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Dr.岸田の 感染症コンサルタントの挑戦(24)

[第24回]日本における感染症へのひとつの形―感染症コンサルタントによるプログラム介入による戦略③―

岸田直樹 きしだ なおき
感染症コンサルタント/北海道科学大学薬学部客員教授

(初出:J-IDEO Vol.5 No.2 2021年3月 刊行)

はじめに

 前回は,「感染症コンサルタントによるプログラム介入による戦略 ②」として,介入プログラムの具体的な内容を紹介しました.介入の手法としては単一の介入からバンドルアプローチの流れがありましたが,このような各施設の実情にあわせたプログラムによる介入は,今後とても重要な介入アプローチの形と考えます.何より,自分が日本のこの地でやっている手法がまさにこれにあたります.セイント先生は本当にすごい先生です.すごいと思うと同時に,私たち日本人は,以前からやっていたものなんですよね…….それを形にするのに常に先を越されている,ただそれだけなんです.実は,私たちが得意ではないところがそういうところだというだけなんです.決して日本がダメということではないと思います.むしろ,「勝ち」の形がみえていると感じます.
 さて,今回は具体的なアウトカムとは? 手法は? と,介入の効果を示す前のデータ収集とその解析について説明します.日本のように感染症専門医が少ない地域は世界にはたくさんあります.そのような地域でのひとつの感染症医の形として,だれかが,「それもありだよね」と言ってくださる日を夢見て,日本だけではなく世界のためにも,この形がお役に立てる日がくることを願ってやみません.

アウトカムとデータ収集

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