強し続けるのって、相当な覚悟と根気が必要ですよね。

師岡:そうですね。税理士試験の受験者は、ほとんどが社会人です。特に30代から40代が多い。みんな働きながら勉強しています。だから、工夫して勉強時間を確保したり、効率的な勉強法を考えたりしなければなかなか受かりません。高学歴でもなく平凡な脳の私は、社会人として培ってきた時間管理、タスク管理、文具好きなど、あらゆることが受験に生きたと思っています。

時間管理を制する者が税理士試験を制する

──なるほど。合格するにはやみくもに勉強するのではなく、計画性のようなものが必要になってくるわけですね。

師岡:そうです。受験というと大学受験が頭に浮かびますが、だいぶ違いました。私は当初、最初の1年で2科目合格、2年で1科目合格、それから大学院の科目免除で4年で終わらせようと計画していました。でも、1年やってみて、勉強量がまったく足りないことに気づいたんです。正直、甘く見ていましたね。勉強すること自体に10年以上ブランクがありましたから、どれくらいのボリュームをこなせばよいのかも、よく見えていなくて。その後は1分でも無駄にできないと思いました。特に働きながらの受験は、勉強時間の確保との戦いです。

──時間管理の必要性に気づいたわけですね。

師岡:はい。税理士試験の勉強は、時間管理が大きなカギを握っています。ですから、いろいろ試行錯誤を重ねました。税理士試験はゴール(試験日)が決まっているので、いわゆるトップダウンの考え方が必要です。受験日に照準を合わせ、勉強のスケジュールを決めていく。つまり、ゴールまでにこのくらいの実力をつけるためには、ここまでに何を暗記して、どのくらい問題を解いて……と、受験日から逆算してスケジュールを立てるわけです。でも、日々の勉強ではボトムアップで少しずつ積み上げていかなければならない。ボトムアップとトップダウンを両方考える必要があるんです。

──日々勉強を重ねなつつも、常にゴールを意識していなければならないわけですね。

師岡:そうなんです。ゴールからの逆算、つまり試験日までに合格できる実力をつけなくてはいけません。そのために、現時点で自分の実力はどれくらいか、試験日までに何をこなせば合格する実力をつけることができるのかを、つねに考えながら勉強を進めていく必要があります。

──そのためのスケジューリングって、どうしていたんですか?

師岡:ゴールからの逆算をするために、一覧性のある「超」整理手帳を利用しました。これが、想像以上に活躍してくれました。「超」整理手帳はジャバラに折られた長いスケジュール・シートで8週間(約2ヵ月)を一覧できます。正直にいって、これがなければ資格取得が難しかったというくらい重要なツールでした。超整理手帳をパーッと開いて「ここまでに何をやろう」「ここは連休があって時間がとれるから、調整に使おう」など、ゴールを見定めながら大まかな予定が立てられるわけです。

師岡さんの具体的な使い方は次回(2)で。



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