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SAPIXと日能研の比較 ④宿題の量

中学受験塾で宿題が出るのは当たり前です。
授業で教えてもらったことを仮にその場で覚えることができたとしても、その応用問題が入試では出るので、ある程度の演習を積まなければ短時間で解けるようにはならないからです。
どの塾でも、相当量の宿題が出ることと思います。

SAPIXでは、「宿題」という名前で課題を出されることはありませんでしたが、テキストの中にある問題をこなさないことにはクラス維持は不可能でしたので、皆、テキストの問題を解くことを「家庭学習」として行います。
(これが厳密には「宿題」ではないけれど、実質「宿題」です。)

その「家庭学習」にかかる時間は、上の息子の場合、

4年生→週に5~6時間
5・6年生→週に10~12時間

という具合で、4年から5年に上がる時に倍量になる感じでした。

5年と6年ではテキストをやるという意味での「家庭学習」の時間は変わらないのですが、過去問演習が始まったり、後期は日曜に丸一日のSS特訓が始まったりするので、トータルの勉強時間は6年の方が多くなります。

SAPIXは、α1クラスであってもAクラスであっても、テキスト自体は基本的に同じものを使いますが、「家庭学習」でやるべき問題というのはクラスによって当然異なります。α1クラスだと難易度の高いものも含めて多くの問題に取り組むべきですが、Aクラスであれば、基礎的な問題に注力すべき場合も多いでしょう。取り組むべき問題を先生が指示してくれる場合が多いですが、それに従うだけでは不十分で、生徒本人の得意不得意によって本人又は親が取捨選択することで効果的に学力を上げることができます。


日能研の場合は、テキストの構造的に、「本科」という授業で説明や練習問題に使うものと「栄冠」という自宅で問題演習に使うものが分かれているので、「宿題」としては、その「栄冠」に取り組むことになります。さらに、「本科」で授業中に取り扱わなかったものやオプション的なページにも取り組みます。

下の娘の場合、それにかかった時間は、

4年生→週に2~3時間
5年生→週に5~6時間
6年生→週に10~12時間

くらいでした。4年生の時に勉強する量はかなり少なくて、毎年倍々に増えていくようなイメージです。
6年の時の勉強時間がSAPIXと同じくらいに見えますが、実際に体感としては、日能研の方が勉強に追われているような感じがしました。というのも、6年は日能研はテストが頻回だし、前期日特も始まるので、土日に多くの時間を塾に取られてしまうのです。残り少ない時間のほぼすべてを勉強に充てなければ間に合わないような感じで過ごしていました。日能研の6年生はとても忙しいはずです。

4年生の時にあまり量をやらない分、中学受験の範囲を履修し終えるのがSAPIXより2~3か月ほど遅いため、6年でその分を巻き返さなければならないというのも日能研生の6年が忙しくなってしまう理由かもしれません。
でも、まだ勉強なんてしたくない4年でたくさんやるよりも、もう終わりが見えていてやるしかない6年で詰め込む方が効果的と言える面もありそうです。


かかった時間だけ見るとSAPIXと日能研であまり差がないように見えますが、いわゆる「宿題」の中の純粋な勉強の総量としては、SAPIXの方が多いとはっきり言えます。単純に演習問題数が多いし、深堀りです。

日能研は、純粋な勉強だけでなく、「勉強の仕方」のようなものを習得するのも必要なので、時間がかかるのです。
例えば、SAPIXは、テキストが全て穴埋め形式で作られているので、解いたら答えをそのまま書き込んでいけばいいです。
でも、日能研は、テキストには答えを書く欄がないのです。ですから、ノートを作って、そこに問題番号を書いたり、答えの欄を作ったりする必要があります。

単に学力をつけるだけなら、SAPIXの方が効率的だと言えます。
しかし、中学以降の自立した学習を見据えるなら、日能研の方が理想的です。一事が万事、このような感じで日能研はやや遠回りに見えるけれど、将来役に立つ方法をとっているので、後々ここでの経験が効いてきそうです。


脱線しましたが、「宿題の量」についていえば、絶対量はSAPIXの方が多いけれど、かかる時間は高学年ではそれほど変わらないと思いました。


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