見出し画像

【指導者紹介Vol.5】テクニカルコーチ:川上 雅史 ~バルセロナ五輪日本代表から見る現代の大学ボクシング~

こんにちは!中央大学ボクシング部広報担当です。
中央大学ボクシング部新体制では、皆様に中央大学ボクシング部を身近に感じていただくために、様々な広報活動にも積極的に取り組んでいます。

今回は指導者紹介第5弾として、新しくテクニカルコーチに就任したバルセロナ五輪W級日本代表 川上 雅史 コーチのインタビューをお届けします!

前回の岡澤セオン 非常勤特任コーチのインタビューはこちら!

【プロフィール】
川上 雅史 (カワカミ マサシ)
1972年2月生まれ。栃木県栃木市出身。

1987年(昭和62年)に作新学院高等部へ入学し、ボクシング部に入部。1989年(平成元年)のインターハイにおいて、ライトミドル級で優勝(金メダル)。
1990年(平成2年)4月に中央大学法学部法律学科に入学。

入学後、大学1年の1990年(平成2年)の全日本選手権ウェルター級で3位、関東大学リーグ戦で選手に選ばれ5戦5勝、学校対抗で優勝。全日本大学ボクシング王座決定戦にも出場選手に選ばれ勝利。全日本大学ボクシング王座決定戦の優勝・大学日本一に貢献し、日本アマチュアボクシング連盟からオリンピック強化選手に選出される。

大学2年の1991年(平成3年)の全日本選手権 ウェルター級で3位(銅メダル)、国民体育大会 ライトミドル級で優勝(金賞)。関東大学リーグ戦では4勝1敗。その年に行われたオリンピック選考試合では敗退したが、92年開催のバルセロナオリンピックから大陸別地区予選が採用。選考会を経てそのアジア地区予選へウェルター級の日本代表選手として選ばれ、アジアでの選考会2次予選であるフィリピンにて開催されたメイヤーズカップで準優勝(銀メダル獲得)し、出場権を得る。

大学3年の1992年(平成4年)にスペインで開催されたバルセルナオリンピックにウェルター級で出場。全日本選手権および国民体育大会のライトミドル級で優勝(金メダル・金賞)。関東大学リーグ戦では3勝1敗。

大学4年の1993年(平成5年)は主将となり、関東大学リーグ戦で4勝1敗。この関東大学リーグ戦の試合を最後にボクシング競技を引退した。

1995年(平成7年)の中央大学卒業後に建設会社へ就職。2007年(平成19年)に不動産会社へ転職。

2016年(平成28年)に全日本メンバーの先輩である三谷大和氏(早稲田大学卒)と親交のある中央大学の先輩が知人であったことが縁で、偶然に三谷大和氏と連絡がとれ「自宅近くで三谷大和スポーツシムの会長で選手を指導しているので、時間があれば遊びに来い」と誘いを受ける。

その後、三谷大和氏の「諦めない心」という指導方針に共感し、休日はジムへ行き、練習生の指導にあたる。20年超の長期間、ボクシングへの関わりがなかったが、これをキッカケに改めてボクシング競技に関わることとなった。

(※広報チームより) 川上コーチにはWikipediaがあります!

【座右の銘(または好きな言葉)は何ですか?】

「この道より我を生かす道はなし、この道を行く」という武者小路実篤さんの言葉です。「自分の才能や個性を活かせる道を発見し、ひたすら一心にその道を進むことが、人生において最も大切である。」という意味を持っています。

オリンピックアジア地区予選前に、当時の監督だった阿部義文先輩(モントリオールオリンピック代表、プレオリンピック優勝)から教えていただきました。

自分は1Rは相手の様子を見ることが多い戦い方でしたが、「勝負をしてこい!」と檄を飛ばされ、この一言で試合開始から全力で戦うことができ、オリンピックへの出場権を得ることができたかなと思ってます。その後の仕事で活かせているかといったら微妙ですが、時々、思い出しては自問自答はします。


【休日は何をして過ごしていますか?】

週2日の休暇のうち、1日は三谷大和スポーツジムでボクシングの指導をしてます。
あと1日は気が向いたら大好きな「家系ラーメン」を食べにいき、ラーメンに大盛りライスで炭水化物祭りをしてます(笑)


