見出し画像

音楽が語りかける無意識へのメッセージ

今回は音楽というものが
自分が想像する以上に
多くのことを語っているんだと
感じたことについて話をしてみた。

(以下、stand.fmで話した内容をだいたい文字起こししたものです)

私はゴスペルサークルに参加しており、
こんなにモソモソ喋る人間のわりにというか
だからというべきか
Misiaさんや、Superflyさんのような
パワフルな女性ヴォーカルに凄く憧れている。

サークルは月2~3回ほどの練習で、
ゴスペルと言うと
ゴスペラーズのイメージを浮かべる方が多く
「アカペラなのかな?」
という風に感じられるかもしれないけれども
ジャンルを問わず
神様、イエス・キリストのことを
歌っているものはすべて「ゴスペル」と呼ばれている。

つまり、
ポップスであろうとブルースであろうと
ラテンミュージックであろうと
あるいは演歌であったとしても
神様のことについて歌ってると
ゴスペルというふうにジャンル分けされるといえる。

『天使にラブソングを』みたいな曲と言うと
「ああなるほど」と納得されることが多くある。

私はクリスチャンではないため
神様と言われても
なかなかちょっとピンと来ないけれども
大宇宙とか、母なる地球とか
「お天道様が見てるのよ」という時の
お天道さまっていう風に
イメージをして歌っている。

もし、クリスチャンの人から見て
不謹慎と思われたらすみません。

先日プロの方にご指導いただく機会があり、
いつもはゆるゆると歌を楽しんでいるが
ちょっと冷や汗をかきながら歌うという経験をした。

「こういう風に歌って」という指示があり、
その通りに歌えなかったらすぐに止めて
「もう一回」「もう一回」と
できるまでやるという感じだった。
もちろん、
プロの方の10万分の1程度の厳しさなのだが、
「ちょっとついていくのが大変だな」と感じた。

ただ、この指導の方がどうして
楽譜通りであることを求められたかというと、
それはただ厳しいからではなくて
作った方、クリエイターに対するリスペクトがあるから
という風に感じた。

音を「あー」と伸ばすところと
「あ!」というふうに止めるところがあったら、
これをどうして伸ばすのか
どうして止めるのか
というところについて
「作った人がどんな意図で作ったのかを考えてみて」
と話されていた。

また歌は
同じようなメロディを何回も何回も繰り返すが、
1回目と2回目で微妙に1音だけ違うとか
1箇所だけリズムが違うところがあったりする。

全部同じにしてあったほうが
歌う方としては歌いやすいななんて思うけれども
「こうして違わせているということは
そこに伝えたいメッセージがあるからこそ」
という話をされていたところが印象的だった。

こんな風に音楽は歌詞だけではなく
少しリズムを変えるとか
少し音を変えるということによって
本当に多くのメッセージを伝えてきてるんだなと思う。

先日YouTubeで
東京藝術大学出身の冨田開登さんという方が、
今流行っている音楽を分析するという番組をされていて
それを見ていて
なるほどと感じたものがあった。

この方は初めて聞く曲を耳コピして分析されていて
世の中にはなんとすごい才能の持ち主がいるのかと思う。
(音楽関係の方だったら
もしかしたら当たり前なのかもしれませんが)
耳の良さに本当にびっくりされられる。

コードの解説をしてくださっていて
(音楽の知識が少ない私には、
ほぼほぼ理解できない内容だけれども)
もうただただ凄いなと思って
いつも見させていただいている。

この方の番組の中で
『君たちはどう生きるか』のエンディング曲である
米津玄師さんの『地球儀』
という曲が解説されていた。

ここで話をされていた中で面白いなと思ったのが
四つ刻みの伴奏をしている場面について、
そのリズムよく刻まれていた伴奏が
一瞬空白になるところについて、
こうした曲の演出によって
「思いをはせる」とか
ためらったり過去を振り返っていたり
というニュアンスを出してるんじゃないかなと
おっしゃっていたところだった。

それから
「コード進行が行ったり来たりしている」
と解説されている箇所があり
(コードに詳しくないもので
 何となく確かに行ったり来たりしてる感じがするな
 と思うけれども)

こうすることによって「ゆらぎ」や
ゆりかごに乗せられている
ような感覚を生み出すことができる
という風に話されていた。

こういう演出によって
地球にをくるくると回しながら
ふと手を止めてまた回し始めるとか
歩いていたけれども
ふと立ち止まってまた歩き出すというような
気持ちのゆらぎを表現をされているんじゃないか
とおっしゃっていた。

また藤井風さんの『grace』について解説されていた動画も
とても面白かった。

(私はこの曲を、
 不安を感じたり、イライラしたときに
 聴くとすごく安定するため
 音楽療法的に聞いてる)

この冨田さんが耳コピで弾き始めたら
一瞬「あれ?」と手を止めるというシーンがあった。

少し考えて、キーボードの調節をし
「ああ、合った。この音だね。」
とおっしゃっていたのだけれど、
これは
音の周波数が通常と違っていたから調節した
とのことだった。

現代音楽の「ラ」の音が
通常は440Hzなのだそうだけれども、
この『grace』という曲では
432Hzという、
8Hz下の「ラ」の音が使われているとのことだった。

440Hzというのは
1950年代に国際標準化機構が採用したもので
それ以降、音響機材とか楽曲の調律の標準に使われている
とのことだが、
昔はいろんなチューニングがあり
この432Hzというのは
モーツァルトやヴェルディも採用していた
音の周波数とのこと。

藤井風さんは『grace』の他にも『まつり』という曲で
意図的にこの432Hzを使っておられるそうで、
宇多田ヒカルさんも
使われることがあるのだそう。

440Hzから432Hzにすることで
どういう効果があるかというと
懐かしい感じがするとか
ノスタルジックだったり
リラックスする感じだったり
柔らかい雰囲気になるとのこと。

私はその8Hzの違い
というのが全く聞き分けることができなかった。

こちらに440Hzと432Hzの違いを
聞き分ける動画があるため、
興味のある方は是非トライしてみてください。

私は音楽の知識は少ないけれども、
感覚に対して受けているメッセージがあり、
クリエイターはそれを意図して使っておられる
ということを改めて感じた。

意識できる歌詞のメッセージだけではなくて
無意識に感じる音の振動や
音の雰囲気のメッセージを
音楽を通して浴びているんだというのを感じた。

タイトル画像:
UnsplashClint McKoyが撮影した写真

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?