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Dr.岸田の 感染症コンサルタントの挑戦(20)

[第20回]新型コロナウイルス(SARS-CoV-2)と感染症コンサルタント
―夏に向けて新型コロナウイルスとその周辺―


岸田直樹 きしだ なおき
感染症コンサルタント/北海道科学大学薬学部客員教授

(初出:J-IDEO Vol.4 No.3 2020年5月 刊行)

新型コロナウイルスの夏に向けた広がり

 2020年4月2日現在,新型コロナウイルスに関しては,北海道は武漢からの波をなんとかしのぎました.雪まつりから起こったメガクラスターのひとつでしたが,緊急事態宣言の効果もあり,なんとか収束させています.しかし,北海道が第一波と戦っているうちに,世界の状況が大きく変わってしまい,いま第二波が確実に迫ってきています.特に,その波は東京などの都市部に着実に迫っており,4月2日現在,東京は医療崩壊の危機に直面していますが,この雑誌が皆さんの手元に届くころには,そのほかの都市部も同じような状況になっていてもおかしくありません.
 新型コロナウイルスとの戦いは明らかに長期戦になりますので,夏に向けた準備が必要となります.夏に流行る風邪と新型コロナウイルスをどのように区別するか? これまた冬とは違った悩みを抱えそうです.
 今回は夏に向けて,夏に多い風邪のウイルスの特徴やそれと新型コロナウイルスをどのように診ていく必要があるか? 考えてみたいと思います.

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