見出し画像

【歯科治療】通院は何回必要?歯科衛生士が説明します。

歯科治療を始めると、何回も通院するイメージがありませんか?
保険診療を行う場合は一日に進めても良い範囲が決まっているため、制度上どうしても通院回数が増えてしまいます。
この記事では、治療のために何回の通院が必要になるかを紹介します。


歯科治療の全体の流れ

まずは一般歯科での治療の流れを紹介します。
 ①初診時:痛みを取る応急対応
 ②検査(初診時と同日に行う時もあります)
 ③治療:必要に応じて次の順に処置を行う
  1)抜歯 2)歯の根の治療 3)歯周病治療 4)かぶせ物
 ④定期健診・クリーニング

「③治療」の通院回数は、それぞれの病状により増減します。
お口全体に歯周病があったり、虫歯が深い場合は
治療の回数が多くなると思ってください。

抜歯の通院回数は約4回

抜歯を行う際の通院回数は約4回です。
治療の流れは以下の通りです。
①抜歯手術 
②翌日 消毒 
③術後1週間 抜糸 
④術後2週間 消毒
※病院の口腔外科で抜歯の場合は、手術当日に入院の可能性があります。
術後の治りが悪い場合は、術後の消毒を継続します。

むし歯の通院回数は2~7回

むし歯の治療は、むし歯の深さにより、通院回数が大きく異なります。

【軽度の虫歯の場合】通院1~2回

軽度の虫歯治療

むし歯が小さい場合は、通院回数が1~2回です。
■とても小さな虫歯:白いプラスチックで治療
 ①虫歯除去、充填(1回で終了)

■噛む面を含んだ虫歯:金属の詰め物で治療
 ①虫歯除去、型取り
 ②かぶせ物装着(2回で終了)

【重度の虫歯の場合】通院7回程度

根の治療とかぶせ物

歯の神経まで進んでいる重度の虫歯の場合は、
かぶせ物の治療の前に、歯の神経を抜く治療が必要になります。
神経を抜いた後は、徹底的に消毒を行ったのち、
土台(コア)を立てる処置を行います。

①神経の除去
②~③根管内の形成・消毒(状態により複数回
④根管内の充填
⑤支台装着(差し歯の部分)
⑥形成・型取り
⑦かぶせ物装着(全6~8回で終了)

歯周病治療の通院回数は10回程度

歯周病とは歯肉から出血があったり、
歯周ポケットの深さが4mm以上ある状態です。
中等度の歯周病がお口全体にある場合は、通院回数が10回ほどかかります。

治療の内容は以下の通りです。
①検査(歯周ポケット検査・口腔内写真など)
②見える部分の歯石除去1~2回
③2回目の検査
④~⑨見えない部分の歯石除去
 ※歯肉の中の歯石除去。一日で4~6本まで。

⑩3回目の検査 (全10回程度で終了)

ただし、3回目の検査で歯周病が治っていなければ、歯科衛生士が再度歯石除去を行ったり、歯科医師による外科手術で歯周病の改善を目指します。
歯周外科手術をすることになれば、1か所につき4回程度、追加で通院が必要です。

まとめ 重症だと通院回数が増える

歯科治療は一か所の治療につき、数回の通院が必要です。
ただし、虫歯になりやすい方は治療部位が複数個所になることが多く、歯周病になりやすい方は、お口全体に歯周病の状態であることが多いです。
いずれにしても重度の虫歯、重度の歯周病になると通院回数が増える傾向がありますので、違和感を覚えたら早めに歯科医院を受診することが、治療回数を減らすポイントです。

また、今回は保険治療のルールに沿った通院回数をご紹介しました。
自費治療では通院回数が減らせる可能性があるので、そこも含めて歯科医院で相談すると良いですね。

最後に、治療は少なくとも複数回の通院が必要です。
忙しい人、歯科医院が嫌いな人は、定期健診とクリーニングに通院をして、ぜひ病気にならないように予防をしてくださいね。

この記事が参加している募集

仕事について話そう

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?