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黄色に恋した3年間〜サポーター生活を通して自分を好きになれた話〜

柏レイソルを応援してそろそろ3年が経つ。

平日は次の試合の日が来るまで仕事を頑張り、休日はホームかアウェイどちらかのスタジアムで試合を応援。勝敗によって気持ちの差はあれど、同じクラブを応援している仲間と一生懸命飛び跳ね、声を出して応援し、クタクタになった心地よい疲労感は変わらない。そしてぐっすり眠り、次の日からまた試合の日を待ちながら仕事を頑張る、というサイクルが3年間続いているということだ。

そんなサイクルを続けながら、私は少しずつ変わっていった

サッカーにハマる前、私は新卒で入社したシステム受託開発会社のエンジニアとして企業に派遣されてシステム開発を行う仕事をしていた。
IT業界特有の男女比のとおり、私の派遣先のチームにも若い女性が少なく、配属当時はまだ新卒間もない頃であったしそれなりにチヤホヤされたと思う

配属当初はそれで良かったが、当然ながらこういうチヤホヤにはいつか終わりが来る。女性の新人が配属されてきたり、パートナー企業から可愛い女性社員を配属させたりしたときなどだ。
ただチヤホヤが終わるだけならそれで良いのだが、そういう場合は必ず周囲に"お局"的なキャラ付けを勝手にされ、さらに、勝手にいわゆる「女子力」を比較されるたりするのである。そして自分がその勝手に付けられたキャラを演じ、ヤイヤイ言われながらも「やめてくださいよ〜!」などとその場を茶化さなければ「空気の読めない奴」と揶揄される

当時は、こういうことは最早女性にとっては決められたルートなのだろうと半ば諦める気持ちだった。敢えてそこまで考えていなかった部分もある。むしろ、茶化す反応をして場が盛り上がるのであればそれでいいとすら思っていた。
そんな日々を過ごしながらも私にも彼氏(現夫)が出来、彼と共に柏レイソルを追いかけるようになった。

そしてある日、私は飲み会の席で同僚に「彼氏に影響されてサッカーハマるなんてダサいな」と言われた。きっと、同僚からしたらいつもの"イジり"の一環なのだったと思う。それでも私は無性に腹が立った
レイソルを応援するために、サッカーを観るためにスタジアムに通っているのは絶対に私の意志だった。あの非日常を、あの熱狂を体感するために自分の意志で行っているのだ。別に彼からスタジアムに来るように強要されることは一度も無かったし、サポーター仲間は同じようにレイソルを応援してくれる人が増えるだけで喜んでくれた。そんなこと言うなんて、私にも彼氏にも、サポーターにもとても失礼じゃないかと思った。

その時初めて、何でこんなに自分のことで勝手にいろいろキャラ付けされてバカにされなければいけないんだ、何で私をダシにして酒の席で笑いを取ろうとするんだ、何でサッカー観戦という趣味を持っただけで「彼氏に影響されてダサい」なんて決めつけられなければならないんだ。ということに対して怒っていいのだとやっと気付いた。彼とレイソルが気付かせてくれた。
ただ、その場で言い返せなかったのがとても悔しかった

この出来事以降、私は自分の気持ちをなるべく丁寧に言語化するようになった。 好きなこと、嫌なこと、得意なこと、自分はこうありたいと思うことをきちんと考えるようになった
そして、転職をしようと決意をした。

サッカーは自分の中の様々なことに気付かせてくれる。私は様々なサッカーにまつわるコンテンツの中で、特にクラブのマーケティング施策やクラブを盛り上げるための運動なんかを取り上げる記事を読むのが好きで興味があるということに気付いた。
そのため、転職先はエンジニアとして培った技術を活かしながら企業のマーケティングに関われる仕事をやりたいと思い、希望通りの職に就くことが出来た。そしてレイソルを応援しやすくするために千葉の会社を選び、千葉に引っ越した

自分で考えて選んだから、自分の行動に自信が持てる。自分の行動に自信が持てたことで、自分を好きになれた
もう、私のことをイジって笑いを取ろうとする同僚に合わせてヘラヘラして場を盛り上げる必要も無いし、「女子力低い」なんて言われても、私って女性として何か足りないのだろうかと思い悩む必要が無くなった。自分の選択に自信を持つことが出来、自分のことが好きになれれば、他人にどうこう言われたところで気持ちが揺らぐことが無くなったからだ

この3年間、サポーターという活動を通して、私は私を好きになることが出来た。
だから私は、多くの自分に自信のない人に「自分は何が好きなのか、何が嫌なのか、何が得意なのか、どうありたいと思うのか」を丁寧に考えてみて欲しい。そして、好きなことを大切にし、自分のことを好きになって欲しい

特に、女性サポーターというと何かにつけて「何でわざわざサッカー好きなの?」と聞かれてしまう。そして、何故好きかを説明出来ずに自信を失ってしまう人も多い気がする。
何故好きか、きちんと考えてみれば必ず理由があるはずだ。それがどんな理由でも良くて、でもそれが分かれば自信を失うこともなく、もっとサッカーを好きになれる、そして、サポーターをしている自分のことをもっと好きになれるはずだ。

自分の好きなものを自信を持って好きと言えるように、自分のことを好きになれるように、考えて、そしてそれを発信して欲しい。
私はレイソルの熱い応援が好きだ。その応援の熱狂、熱量が好きだ。その応援に呼応するように熱く激しく戦ってくれる選手が好きだ。その中にいる自分のことが好きだ。
私がサッカーを好き、レイソルが好きと言い続けることで、その気持ちに共感して、自分のことを好きになってくれる人がいたらとても嬉しい

今はまだJリーグが再開出来ておらずもどかしい日々が続くが、無事再開された暁には、また平日仕事を頑張り、休日はクタクタになるまでレイソルを応援する生活サイクルに戻っていく。
このサイクルを続けながら、今後も私は変わっていくだろう。
また、自分の体験を通して感じたこと、思ったことを色々な記事にして書いていきたい。

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