子どもの頃からくせ毛だったので、日本人形のような真っ直ぐ髪に憧れていた。

でもクシでとかしても、ピンで止めても、そんなふうにはならなかった。どうにもまとまらないと思ったのだろう。幼稚園の学芸会の前に、母は私の髪をカーラーで巻いた。なんか洋画の中の子役みたいになった。でもそんなのはその日１日だけだった。

ある日、髪の毛を伸ばしたい、とわがままを言ったら、母はおさげ髪やポニーテールに結ってくれたりした。ちょっとおしゃれさんになった気がして、うれしかった。

中学校で寝坊して、急いで学校に行ったら上級生に笑われた。多分髪を結う時間がなくって、走って爆発した髪のまま朝礼に出てたからだと思う。ストレートヘアの子は予めクシを通しておけば、走ったくらいでは、笑われるほど髪が乱れたりしない。朝礼で、みんなで並んで退席する時に上級生のそばを通らなければならなくて、笑われたんだよね。多分。あれはくせ毛の髪が爆発しすぎたせいだと思ってるんだけど。それともなんか自意識過剰だったのかな？思春期病？厨二病？

ずっと大人になってストレートパーマなんてのが現れた！かけてみましたよ。憧れの日本人形の髪になれるかと思って。でも全然ダメだった。
あっという間にいつものまとまらない髪だった。

私の周りでは、スピ系が流行っていた。歯医者も自然歯科なんてのに行った（詰め物被せ物は極力しないって感じだったんじゃないかなぁ）。
カットも「その人に合わせてお任せでしてくれる」なんてところにも行った。「髪型がまとまらないんです」と言ったら「髪は行きたい方向に行く」「髪型なんていって型にはめたらダメだよ」と叱られた。叱られる場面だったのかな？
　床屋と娼婦は最古の職業なんじゃないのかな？自分では上手に髪は切れない。だから人に任せる。
　私を叱った美容師さんのカットは、ただの普通のカットだった。私の髪が行きたい方向に活かすカットだったかどうか、私にはわからなかった。

ストパーをかけてくれた美容師さんも「あなたの髪はストレートパーマは似合わないよ」「もっと心に余裕を持った方が良いよ」。
「髪型なんていって型にはめちゃイケナイよ」。

おっしゃる通り。ごもっとも。
でもどうしたらいいか、わからない。
現代人は人が不愉快にならない程度には髪は整えておかなければならない。

歳をとると髪は白髪になったり、コシやハリがなくなったり、細くなったりする。抜け毛も増える。ますます髪の迷子になる。

仕方がないから、ここ２０年はセルフカットしてる。もちろん数年に一度ぐらいは美容室に行く。冠婚葬祭や証明写真を撮る機会に。でも基本的にはセルフカットだ。幸いくせ毛だから多少の凸凹は目立たない。

…ある日、YouTubeのおすすめに「くせ毛カット」の動画が現れた！

くせ毛のセットは「髪の毛が濡れているときにオイルとかクリームとかの整髪剤をたっぷり揉み込むようにつける」「クシは超荒目のものを使う」「基本的に自然乾燥」「セットは手でざっくりと」なのだそうだ。

やってみると、できましたよ。くせっ毛が広がったりチリついたり乾燥したりせず。いい具合のカールになる。

ずっと研究してたら、自分でたどり着いたのかな？
つかないよ、だって今まで出会った美容師さんたちだって知らなかったんだもの。彼らがベストを尽くしてくださったのは知ってるよ、もちろん。感謝もしてる。だけどね、私が迷子になってたのもホントなの。

んで、先日、くせ毛カット美容室に行ってきました。
美容院に行って人生でいちばん満足した。
もっと若いうちに出会いたかったけど。
いいんだ。だってね、今が残りの人生でいちばん若いんだから。

左カット前と右カット後。カット前のはね、セルフカットして１ヶ月目くらい。右は『くせ毛カット』直後。ボブのもっさり感がなくなってスッキリ！

天然パーマの魅力について語ってくださってます。

特に案件とかじゃなく、純粋に良かったので。