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フルマラソンで鼻くそをほじるのはむずい

11月23日、私サイダーは福知山マラソンを完走することができました。


ほら見てこの死にそうな顔。もう自分がヒソカだってこと忘れてる。
もうとんでもなくきつかった。足が前に出て行かないんですよ

雨が降ったり、マスカラが取れて目に入ったり色々ありましたがなんとか完走をすることができました。ちゃんと42.195キロです。

前提として僕は走るのが好きではありません。そんな走るのが嫌いな僕が、どのようにして完走まで漕ぎ着けたのか

今回は振り返りとして

  • 走ることになった経緯

  • 練習について

  • マラソングッズについて

  • なぜヒソカなのか

  • 本番どうだったのか


について自分なりにまとめたいと思います。
11月中にはアップしたいので間に合ったら褒めてください

走ることになった経緯

7月30日のことです。暑い夏だったのでしょう。暑くて気が狂ってしまったのかも知れません。経緯なんてものはありません。ノリと勢いで生きているものですから、福知山マラソンの広告を見た時に

「完走しても途中で倒れても美味しい」

と思ってしまいました。これは暑さにやられています。しかし、そんな僕でも躊躇する要素がありました。参加費が1万円だったことです。

「なんで42キロ走った上で1万円払わんといかんのや」

とは思いましたが、背に腹は代えられん。僕の気持ちはもう決まっていました。震える指でエントリメールを送りました。

ぶっちゃけこれが全てではありますが建前的な理由も2つ、ちゃんと用意してあります。

1つ目



元スポーツ用品店のバイトだったこともあり、ランニングシューズの知識オタクであることです。

バイトをしていた頃はどれだけ売ったかをモチベーションにしていました。
シューズを売るためにはどのようなお客さんに、どのようなシューズをおすすめすれば良いかということを常に考える必要があり、そのためには知識が必要でした。

そのため社員さんに聞いたり、YouTubeで情報を収集したりして知識を集約させていきました。もちろん走るのは嫌いなので実際に走ってみたいなことは絶対にしませんでした。

その結果、僕は知識モンスターになっていたのです。エアプです

走ってもないのにシューズの特徴を答えられ、走ってもないのに町で走っている人のシューズを見るようになりました。

これは勿体無い。

例えると、やったこともないゲームの敵キャラの弱点がわかるみたいなものです。

これを生きた知識にするには「走るしかない」とそういうことです。



2つ目

僕には人生においてのなんとなくの方針があります。それは

「なるべく多くのことを経験して死にたい」

とまあそんな感じのことを。
そして僕の状況的に卒業まで時間がないと。
その二つの直線が交わるところにあること…
答えはフルマラソンでした。
死ぬまでにはやっていきたいけど働き始めたら時間ないし、体力も落ちていく一方だし。

どうやら僕は論理的に考えたらフルマラソンをやる以外の道はなかったようです。そういうことです。

練習について

僕のスペック

さて練習について触れる前に僕のスペックを紹介します。

  • 身長:165㎝

  • 体重:70kg

  • BMI:25.7(適正体重60kg)

  • 重度の扁平足(足のアーチが皆無でクッションの役割をしない)

  • 両膝オスグッド持ち

とまあこんな感じで…

どうやっても足を痛めそうな体をしていました。

なので作戦としては週2〜3回のランニングを2ヶ月続けるという緩く長くという感じでいきました。

さて、実際に黙々と練習できるかと言われたら答えは

この時期まで単位が残っているクソ自制心なので自分で自分を管理できるわけもなく。

作戦は元気玉

そこで発想の転換です。練習の過程を全て発信して、練習、本番合わせて一つのストーリーにして応援してもらうというものです。(ここの言語化が難しかったので自分で補完してください)

要は「今日これだけ走りましたよ」っていうのをインスタにあげてフォロワーに監視してもらうという作戦です。単純に聞こえますが効果は絶大です。こんなnoteをやっているだけあり、承認欲求は高い方なのでしょう。


こんな感じの投稿をし続けました。すると学校などで「ちゃんと走ってるんですか」とか「マラソンでるんですね、頑張ってください」とか友達やら後輩やらがマラソンの話題を持ちかけてきます。こうすることで僕のモチベーションは自動的に保たれていきます。

最初は5キロなど短い距離で慣らしていき、途中で10キロがちょうどいいことに気づき、週2〜3で10キロを走る生活になっていきました。

しかし、本番ではもっと長い距離を走らなければなりません。
ある日20キロに挑戦しました。結果的に走り切れはしましたが、本番はこの2倍以上は走らなければならないと考えると絶望でしかありませんでした。
家に帰ってきてから作ったオムライスに感情が如実に表れています。