【現役当時はどのような練習をしていましたか?】

現在のようにインターネットで試合動画等を見られる環境ではなかったのですが、カメラなどで強い選手の動画を見て打ち方やコンビネーション等の真似をしてました。

どうやったらそのように打てるのか、どうして相手は打たれるのか、パンチを打つためにフェイント等どのような組み立てをしているのかなどを何度も何度もスローでも見ていました。見ては実践し、自分に合うかどうかを試し、自分に合うようであれば、体が覚えるまで徹底的に繰り返し練習をしていました。

岩渕監督も言っていますが、理想の選手を自分の中で決めて動きをコピーしていくのは強くなるためにも手っ取り早い道筋だと思います。

余談ですが、作新学院高等部でボクシング部へ入部した際は実は太っていまして、入部半年で10kgも体重が落ちました。当時の指導をしていただいた先生とは、「太っていた体形がスリムになって良かったと思っていたら、いつの間にかインターハイで優勝していた」と笑いながら話をすることがあります(笑)

決してボクシングセンスが人よりも卓越していたと思えません。運動音痴でした。但し、練習量は人よりも多かったと思います。努力は実を結ぶということを経験できたと思います。

【現役当時のボクシングと今のボクシングを見て感じる違いはどんな点ですか?】

久しぶりにアマチュアボクシングを見たときの印象として、一番大きな違いは「スピード」です。

グローブの構造や性質も変わり相手にダメージを与えることが減少される作りとなっていることから、相手を倒すことよりも「確実にポイントを取る」ということを重視しなければ試合に勝てないようになっているかもしれないと感じてます。

ボクシングの根本に変わりはないと思いますが、ナックルパートで打つことや振り切るということなども含めて戦い方に大きな違いがあり、驚きました。少し打たれてもダメージが少ないのか、安易に打たせてしまうシーンも少なくないなと思います。一方で、過去の戦い方だけにこだわらず各々の時代にあった戦い方を考えて組み立てていかなくてはならないと改めて感じています。


【中央大学での経験が社会に生きている点はどんなところですか?】

一つのことをやれるところまで徹底的にやったという経験は大きいかもしれません。自分の中に軸となる自信がつき、困難が降りかかってきても乗り越えにいける精神力を得られたと実感しています。大学生活はボクシングだけをやっていればよいということでもありませんが、部員たちにもボクシングを軸にしっかりと人生の基盤となる自信を身に着けていってほしいなと思います。


また、中央大学出身者で社会で活躍する先輩も多く、仕事でお世話になることも多いです。苦楽を共にした同期等は、あまり会える機会は多くありませんが、久しぶりに会っても愚痴を含めて隠し事なしで好き勝手に話ができ、親身になって相談にのってくれます。一緒に過ごした時間はなくても中央大学ボクシング部出身同士であれば、すぐに忌憚なく話しをすることができるようになります。

優勝旗を持つ川上コーチ

【今の中央大学の選手たちに伝えたいことは何ですか?】

基礎ができていなければ、応用はできません。基礎とは技術的なことだけではなく、体力的なスタミナ、体感、精神面等を含めてです。練習方法の一つにしても目的と効果があることを理解できるように説明し、意識づけを行う指導をしていこうかと考えています。物事の背景・意図をとらえて動くということは社会に出ても役に立つ考え方だと思います。

個人的に、理想のボクシングスタイルはアマチュアボクシング出身者で世界チャンピオンの井岡一翔選手です。また、アマチュア時代の村田諒太選手の戦い方も参考になる点が多くあります。全ての選手が当てはまるというわけではありませんが、ファイター寄りのボクサーファイター型の育成を特に意識していければと考えています。

【noteを読んでくださっている方々へ一言!】

当部は、長年、大学リーグ戦の優勝から遠ざかっています。今年も含めて近い将来に大学リーグ戦で優勝をし、自分の味わった達成感を後輩たちも経験してもらいたいと思い今回のテクニカルコーチの拝命を受けました。

中央大学ボクシング部をご支援いただいている全ての方々と大学リーグの優勝、日本一になったという達成感を共感したいと思ってます。今後ともご支援のほど、よろしくお願いいたします。



おわりに

ここまでお読みいただきありがとうございました。
以上、川上テクニカルコーチのインタビューでした!

続々と新指導者インタビューも配信していきますので、ぜひ今後の更新もお楽しみにお待ちいただけますと幸いです!

▼中央大学ボクシング部をもっと知りたい方へ
・公式LINEアカウント C-BOX


▼お問い合わせがございましたら公式ラインチャットまたは
<chuoboxing@gmail.com
>までご連絡ください!


▼もっと中央大学ボクシング部を応援したい!と思ってくださった方へ
・下記のページもご一読いただけますと幸いです。


この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?