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【審判目線で見るJリーグ #1】2022/2/19 第1節 京都サンガ FC VS 浦和レッズ @サンガスタジアム

こんにちは。
CHR(ちひろ)と申します。
とうとうJリーグも開幕しましたね。
やっとこの時が来たなという気持ちです。

早速試合を振り返り、要所の判定の解説をさせていただければと思います。
最後までお付き合いよろしくお願いいたします。


審判団紹介

R:福島 孝一郎(PR)
A1:渡辺 康太(国際副審)
A2:赤阪 修
4th:大塚 晴弘
VAR :鶴岡 将樹
AVAR:八木 あかね

ピンボケしてますね。ごめんなさい。

試合結果

京都 1-0 (0-0) 浦和

得点:49分 ピーター ウタカ(京都)
YC:なし
RC:なし

試合振り返り

・試合全体を通して

開幕戦という位置付けではあったものの際どい判定や大きなインシデントもなくゲームの難易度としては難しくは無かったなという印象を受けました。

福島主審はすぐに反則を取るのではなく、ある程度プレーをさせる主審なのでかなりガツガツと選手同士がぶつかり合う試合になると予想していました。
この予想通り両チームともハードワークをしていて、見応えのあるゲームとなりました。

まぁ結局負けたのでホントにボケてんなぁこのチームはと思いましたが。
 
ゲームの作り方としては前半から丁寧に選手へのマネジメントを行い、選手のボルテージを上げないことで上手くコントロールしていたと思いました。

・前半

3分
京都16番武田選手→浦和15番明本選手
スライディングでの足へのタックル

ファールを取りすぐに武田選手へ明本選手に謝るように促しています、
その後注意をするとこでファールされた明本のボルテージを上げないようにコントロールしていました。


10分
この試合初のコーナーキック

ポジショニング争いの際にプッシング等で強めにやりあっていたのでプレーを止めて声掛けた。
ここでの声掛けはこの後のコーナーキックで同じことをさせないように牽制する狙いもある。

13分
京都14番白井選手-浦和15番明本選手
アクシデント
 
DFライン背後へのロングボールに併走しコンタクトした。
どちらの競技者もボールに視線がいっており相手競技者が見えていない状態なので反則にはならない。

・後半

49分
京都得点 1-0

 
この得点で京都はハイプレスだけでなく引いて守ることも選択肢の一つになる。
逆に浦和はより一層攻撃に比重を置くことになる。

55分
京都14番白井選手→浦和1番西川選手
アフターチャージ

カウンターで抜け出した白井だったが西川が飛び出してクリア。
止まりきれなかった白井がクリアした後の西川に突っ込む形になってしまった。

64分(重要!)
京都5番アピアタウィア選手ー浦和15番明本選手
タックル

このプレーがこの試合で1番意見の分かれるジャッジになったのではないかなと個人的には思います。

結論を述べるとこれはファールだと思います。
しかし非常にシビアなジャッジになりました。
 
外側から見ることが出来れば正しい判定は出来たと思いますが展開的には厳しいですね。
ウタカ選手がインターセプトされ中央でボールロストしてからのショートカウンターとなり、江坂選手にボールが入り前を向いた際には両サイドに浦和の選手がいませんでした。
しかし強引に左サイドの空いたスペースにボールを展開し、コンタクトのあったプレーに至ります。
 
この時福島主審はウタカ選手がボールキープをすると予測し中央にポジショニングし、ボールロスト後も前が詰まっていたので速攻はないだろうと考えていたのではないでしょうか。
しかしボールは外に走り出した明本選手に繋がりそうになります。
その結果恐らく串刺し(争点が競技者によって隠されてしまうこと)になってしまった為に判定がしづらくなってしまいます。
さらに争点まで約20mと少し遠い距離での判定になってしまい説得力に欠けました。
 
ここから少し試合の温度が上がってしまった印象を受けました。

90+7分
試合終了
 
この後に大きな判定は無く試合終了。
浦和はコロナ陽性者が多く出る中でコンディションが上がらなかったのが厳しかったですね。
それでも勝ち点1は取らなければならない相手でした。
いや、優勝目指すなら勝たなきゃダメでしょ
 
逆に京都はハイプレスがとても良く効いていました。完敗です。
 
両チームノーカードというタフでフェアな素晴らしいゲームでした。

感想

この試合を現地で観戦していましたが、JFAがレフェリーに求める「スピーディーでフェアでタフなゲーム(後述)」を上手く作り上げていたなと肌で実感しました。
多少の反則でもどんどんと前へ進む両チームの姿はとても素晴らしかったです。

たくましい選手の育成

レフェリング/フェアプレーの推奨

ポイント
• 自立したたくましい選手の育成。そのために技術・審判の協調と双方の努力、サッカー理解が必要。「スピーディーでフェアでタフなゲーム」をめざす。
• 「ささいなファール」は「ファール」、激しくてもフェアなコンタクトはノーファール。
• ファールであってもプレーを続ける意志があれば、アドバンテージの適正かつ積極的な活用
• 選手はプレーに集中する。指導者からの働きかけが重要。
JFA公式サイト 大会ガイドライン


その他の試合の主な判定について

・名古屋vs神戸 @豊スタ
58分 扇原選手退場

主審:谷本 涼(PR)
 
主審は今年からPRに登録された谷本さんです。
これはもう解説不要のDOGSOでしたね。
もう教科書に載せたいくらいです。
 
注目したいのはそのひとつ前のファールをアドバンテージを採用したところです。
攻撃する名古屋にとっては数的不利の状況でしたがカウンターになると咄嗟に判断し、アドバンテージを採用した結果の決定機阻止なので谷本主審の狙い通りの展開でした。
その後大崎選手にはしっかりとイエローカードが提示されていた点も良かったと思います。(理由はラフプレー)

・G大阪vs鹿島 @パナスタ
38分 パトリック選手退場

主審:荒木 友輔(国際主審)(PR)
 
この退場シーンは

退場となる反則
競技者、交代要員または交代して退いた競技者は、次の反則のいずれかを犯した場合、退場を命じられる。

 (中略)

◦ 乱暴な行為を犯す。
サッカー競技規則  2021/22 12条より

という項目での退場に該当します。
 
当たったか否かに関わらず、相手競技者がいるのに意図的に肘を振っているという事実がある以上退場は仕方ないと思います。
 しかし鈴木優磨選手のあのプレーはどうなんですかね。見てて悲しくなりました。
シンプルに嫌いな選手だからって言うのもあると思いますが…

最後に

こちらの記事を最後までご覧いただきありがとうございました。
拙い文章だと思いますが皆様のサッカーへの理解、審判への理解に繋がるようでしたら幸いです。
今後も記事を書いていきますのでよろしくお願いいたします。 
 
 
CHR

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