美味しかった

20キロに慣れる時間と体力はないので本番はノリでなんとかなるかと切り替え、引き続き練習をすることにしました。

こんな感じで走るために投稿をするのか投稿するために走るのかわからなくなりますが、結果的に本番までの2ヶ月間なんとか走り続けることができました。

一応本番までに229キロ走ったらしいです。
ちなみに体重は67キロになり、そこそこ落ちたなあという感じです。

マラソングッズについて

体一つでできるのがマラソンとはいっても、なんだかんだ道具に頼ることになります。ここでは練習本番合わせてお世話になったグッズを紹介します。

  • ランニングシューズ

  • インソール

  • サポーター

  • ウエストポーチ

  • アンダーウェア

  • ワイヤレスイヤホン、スマホ

  • 携帯食料

  • ランニングアプリ

ランニングシューズ

元シューズの店員ということもあり、元々持っていたペガサス38を今回はセレクトしました。ペガサス38は全項目を5点中4点出してくれる万能シューズなので初めてのフルマラソンにはちょうどいいかなと思い選びました。

定価 15400円→社割 7800円ぐらい

インソール

僕の超絶扁平足を緩和してくれるアイテムがインソールになります。他にも外反母趾や単純に体幹が強くなるので是非お買い求めを…

これまた元シューズ店員だったので研修で自分専用のインソールを自分で作ったやつがあったのでそれを使用しました。


定価 9350円→ただ

サポーター

友人にケチってはいけないと言われ確かになーと思ったサポーター。
特に膝は一番怪我しやすいところなので必須なのではないかと思います。
今回は色々調べて「ザムスト RK-1Plus」という両膝合わせて9500円ぐらいする強気なサポーターを購入しました。

実際のところ、本番ではサポーターのしていなかった足首が痛くなり膝は疲労といった感じだったのでかなり効果はあったはずです。


定価 9500円(両膝)

ウエストポーチ

ないと不便。スマホとか携帯食料とか入れるだけなのでアマゾンで評価の高いものを買いました。

定価1000円

アンダーウェア

直前までいらないと思っていたのですがある事件を経て考えが一変しました。それは着ないと乳首が擦れて血が出るということ。もうこれだけでことの重要性はお分かりでしょう。その時僕は白いウェアを着ていたのでランニングが終わった時にはもう…

イメージです

特に冬場はなんでもいいのでアンダーウェアを着ましょう。

ワイヤレスイヤホン、スマホ

ランニングの1番の敵は「暇」です。音楽でもいいですが、おすすめはラジオです。ラジオに集中していると1時間ぐらいだったら、すぐ過ぎちゃいます。

ちなみに有線のイヤホンは話になりません。ちょっと高くてもワイヤレスイヤホンを買いましょう。おすすめはアンカーのサウンドコアシリーズになります。値段も5000円から15000円と安価だし、6時間ぐらいはバッテリーも持つのでフルマラソンでも安心です。

携帯食料

字面を見てモンハンじゃんと思いました。

フルマラソンでは途中でバナナなどの補給食が出ますが、タイミングは選べないので用意しておくのが無難です。実際、僕が走った時は消費カロリーが3000キロぐらいだったのでお腹は絶対に減ります。カントリーマアム60枚分です。スポーツショップに行けば完走セットみたいな感じで売っているので迷わずに買いましょう。

ランニングアプリ

ナイキのアプリを使っていたのでそれ以外の使用感はわからないのですが個人的には満足なアプリでした。
距離や時間の設定をでき、GPSで自分がどこを走ったのかがわかり、信号で足が止まった時は自動的にタイマーがストップします。また王冠みたいな収集要素もあるのでゲーム感覚で楽しめました。

なんかアフィリエイトで稼ぐ人みたいになったのでこの辺にしてきます。

なぜヒソカなのか

ヒソカとは?

人気漫画「ハンターハンター」の敵キャラです。

物語序盤の「ハンター試験編」においての一次試験が「早く歩く人についていく」というものでヒソカも参加していたので実はそことフルマラソンがかかっていたりもします。

他に道はなかった

なぜヒソカになったかって?

ズバリ作戦です。前述したように、20キロ走っただけでボロボロになるよううな体をしているので本番は「ノリ」でなんとかするしかありません。その「ノリ」を最大化してくれるものがあります。

それは「応援」です。応援をしてもらえると頑張ろうと思えます。僕は単純ですから…

さて応援をしてもらうにはめっちゃ早く走るか、単純に目立つしかありません。なんせ参加人数は4000人ほどいるので。僕は後者の「目立つ」方にしか道はないので、完走するにはヒソカになるしかなかったのです。必要十分条件です…?

