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SAPIXと日能研の比較 ③クラス分け・クラス昇降

SAPIXと日能研の大きな違いとして、クラスの分け方があります。
両塾ともに成績ごとにクラスが分けられる点は同じですが、分け方が違うのです。

SAPIXはだいたい1か月に1回の頻度で、クラス昇降を伴うテストがあります。

テストの4科目の合計点数による、1点刻みのクラス分けです。
最上位クラスがα1、その次がα2、α3…となり、その後にアルファベットクラスが続いて、…C、B、Aクラスとなります。(Aクラスが最下位)
αクラスの数や総クラス数は校舎ごとに異なります。
テストごとに、クラス基準を決める点数が発表されます。
α1 405点以上
α2 404点~386点
α3 387点~355点
のように。一切の情状酌量はなく、点数だけでクラスが決まります。

・マンスリー確認テスト→クラス昇降数に制限あり
・組分けテスト→クラス昇降数に制限なし
マンスリー確認テストでは、いくら点数が悪くても、校舎の規模ごとに2クラスまでの昇降、3クラスまでの昇降、などと制限があるのですが、組分けテストではクラス昇降数に制限がないので、極端に言えば、α1だった生徒がAクラスまで真っ逆さまに落ちることもあり得ます。(実際には聞いたことがありませんが!)

SAPIXでは、2~3クラスごとに「ブロック」分けしていて、そのブロックごとに先生や教科の曜日が変わります。ですので、「ブロック落ち」と言ってブロックをまたいでクラスが下がってしまうと翌週から先生も教科の曜日も変わってしまうので、それだけは避けたい気持ちになる人も多いです。
逆に苦手な先生が今の担当の場合は、ブロックをまたいでクラスが下がれば(または上がれば)先生が変わるので、それを狙う人もいるかもしれません。

SAPIXは、いくら体調が悪くて点数が悪かっただけだとしても、そんなの関係なくクラスが下がります。テストを受けなかった場合は、2回連続受験しないとクラスが自動的に下がりますが、1回だけならクラスが変わらないので、季節講習のクラスを決めるテストなど大事なクラス替えの際は、無理せずテストを休むという生徒もいたそうです。

一か月に一回ほどのペースでクラスが変わるため、クラスメイトという概念もやや希薄です。毎月メンバーが変わりますから。ただし、α1とα2のメンバーは6年ではほぼ変わらないようでした。


一方、日能研は、このように1回のテストの点数によってすぐにクラスが変わることはありません。
入塾テストは別ですが、それ以降は、何回かのテスト(育成テスト、公開模試)の結果の経過や、授業中の様子など総合的に見てクラスが判断されます。クラス替えの頻度は、4年~5年が2か月に1回、6年では1か月に1回と言われていました。
最上位クラスがTM(設置校舎は限られます)、応用クラスがM、G、R、基礎クラスがA、Wです。

頻繁にクラスが変わることはないことが多いため、慣れ親しんだ先生や友達とすぐに離れてしまうということはなく、先生や塾友との関係がどんどん強くなってきます。下の娘の場合、入塾以降、一度もクラスが変わることはありませんでした。周りの友達もほとんど皆ずっと一緒だったそうです。

子供にとってクラスや先生が変わることはストレスになるので、クラスが頻繁に変わることは、ストレスを頻繁に感じるということにもなります。そして、それを見ている親もストレスを感じます。よって、クラス分けに関して言えば、SAPIXの方が親も子もストレスを感じやすいということになります。でもその分、そのストレスを避けたいがために親子ともに必死になってテスト対策をするということにもつながるため、学力も上がりやすいかもしれません。


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