抗菌薬相互作用整理BOX(24)
[第24回]発疹発現ブースター~アンピシリンとアロプリノール~
山田和範 やまだ かずのり
中村記念病院薬剤部係長/北海道科学大学客員教授
(初出:J-IDEO Vol.5 No.2 2021年3月 刊行)
はじめに
先日,カナダのモントリオール心臓研究所(Montreal Heart Institute:MHI)から,痛風発作や家族性地中海熱に使用されるコルヒチンが新型コロナウイルス感染症(COVID-19)治療に効果的で合併症のリスクを減少させることが報告されました.
MHIによると,プラセボ服用患者と比べ,コルヒチン服用患者は死亡や入院に至る確率が21%減少したそうです.
コルヒチン使用群は,コルヒチンを1回0.5 mg経口投与され,最初の3日間は1日2回,その後,27日間は1日1回,対照群であるプラセボ群は,コルヒチン使用群同様,最初の3日間は1日2回,その後の27日間は1日1回,プラセボを経口投与されました.
この臨床研究(COLCORONA試験)は,無作為化二重盲検プラセボ対照多施設共同試験です.試験の詳細はClinical Trials. gov(https://clinicaltrials.gov/ct2/show/NCT04322682)からご覧ください.と,ここまでコルヒチンで引っ張りましたが,今回,取り上げる薬剤はコルヒチンではございません.
このシリーズでは,過去に痛風・高尿酸血症治療薬であるコルヒチン,プロベネシドについてそれぞれ抗菌薬との相互作用を取り上げました.今回は,尿酸合成阻害薬であるアロプリノールとペニシリン系抗菌薬のアンピシリン(ABPC)を併用すると発疹が発現しやすくなるという相互作用 についてみていきたいと思います.
相互作用のメカニズム
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