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【ペットロス】この子がいなくなったら..「予期悲嘆」とは。

ペットを飼っている誰しもが感じる可能性がある心情に「予期悲嘆」と呼ばれるものがある。

老齢のペットの飼い主、難病を抱えているペットの飼い主などが経験する心情で「この子がいなくなったら...」と、予想される死に対する悲しみのことを「予期悲嘆」という。

「ペットの死別からどう立ち直るか」はもちろん重要だが、こうした「予期悲嘆」のことも認識し、目の前の喪失にどのように備えていくかを考えることもとても大切なことだ。

予期悲嘆の感情と葛藤

ペットの飼い主は、自分のペットに少しでも長く生きてほしいという気持ちと、できるだけ苦しみを短くしてあげたいという気持ちを両方持つことが多い。ペットの状態がまだ良い時には、前者を強く願うことが多いが、だんだんと状態が悪くなると後者の気持ちが強くなってくることが多いとされている。二つの思いの間で、飼い主は治療選択による葛藤に苦しむこともある。

ペットの喪失に対する社会理解

また、残念なことに、私たちが今生きている社会には、深く長く悲しみに暮れていることを許す仕組みが整えられているとは言えない。特にペットの場合は、人の病気や死別に比べて軽くみられる傾向があり、飼い主の強い苦痛が共感されにくい社会的環境もある。また、共感されやすい環境にいたとしても、経済的理由などで休暇をとることができない人も多い。

ずっとペットのそばにいてあげたいと思っても、現実的には難しい社会環境。これは仕方のないことなのかもしれないけれど、ペットを我が子のように愛する飼い主にとっては、心を痛ませる要因になりうるのだ。

予期悲嘆に対処するには

置かれている状況や、悲嘆反応は人それぞれだと思うが、その苦痛を緩和するために、悲嘆感情と周囲の環境の両方をコントロールしていくと良いと思う。

・周囲の体勢を整える
家族や友人に話を聞いてもらい、共感してもらうことで気持ちが落ち着くかもしれない。悲嘆に疲弊するようであれば、専門的な知識をもったカウンセラーに相談し援助をうけることも選択肢の一つにすると良いと思う。安心して悩みを話せる場所はきっとある。

また、自分がいない間にペットを面倒みてくれる人がいれば、お願いして、自分がすべき仕事に集中できるようにしておこう。

・信頼できるドクターを探しておくこと。

安心してペットを診てもらえる主治医を見つけておき、関係性を作っておくことも大切なこと。そのためにも、ペットが元気な時から定期的な健診をすることをお勧めしたい。主治医の診断や治療法に心配があればセカンドオピニオンを検討するのも良いと思う。

・ゆとりをつくる
周囲への影響が小さいことなら、お付き合いなど思い切って整理して、大切なペットとの残された時間を大切にすごそう。時間的なゆとりをつくることで、精神的な安定と喪失の受容を前進する手助けになるはず。



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