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贈り物は相手の時間を想うこと

わたしは文具と雑貨の店の店員をしている。
毎日、いろんなお客様が来るけれど
ふと考えると、
いろんな人の大切な大切な贈り物選びに
この店を選んでいただいて、そして、
そのお手伝いができていることって
とても尊いことじゃないか、と気付いた。

うちの店は主要な駅に直結していて
平日でだいたい
60〜80人くらいお客さんが来る。
買っていくものは
もちろん贈り物だけでなく
自分のために必要なものもあるけれど
どんな物であっても
ここで買ってくれたということに
私たちは意味を感じるし
その時間をいたただいたことに
ありがたいなと思う。

ものを買うとき、ひとは、
ひとつのものを手にして
使うときの時間を想像して
これにしよう、と決める。

それだけでもとても楽しいけれど、
「これを新たに買うことで、
自分の時間が豊かになる!楽しくなる!」
そんな思いを巡らせていると
わくわくしてくる。

自分の生活に対してもわくわくするけれど
贈り物を選ぶとき、ひとは、
きっともっといろんなことを考えているだろう。

「贈るからにはせっかくだし、相手が喜んでくれるものがいい。使ったり食べたりしてくれるものがいいな〜」

そうして、相手のいろんなことを思い起こしながらもの選びがはじまる。

贈る相手の好きなもの
よく着る服や、バッグ、靴、持ちものの色
好きな食べ物、好きなこと、
仕事、生活スタイルなどなど…

わたしはこの
「選んでいる時間」が
とてつもなく大切で尊いと思っている。
相手のことを頭の中のすべてで考えて
ひとつのものを手に取り、
相手が使っている姿を想像して、
んー、これは違うな、こっちの色かな…とか。

自分と相手の関係性によって
その時間は変動するし
直感でパッと決める人も
じっくり悩んで選ぶ人も
いろんなパターンがあるにせよ
この「選んでいる時間」は
きっと、
選ぶ物よりも大切な「想い」を
自分の中から引き出すときだ。

その時間に、わたしはこれからも携わり
贈るひと、贈られるひと、
その先の時間に幸せがあることを願いながら
お店に来てくれる人が
ここに来てよかったと思えるような
店作りをしていきたい。

#お店でのこと
#雑貨店員の話
#私の仕事

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