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コラム⑤「靴を磨けば。」

2017年12月16日(土)
八重山日報・沖縄本島版

※※コラム『ちゅうざんの車窓から』※※

NO.5「靴を磨けば。」

 「お洒落は足下から」と言われるように、靴がピカピカに磨かれている人は、それだけで「身だしなみに気を使っている人」という印象を受けます。 「 人は見た目が9割」「人は見た目が100パーセント」といった書籍やドラマも話題になりましたが、第一印象で好感を持たれ、魅力的と思われる人にはどんな特徴があるのでしょうか? 以前、私が記者として働いていた頃、一流ホテルや百貨店に勤める方にインタビューをさせていただく機会があり、「お客様の靴を見る」という話を聞いたことがあります。服や時計も必ずチェックしますが、なによりも「靴が綺麗に磨かれているか」がその顧客のレベルを計る物差しになるそうです。たしかに、業界を問わず「一流」と呼ばれる方は靴が綺麗ですよね。彼ら彼女らの多くは紳士、淑女であり「優雅」「上品」といったオーラを放っています。 私が考えるに、それは「心に余裕がある」から。多くの人は、コートやジャケットなど一番目立つ服に真っ先にお金をかける傾向がありますが、一流と呼ばれる方々は、目立つところばかりではなく、靴下や肌着、下着などむしろ見えないところにこそ気を使っています。つまり、魅力的な人というのは、周りの人々に気をつかえるのはもちろん、自分自身に対しても徹底した自己管理と投資を行っていることが分かります。だからこそ、自分に自信と誇りがある。それがオーラとして表情や立ち振る舞いに現れているんですね。 「地に足をつける」「足下をすくわれる」「足を洗う」「五十歩百歩」など、日本のことわざや格言には「足」にまつわる言葉が数多くあります。それほど、常に足下に気をつかうことが大切だという教訓にも思えます。 仕事前や人と会う前に靴を磨く。その間、私たちはその仕事や相手のことを考え、思いを巡らせます。そのわずかな時間にこそ、私たちの心もまた磨かれているのではないでしょうか。 綺麗に磨かれた靴を履いて外に出れば、見慣れた景色にも新しい発見があるかもしれません。今年の締めくくりと次の一年に向けて、ピカピカの靴と心で新しい日々を始めてみませんか?

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