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ぐさり「新聞アレルギー」(U35メイキングトホホ日記その1)

 「若い人には『新聞アレルギー』がありますねー。つまらないモノっていう固定観念っていうか。毛嫌いされていると思った方がいいですよ」

 起業して1年、という27歳男子は、爽やかな笑顔でそう言い放った。2021年8月、冷房の効いた広島市中区のおしゃれなコワーキングスペース。「新聞についてどう思います? 正直なところを教えてください」と尋ねた私に返ってきたのは、見事なアッパーカットだった。

 初めまして。中国新聞社のデスクA(51歳・女)です。そうですよね、アレルギー。少しは、わかっていたつもりだったのに‥。目が覚めるような気がしたその時のことが、今も目に浮かぶ。
 「中国新聞U35」は、35歳以下の若い世代にどうしたら地域ニュースが届くのかを探る、弊社の新たなプロジェクトです。なぜなら、新聞を読まない若い世代が増えているから。読まないのには、いろんな理由があるはず‥。
 ということで、U35の準備を本格的にスタートさせた8月から9月にかけて、私たちは、社外の身近な20代、30代に、聞いて回ったのだった。新聞についてどう思いますか。いつもニュースにどう接していますか、と。

選挙の合同集票センター

 (11月1日午前0時半ごろ、報道センター内の衆院選合同集票センター)

 アレルギーと答えた27歳男子は、その1人。決して意地悪でそう言ったんじゃない。忙しい中、私たちのために時間を割いてくれて、親身になって考え、本音を話してくださったわけで。感謝しかない。だからこそ、ずーんと骨身にこたえている。
 この方だけじゃない。デスクAとR記者(30代後半、女子)が聞いて回った男女16人から、何度も繰り返し聞いたフレーズは、「新聞記事は難しい」だった。

衆院選ゲラとちゅーピー

 広島県東部のある企業で数々のヒット商品を生み出している開発担当の男性(35)は「新聞は、古い、カタい、つまらないの3重苦かもしれませんね」と。そしてこうアドバイスをくださった。「見せ方とか、ブランディングとかが大切なんじゃないですか。会社のイメージとか発信の仕方とかを変えてみては」
 実はこのときデスクAとR記者は、結構暗く、打ちひしがれていた。いやあ、新聞記事は難しいのかもしれないけれど、いったいどうすりゃいいのか、具体策が見つからない。開発担当男性は「悩み、深いですねー」と2人を心配そうに見やり、「その悩みをそのまま外に出せばいいんじゃないですか。自虐キャラでいけばいいですよ」と励ましてくれた。
 ああ、そうか。自虐キャラ。演出しなくても、素のままで十分、私たちは悩み深い。それをそのまま、お伝えしていけばいいんですね。そしたら「もっとこうしたら」と何かヒントをもらえるかもしれない。

 「U35世代に地域ニュースを届ける」というはるか遠いゴールにたどり着けるのかどうか。このコーナーでは、U35チームのメイキングをリアルにお伝えしていきます。週1回くらいを目標に、随時掲載します。迷える私たちに、ご助言、ご意見をぜひ。

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