日本全国感染症ケースカンファレンス道場破り(5)

日本全国感染症ケースカンファレンス道場破り(5)
[第5話]トータス四天王・キムタケ登場!
(vs 亀田総合病院 木村武司)
忽那賢志 くつな さとし
国立国際医療研究センター国際感染症センター/国際診療部


忽那「ふう……ようやく安房に着いたな……」
上村「ちょっと,先生,前々回に『鳥取に向かう』って言っておきながら,全然違うところに来ちゃってるんですけど! 鳥取はどうなったんですか!?」
忽那「事情が変わったのだ……どうも千葉県房総半島周辺に初期研修医・後期研修医に絶大な人気を誇る病院があるという……」
上村「ああ,亀○総合病院ですね」
忽那「名前を出すんじゃないッ! ところで知っているか……オレはこの4月から国立国際医療研究センターの初期研修内科プログラムの責任者になったのだ」
上村「ええ,一番的はずれな人選ですよね」
忽那「うるさいッ! そこで初期研修医に人気の某総合病院の道場破りを成功させて,国立国際医療研究センターも凄いじゃないかってところをアピールし,初期研修医をわんさか集めるのだッ!」
上村「すごい短絡的な発想ですね」
忽那「さあ着いたぞ……ここが安房地域医療センターだな」
上村「あれ? 亀○総合病院じゃないんですか?」
忽那「バカヤロウ! いきなり本丸を攻めるヤツがあるかッ! まずは外堀から埋めていくのが戦術家というものだ.とりあえず某総合病院の総合診療科卒業生のいる病院から道場破りしていくのだッ! どうだ,この戦略ッ!」
上村「ふ~ん(いきなり本丸に行くのが怖いだけなんだろうなあ)」
忽那「ではいくぞ……たのも~! あの忽那がわざわざ房総半島まで来てやったぞ!」
木村「なんだ貴様……ヒゲ面,柔道着,ぽっちゃりの男2人組……貴様ら,神経梅毒のカップルだな!」
忽那「ムムッ……われわれを一瞬見ただけで街中を柔道着で歩き回るカップルであることから神経梅毒と診断するとは……只者ではないなッ!」
上村「ついに僕まで一緒の括りになってしまった……(泣)」
忽那「貴様,名を名乗れッ!」
木村「オレはトータス四天王の一人,キムタケだ!」
忽那「と,トータス四天王のキムタケだとッ!? 上村,わかるか……?」
上村「ええ……いい年して自ら『四天王』を名乗るなんて完全に厨二病ですよね……(ゴクリ)」
忽那「違うッ! そうじゃないッ! トータス四天王……ウワサで聞いたことがある……日本最高レベルと言われる千葉県房総半島周辺の某総合病院関連の総合診療医のうち,特にパねえ診断力を持つ4人に与えられた称号……それがトータス四天王だ.空想上の存在だと思っていたがまさか実在したとは……」
上村「ああ……亀○総合病院関係だからトータスなんですね」
忽那「先ほどのやり取りから察するに,ヤツの診断力は8恒河沙を超えていると見た」
上村「8恒河沙! もはやケタがよく分からないんですが……」
忽那「ちなみに上村,おまえの診断力は6だ」
上村「なんで僕だけ一桁なんですか! ラディッツが地球に来たときの村人じゃないですか!」
木村「フッ……貴様は運が良い……このトータス四天王の症例に挑むことができるのだからな……ただし,診断できるとはゆめゆめ思うでないぞッ!」
忽那「ちょこざいなッ! 症例を提示してみろッ,キムタケッ!」

━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━症例 77歳 男性
主訴:発熱
現病歴:20XX年10月,受診10日前から腹部を中心にした赤い皮疹が出現.掻痒感もなく放置していた.受診前日夕方に熱っぽい感じがしたため検温したところ,39.2℃と発熱を認めた.受診日朝には36.7℃に解熱していたが,昨年治療した肝膿瘍が再発したかと心配になり救急外来を受診.━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━

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