中央大学英米文化研究会

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映画を鑑賞し、その感想を共有しあうサークルです!ゆるい感想から、映画批評、映画の背景にある社会問題の考察などを共有し、それらを記事にして毎週掲載します!興味のある方、フォローよろしくお願いします😆

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『これが人生であったのか。よし、それならもう一度』~偶然と想像とニーチェとロラン・バルト~

濱口竜介監督の最新作『偶然と想像』を、ロラン・バルトの記号論とニーチェの哲学を用いて分析したい。2021年に公開された『偶然と想像』は、『魔法(よりもっと不確かな)』、『扉は開けたままで』、『もう一度』の3つの短編から成るオムニバス映画である。あらすじは以下の通りである。 シニフィアンとシニフィエ まず、バルトの『ロラン・バルト映画論集』にある記号学の枠組みを援用する。バルトは記号学者であるソシュールの編み出した概念である、シニフィアン(意味する

    • 映画批評#2『戦場のメリークリスマス』〜罪悪感による絆〜

      『戦場のメリークリスマス』 あらすじ 役者について  ビートたけし、坂本龍一、デヴィッド・ボウイという超豪華キャストが出演していることが今作の売りの一つだが、前の二人はお世辞にも演技が上手かったとは言えない。Wikipediaによると、坂本龍一はほぼ練習無しで撮影に挑み、ビートたけしは自分の演技の酷さに出演を後悔していたという。監督の大島渚も二人に配慮して、セリフのミスなどがあっても二人の代わりに周りのスタッフを非難していたらしい。撮影現場に色々と忖度が働いていたのだろう

      • 映画批評#1『最後の決闘裁判』

        主観による事実のすり替え 中世フランスでの史実を基にした話。騎士であるジャン=ド=カルージュが、自身の妻であるマルグリットを旧友である従騎士のジャック=ル=グリに強姦され提訴する。その裁決として、当時の法に則りジャンはジャックに決闘を申し込む。決闘に勝てば勝訴、負ければ敗訴というものである。 物語は3部構成になっており、ジャン視点での事件事実、ジャック視点での事件事実、マルグリット視点での事件事実という風に進む。 面白いと感じたのは、それぞれの章の中

      『これが人生であったのか。よし、それならもう一度』~偶然と想像とニーチェとロラン・バルト~

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      • 2022年1月号
        0本
      • 2022年12月号
        1本
      • 2021年11月号
        1本
      • 最後の決闘裁判
        3本
      • 映画批評
        3本