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世間知らずの起業物語 その21

使いづらいメンテナス費用の引き落とし業務。
その切り替えの交渉に失敗した話を竹山さんから聞いた。そして、竹山さんの口からは、さらに驚く話が続いた。


研修の「?」

竹山:「それで、口座引き落としの話してるときに武藤さんに聞いたんですけど。・・・。」

僕:『え?なに?』

竹山:「ちょっとあっちでいいですか?」

執務室内で話しづらそうな内容だったようだ。
2人で会議室に移動した。

竹山:「武藤さんが、辞めることになるって、言ってたんですが、本当ですか?」

僕:『え!?どういうこと?辞めるの?』

突然の話に驚きを隠せなかった。

僕:『なんで?辞めるの?』

竹山:「いえ、なんか、退職届を書かされたらしいですよ」

僕:『それは聞いたけど、プログラミング研修行くためで、本当に辞めるためじゃないんじゃないの?』

竹山:「え?そうなんですか?武藤さんは、もう辞めなければいけないって言ってましたよ。」

僕:『え?そうなの?本当に辞める感じで書いたの?』

この前、管理部であった出来事を思い出していた。
たしかに、村上さんは言葉少なかった気がする。

竹山:「武藤さんは、竹山さんに退職届書いて行くなら、行ってもいい、って言われたって言ってましたから、辞めるものだと思っていますよ。」

僕:『それって、形だけじゃないの?だって、会長も休んで良いって言ってるって聞いてるし、私も会長にそのこと聞いた時、普通にプログラミング習うのはいいね、って言ってたから・・・』

竹山:「それだったら、いいんですけど・・・」

よく分からない状況に2人で戸惑いながら会議室を後にした。

把握できない動き

収納サービスに切り替えられないのも問題だけど、武藤さんの件はホントのところどうなんだ?

確かに武藤さんは、普段から不平不満が多い感じはする。
しかし、会社を辞めたいとまでは思っていないのはそうだと思う。

そして、会長も、武藤さんに辞めてもらいたいとは思っていないと、僕は感じていた。それは、会長のプログラミング研修の件の会話からも明らかであった。

いや、明らか?そのはずだ。。。
正直言うと、確信ではなかった。

最近、会長との話の間に、人が入ることが多くなってきて、部分部分で情報が正確でない気がする。
そんなことを深く感じられる出来事であった。
社員の入退職の件で、僕が詳しく知らないことなんて、これまでほとんどなかったはずだ。

思い返せば、1年前の話になるが、武藤さんが入社した際には、一悶着あった。

武藤さんの入社のきっかけは、グループの保険を担当している保険会社の浜田さんだった。
浜田さんの知り合いが人材紹介業をやっており、そこに若い優秀な人材がいる、ということで紹介いただいたのだ。

その人材紹介業のザウバー社の水谷さんからは、武藤さんの他、メンテナンスの海林くん、もう1人、既に退職済みの三浦さんが入社していた。

それからも、紹介していただく予定だったのだが、水谷さんが、突然ザウバー社を退職し、新たに人材紹介業を起業、そこに浜田さんも参加することになった。

それはそれで問題がなかったのだが、武藤さんにザウバーから入社お祝い金が支払われていなかった、という問題が発覚したのだった。

契約書もない。単なる口約束。
だから、本当のところはどうだったかも分からない。

しかし、話し合いの中で、水谷さんは支払うことを約束していたのだが、結局、水谷さんが起業したのと同時に、ザウバー社も倒産したため、支払う必要がない、という話になってしまっていた。

会長はそのことに不信感を持ち、水谷さん、浜田さんの会社との取引をやめる決断をした。

そう、それも判断としておかしくはない。
正しかったかどうかは分からないが、僕自信もおかしい判断ではないと感じていた。

ただ、水谷さんの新会社にジョインした浜田さんとは、これまでの数年間、懇意にしてもらった関係であったから、納得いく形でお話しをしたかったのだが・・・

会長からの指示で交渉役となった北条が「会長が浜田さんのことを信用できなくなったから、取引をやめる。」と、社内の決定事項をそのままどストレートに伝え、気分を害した、いや、逆にグループに信用をおけなくなってしまった浜田さんが離れて行った形になってしまったのだった。

思い返せば、武藤さんのお祝い金の話は、多くの部分が感情による行き違いであったから、時間が解決するところもあったはずだ。

しかし、結果的に、浜田さんへの伝え方ひとつ間違えたせいで、以降のお付き合いがゼロになってしまったのだ。

そんな、不安定な中で、せっかく入社した武藤さんだった。
そこまでした入社した武藤さん。
入るときもゴタゴタしたが、辞めるタイミングでも複雑な状況になりそうだ。

そして、僕の目が行き届かないところで起きている出来事に、グループの先行きの不透明さを感じざるを得なかった。

つづく

※この物語はフィクションです
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