［第1回］頭痛と発熱で入院した17歳男性

山田和範　やまだ　かずのり
中村記念南病院薬剤部

（初出：J-IDEO Vol.1 No.1　2017年3月 刊行）

　週明けの朝，回診前に医師から週末に入院した患者さんの薬物治療について相談を受けました．

医師 「4日前に入院になったAさん，頭痛，発熱を認めたので腰椎穿刺（L—P）したけど検査結果はぱっとしないんだよね．念のためセフトリアキソン（CTRX）を髄膜炎ドーズで開始しているんだけど効いている感じがないなぁ．ロキソプロフェンの内服で一時的に解熱はするけどまた40℃まで発熱を繰り返しています」

　入院時の病歴と実施された髄液検査結果について確認すると……

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入院時髄液所見
初圧 145 mmH₂O
性状 水様透明
細胞数 51/mm³
分画 単核球41％/多形核球59％
タンパク 19 mg/dL
髄液糖 58 mg/dL　 血糖 118 mg/dL
髄液糖/血糖比 0.49

入院時検査結果
WBC 10,200/μL，Hb 15.7 g/dL，Hct 47.1％，Plt 23.3×10⁴/μL，Na 138 mEq/L，K 3.9 mEq/L，Cl 100 mEq/L，BUN 15.1 mg/dL，Cr 0.83 mg/dL，Glu 118 mg/dL，AST 12 U/L，ALT 11 U/L，γGTP 19 U/L，CRP 4.66 mg/dL
身体所見 項部硬直（＋），Jolt accentuation of headache（＋），Kernig’s sign（＋）
頭部MRI 異常所見なし
心エコー（TTE） 明らかなvegetation なし

入院3日目採血結果
WBC 19,200/μL，Hb 14.0 g/dL，Hct 42.8％，
Plt 20.0×10⁴/μL，Na 139 mEq/L，K 4.1 mEq/L，
Cl 103 mEq/L，BUN 12.3 mg/dL，Cr 0.67 mg/dL，
Glu 112 mg/dL，AST 19 U/L，ALT 18 U/L，
γGTP 21 U/L，CRP 15.92 mg/dL
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