実は全部作りました

実際はどうだったのか

結論から申し上げると大成功だったと思います。

明らかに目立てていましたし、見ず知らずの方でも「ヒソカがんばれ〜」と応援していただきました。明らかな大衆に向けての「頑張れ」と名指しでの「頑張れ」とでは元気の出かたのレベルが違います。

ちなみに人は応援をしてもらえると20%パフォーマンスが上がるそうです。DAIGOが言ってました。

両丹日日新聞11/24掲載

ちょっと辛くなっても、特別応援してもらえるので

「あっ、これ永久機関だ」

と序盤は思えました。

作戦名を「エターナルヒソカ」と名づけます。

しかし、フルマラソンはそんなに甘くはないものでした。この作戦には重大な欠点があったのです。


本番どうだったのか

ついに11月23日、福知山マラソン当日。朝7時に目覚めた私は清々しい気分でカーテンを開けました。

『ザー////////////』

終わった。寒いし、ヒソカのメイク落ちるだろうし。実際予報は雨だったのでわかってはいたのですが…

萎える気持ちもありつつ福知山駅からシャトルバスが出ていたのでそれを利用しました。もちろん僕はMAXヒソカメイクだったのですが、見られるのに慣れてしまってどうとも思わなくなりました。気分はインフルエンサーです

なんとかスタートの10時半ごろには雨は止み、スタートをすることができました。


10キロ地点まで

10キロを日常的に走っていたことに加え、この区間は応援してくれる人たちが多く、ほぼ無傷ですごく楽しく走ることができました。後輩が駆けつけてくれたり、サークルなどの活動で関わった人や知り合いの子供たちなど4年間やってきたことが全て集約されていて感慨深いものもありました。

走ってる最中に他のランナーから声をかけられ走りながら写真を撮るというイベントがあり、フルマラソン超楽しいじゃんと思っていたのも束の間だったみたいです。

20キロ地点まで

途中でまた雨が降りはじめて体力が持っていかれる区間でした。

コースも市街地ではなく山道に入っていき徐々に応援してくださる人も少なくなっていきました。そうです。「エターナルヒソカ」の致命的で最大の弱点は応援してくれる人がいないとエターナルになれないということです。しかもそれに気づくのはもっと先のことでした。

極寒の地で全裸で凍えながらなぜつらいのか分かっていないようなもの

であり雨での体力消費もありペースはどんどん落ちてきました。
とは言っても一緒に走る人がいる分練習の時よりかはだいぶ楽に走ることができました。

30キロ地点まで


思わず自撮りした写真がこちらです。実際もう色々限界は近かったのだと思います。髪の赤色が落ちてきて戦闘終わりみたいになってて面白いです。

この区間になると僕らの周りでは歩く人が続出します。フルマラソンは息がきついとかは全くなく、単純に足がきついんだということがよくわかります。

とにかく足が前に出ない。頑張って走ってはみるものの頭では「今すぐ足を止めて、風呂に入って、寝ろ」という信号が送られ続けてきます。もう無理と歩き始めると今度はなかなか走れなくなってしまいます。この後このジレンマと3時間ほど戦うことになります。

どれだけ頭と体を切り離して考えられるか。なんか悟りを開そうでした。

そしてゴールへ

「この競技考えたやつぶっとばしたいな」

僕が残り10キロで考えていたことでした。時間にして4時間以上走っており限界も限界。考えることも終わってました。

周りに同世代はおらず「おじいちゃんおばあちゃんwith ヒソカ」という冨樫先生もびっくりな構図になっていました。

基本はみんな歩きで気持ちが整ったら走る、というデットヒートをおじいちゃんおばあちゃんと約2時間繰り広げることになりました。

チラつくリタイヤ用のバス。やっぱり空気を読まない秋雨。いうことの効かない足腰。バッテリーの切れてしまったイヤホン。迫る時間。

実は制限時間があり最終的に6時間で完走をしなければならず、徐々に交通規制もなくなっていき、掃除の時間に居残りで給食を食べている気分になりました。

もうここまできたら走り切るしかない。頭ではわかっていますが体がついてきません。多分フルマラソンに向いている人は足の速い人ではなく頑丈な人なんだと思います。

そんな感じでヒソカの脳内には「もうどうなってもいい」とゴンさんがチラつきはじめました。

5時間31分21秒、化粧もプライドもとれたヒソカがゴールしました。

ゴールが見えた瞬間から感情がぐちゃぐちゃになり「ヒソカ〜」と言われているのも気にも止めず、涙が止まりませんでした。なんでだろう雨は降っていないのに。


終わりに

フルマラソンは「やってよかったでももうやらない」の究極版だと思いました。もう一生やらないでしょう。絶対やらない。

よく聞く言葉として「今回頑張れたのは会場のみなさんのおかげです」なんて言葉がありますが今回はまさにそれです。2つの作戦である「元気玉」「エターナルヒソカ」は究極的に応援を利用するというやり方でした。

本当に応援ありがとうございました。

実は並行して卒業論文も進めています。この前ゼミの先生から「斉藤くんの書く文はブログっぽくないですか?」と言われ、笑ってしまいました。

では引き続き頑張っていきます。応援よろしくお願いします。

おまけ:本番前日の夜ごはん


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