見出し画像

「小さなお友達」に学ぶ

子供の心を目指す

アートに勤しむ(?)日々。必要なのは子供のような心だという教えをよく聞く。そう言えば、高校の長文読解問題の英文にもあったなあ。「芸術家は子供(或いは宇宙人)と同じ目で世の中を見ることができる」みたいな記述が。

「大きなお友達」として生きる

だからというわけではないけれど、そんなピュアな目を持つ子供たち「小さなお友達」を見習って、日々、「大きなお友達」を目指している。具体的には、チマチマした可愛いものを我慢せずに「うわ、これ可愛い!」と思い、その思いを消費活動に結び付けることにしている。高校の英文テキストの教えはそういうことではなかったはず、というのは百も承知ではあるけれど、何のことはない、本物の小さなお友達だったときに満たされなかった欲望を今更のように開放しているわけだ。

そんな可愛いものへの欲望全開の中でもとりわけ好きなのは、ミスドのポン・デ・ライオン・シリーズだ! 何でミスドは最近はもうあまりポン・デ・ライオンのプレゼントキャンペーンとかしないのだろう? 不思議だ。キャラクター使用料払ってポケモンのグッズとか作ってる暇があったら自社オリジナルのポン・デ・ライオン・シリーズを作り続ければいいのに・・・。とか言いつつ、ピカチュウも好きなので、この前ミスドがクリスマスにピカチュウのマグカップを出したときにもちゃっかり買った・・・。だって可愛いから・・・。

ポン・デ・ライオンと生きた日々

もう、かれこれ10年以上前に、ポン・デ・ライオンの「だいしぜんとあそぼう」シリーズが発売された時には心が躍った。躍りすぎて心臓に悪いのではないかと心配になったくらいだ。

ご存じない方のために解説すると、2008年の2月から、毎月1回、ポン・デ・ライオンのお友達のフィギュア1種とその関連施設(遊具など)1種が発売された。その毎月の発売日が、最初の2回の発売日が第1水曜日だったのに、3回目以降はだんだんと第2水曜日、第3水曜日とずれていき、ついには第4水曜日になった。そうなると、これ、来月は休みになるってこと?って心配したりして、ああ、また心臓が痛む・・・という具合にカレンダーにつけた発売日の印を眺めて過ごす日々の長かったこと。

毎月、毎月、売り切れになる前に買おうと万障くりあわすのにけっこう神経を使う一方、お店に行ったら行ったで、そんな苦労はひた隠しにして、いかにも「小さなお友達」に頼まれて買いに来ただけの大人を演じるのにも神経を使わなければならなかった。基本、恥ずかしがり屋さんの大きなお友達だからね。
不審人物と思われないようになるべく買うお店を散らそうと思うものの、「こんなに可愛いものなら発売日の午前中にパアァーと売り切れちゃうのではないか?」という恐怖から、ついつい最寄りのお店ばかりに発売初日の昼前から買いに行ってしまう。これでは、いくら偶然に立ち寄ったお客を装うために「えっと、そこに展示してあるおもちゃ買えますか?」とか白々しく言ってみてもバレバレだろう。それでもなお、「大人」を演じ続ける「大きなお友達」・・・。

無用な演技の結末

第4回目の「D-ピピコ」の回では、発売日が第3水曜日に変わっていたのを間違えて第2水曜日の朝に最寄りのミスドに行ってしまった。このときも、D-ピピコを指しながら、「あの小鳥のが欲しいんですけど…」なんて、あたかもD-ピピコという名前を知らないで買う大人のように、自分なりのさりげなさを精一杯盛り込んでみた。それなのに、そんな人知れず行われる努力を打ち砕くように「あちらは来週の水曜日からになります。」と言われたときの悲しさ・・・。動揺を隠しつつ「それじゃ結構です…」と言う言葉を振り絞った記憶は今でも生々しい。でも、さすがにキビスをかえしてお店を出たりはしないで、ちゃんとパフリングとカフェオレは頼んだ。だって、当時のミスドはポイントカードがあって、ポイント貯めたらポン・デ・ライオンのぬいぐるみを貰えたからね。「ぬいぐるみ(大)」を貰うには1000点という大量ポイントが必要だから、ポイントゲットの機会は逃せない。

で、その時に、「小さなお友達」というものについて驚愕の事実を学んだ。

驚愕の事実

実は、告白させていただくと、「あの小鳥のが・・・」という発言の前に、さらに「あそこのおもちゃは買えますか?」と言って展示されている過去3回のおもちゃを指すという無用なパフォーマンスが挿入されていた。我ながら臭い小芝居だ、笑ってください。で、その小芝居に対する店員さんの返答が、「青いゾウだけ売り切れていますが、その他はすべて在庫がございます。」だった。この時ばかりは思わず日独共通の驚き語で「ナヌー!?」とか言ってしまいそうになってしまった。

「エンゼルダゾウだけが売り切れぇっ!?」
よりによってエンゼルダゾウ!?

エンゼルダゾウの教え

その前の月、エンゼルダゾウ発売の第2水曜日は朝から夜まで1日中空き時間がなくて翌日にしか買いに行けなかった。それでも、エンゼルダゾウは青いボディーが桁外れに大きくて、ハニーシッポちゃんのゆうに2倍以上の巨体がやや可愛さを損なって見えたので、これは何日か遅れて行っても十分買えるだろうと安心していた。案の定、次の日に無事に買って来てからも、「デカ過ぎ…」とか(心の中で)つぶやいて放り出していたあのエンゼルダゾウが売り切れ? これはもう(もちろん心の中で)「マジっすか?」でしょ!

それでも、「なるほど、可愛くないからハナっから生産量を控えたら逆に足りなくなってしまったわけだ、皮肉なものよのう。」と(心の中で)黄門様口調で納得していたのだけれど、その後ミスドのホームページを見たら、エンゼルダゾウの説明のところに、「迫力の大きさが子供たちに人気のエンゼルダゾウ」と書かれていた!

本物の「小さなお友達」は・・・

はぁーっ・・・。成る程ねえ。
本物の「小さなお友達」は、大きなものが好きなんだねえ。
「小さなお友達」を目指す「大きなお友達」、勉強させていただいた。

余談ながら、エンゼルダゾウの売り切れを説明する店員さんが、私に向かって「青いゾウ」と言ったということは、私の三文芝居もある程度の効果があったということかも知れない。こちらの目を真っ直ぐ見ながら「エンゼルダゾウは売り切れなんですよー…。」って同情されたりしなかったわけだからね。

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?