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抗菌薬相互作用整理BOX(10)

抗菌薬相互作用整理BOX(10)
[第10回]じゃじゃ馬ならし
~ST 合剤,使いこなせばあなたも玄人!?~
山田和範 やまだ かずのり
中村記念南病院薬剤部係長


はじめに

 前号に続き,「タイトルはシェイクスピアから取っているのか?」とご指摘のあなた! 鋭い突っ込みありがとうございます.しかし,意図したものではなく,たまたまですのでお許しください.
 このじゃじゃ馬ことスルファメトキサゾール(SMX)とトリメトプリム(TMP)の合剤(ST合剤)は例えたとおり,抗菌薬のなかでも相互作用をはじめ,副作用も多い薬剤の1つです.サルファ剤であるプロントジルがペニシリンの発見とともに影をひそめたのと同様,現在では,これに代わる安全性の高い,他系統の抗菌薬も多く上市され,以前よりも目にする機会は少なくなりました.とは言ってもニッチな薬として需要は高く,ニューモチスチス肺炎(PCP)の治療および予防には確固たる地位を築いています.その他,この薬剤が使えるシチュエーションはいくつもあり,診療の幅を広げてくれる抗菌薬の1つともいえるでしょう.
 今回は,ST合剤の相互作用について取り上げてみたいと思います.


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