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コレスポンデンス分析を使ったチーム分け

ワークショップで出たアイデアの整理に、統計的手法を使う方法について、下記にて紹介しました。

このように、分析をワークショップに活かす使い方について模索している内容を、備忘録もかねて記載したいと思います。

なぜやろうと思ったのか?

今回使ってみる手法はコレスポンデンス分析です。これは、先の記事で述べた数量化3類と基本的には同じ内容です。pythonを勉強する中でこの記事を見つけたので、何かやってみたかった、というのがモチベーションです。

何をするか?

で、何をするかというと、ワークショップのチーム分けに使えないか、と考えました。

ワークショップ、特にオンラインでやる時は、ブレイクアウトセッションのチーム分けに悩みます。リアルのワークショップでは、参加者同志の対話の機会を増やしたり、会場内をウロウロする中でなんとなく話たい相手は見つかるものなので、対話のグループを決める際にはそこまで悩みませんが、オンラインワークショップではそれが難しいです。特に、対話に慣れていない参加者がいる場合、いきなりブレイクアウトセッションでグループに分けてしまうと、全く話ができない、ということも生じます。

これを回避するためには、事前の情報収集(参加者へのアンケートなど)によりチームを事務局にてあらかじめ分けておくことが有効ですが、手間がかかります。

そこで、これらのチーム分けに、コレスポンデンス分析を使ってみよう、と考えました。

やり方

手順は下記です。

【1.質問の準備】分析をするにしても、なんらかの指標は必要です。そのために、まずは質問を準備します。この問いは、事務局で用意しても、参加者から集めても良いです。例えば、今日のワークショップを通じて学びたいことは?とか、●●に関して気になっていることは?などが良いと思います。

【2.質問に対する回答の収集】次に、質問に対する回答を収集します。参加者の興味の対象を把握することが目的なので、これは参加者から募集するのがいいでしょう。チャットに記載してもらったり、事前にアンケートフォームを作っておいて、そこに投稿してもらってもいいでしょう。

【3.各自の興味の調査】このように集まった回答には、参加者の気持ちがあらわれています。参加者の気持ちは多様なので、回答も多様になります。そこで、もっとも興味のあるものと、次に興味のあるものを各自に選択してもらいます。この時、分析をやりやすくするため、もっとも興味のあるものを2、次に興味のあるものを1としておくとよいです。
下記では、回答Q1~5に対して、各参加者が最も興味のあるものと、次点のものをスコアリングした例です。

【4.分析の実施】このデータをCSVファイルとして保存し、コレスポンデンス分析を実施します。

【5.チーム分け】分析結果が、この記事の表紙画像です。これをみると、Q3の周囲(右側)に3人が集まっています。また、左上のQ1に2人、左下のQ4に3人、下のQ2に2人が集まっていることがわかります。また、どの回答に興味を持ったかも合わせてわかるので、チームごとに初めに対話する内容も設定することが容易です。

終わりに

今回検討した内容は、実際にどの程度有効かを検証していないため、あくまで参考としてお読みいただければと思います。特に、分析のためのスコアの付け方については、分析を成立させる観点と、良いチーミングのための観点の両面から考える必要があると思いますので、継続的に検討したいと思います。

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