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コラム③「ポケットの中に。」

2017年11月4日(土)
八重山日報・沖縄本島版。

ちゅうざんの車窓から。
No.3『ポケットの中に。』

 「こんなこといいかな できたらいいな♩」の歌い出しで始まる名作アニメ「ドラえもん」には、さまざまなキャラクターと秘密道具が登場します。四次元ポケットから出てくる秘密道具はどれも魅力的ですが、同時にどんなに便利な道具や発明があったとしても、それを使う人々が互いに協力し合わなければ困難は乗り越えられないということも描かれているように思います。

 「漫画・アニメ版ドラえもん」の世界では、ガキ大将のジャイアンと自慢話ばかりのスネ夫がのび太をからかい、のび太はドラえもんに甘えてばかりいます。しかし、映画館で上映される「劇場版ドラえもん」シリーズでは、のび太もジャイアンもスネ夫も、みんなで力を合わせて目の前の困難に立ち向かいます。日頃から仲良しとは言えない彼らも、いざとなればみんなで最善策に向かって真剣に話し合い協力し合うのです。

 私たちの世界ではどうでしょうか?先日の衆院選挙を振り返ると、候補者が日本の現状や課題に対してのビジョンを語るよりも、他の候補者を批判する姿が多かった印象です。また解決策や代案を出すでもなく責任論に終始する声もありました。すべての候補者がそうだとは言いませんが、当選した議員の皆さんにはのび太たちの姿勢を見習い、国民のための建設的な政治をお願いしたいですね。とは言え、政治家を選んでいるのは、私たち有権者一人ひとりです。クリックひとつで世界中の情報にアクセスできる時代だからこそ、周囲の「声」や世間の「常識」、マスコミの「報道」だけにとらわれず、さまざまな角度から物事を見て向き合うことが大切なのではないでしょうか。

 あんな夢もこんな夢も叶えてくれる不思議なポケットとはつまり、未来への希望を詰め込んだ私たちの心のポケット。そう考えると、秘密道具に変わるアイデアや発見、価値観を私たちは作り出すことができます。時代や環境のせいにせず、未来のために何ができるのか?そのヒントはそれぞれのポケットの中にすでにあるのかもしれませんね。

#新聞 #コラム #八重山日報 #沖縄
#俳優 #シンガーソングライター #ちゅうざん

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