見出し画像

甲武信ヶ岳

 引き続いて登山。どんどん調子に乗っていこうと思う。"命短し登れよ老年"なのだ。
 6月11日の土曜日オットが山梨で仕事があり、朝愛車を駆り出して一緒に出発。昼で終わりすぐトーキョーで次の仕事の彼を、甲府駅まで送り、1人市内ぷらぷらして、夕方にさらに小一時間ドライブをして、甲武信ヶ岳登山口近くの宿に素泊まりして翌朝登山するーという企画である。

 甲武信ヶ岳は、東京から近い西沢渓谷から入るルートだと結構な登りを5時間以上行かねばならず、小屋やテント泊推奨の山だ。いろいろ調べてみると、東京からのアプローチはかなり長いのだけど、山の北側(長野県側)にある千曲川源流遊歩道というコースを発見。"ここは良いぞ〜気持ちいいぞ〜もう一度行くとしても、またここを使うね!"と勧めているネット記事を見かける。しかもコースタイム4時間程で頂上に立てるので、日帰りが可能だ。山梨まで来ていれば、アプローチも問題ない。という訳で上記のような企画になった次第。

画像2

画像1

 11日オットを東京に送り返して向かったのは、もう3回目くらいになる山梨県立美術館。ポンポンやっていたんですよ。あの、シロクマの。それも明日で終わるという。小さな作品がいっぱいあって、楽しかった。最後に大きいのもあって、写真も撮れたのだけど、やはり外で見たいなぁ、子供とか乗せたいなぁと思ってしまった。

画像3

お向かいの文学館もぐるっと見てみる。樋口一葉の直筆とかがある。あのうっすらお札に写っている女性が、ほんとにいたんだーという実在感がある。字を見ていると。

 そんなこんなで、薄曇りの夕方になって高速に乗りさらに北上し、高速降りてから東の方にややしばらく行き、登山口近くの宿に向かう。このあたりでちょっと心細くなる。いいのかなぁ、大丈夫かなぁ、天気も良くないし、なんだかなぁという気分になる。前回オットと一緒だったし面白かったもんなぁぁ、などと。道も、どんどん人も建物もない寂しい田舎道になっていくし。そんな中やっとこたどり着いた宿は、思ってたより綺麗でこじんまりとなかなか良かった。ちょっとほっとしながらコンビニご飯を食べ、早々に床に着く。

画像4

 翌朝(↑宿の窓から)はやはり曇っているが、雨は降っていないみたい。またコンビニご飯を食べ、出発。しばし山道を走り、

画像5

 すぐ登山口駐車場に着く。どよーんとした空。6時半というのに、10台程停まっている。山小屋に泊まっている人もいるんだろうな。

画像6

入口。ここから4時間の旅が始まる。長く川沿いをゆくので、熊が水飲みに来るのに遭遇するかもしれないと、父からもらったカラコロといい音のする鈴をザックにつけてきた。野鳥がなにやらにぎやかに鳴いている。

画像7

画像8

画像9

ずっと川に沿って、付かず離れずゆるやかな登りの道が続く。ほんのときたま日が差したりする他、ほぼかなりミストで幻想的な道行きとなる。なにせ長い。いつも登山中は追い抜いたり抜かされたりするのだけど、ほぼ1人のまま。たまに上から人が降りてきて、ほっとする。

画像11

ちょうど半分のところにつるつるな滝。コースタイムどおり。

画像10

もうちょっと行くと、どーんとこれが現れる。この横に小さな水溜まりがあってそこが、このあと全長367キロメートルの信濃川となる、千曲川の始まり。ここから急登を30分程登り詰めれば、稜線に出てさらにしばらくゆくと、頂上だ。わしわしと登る。

画像12

はい、真っ白な空ですね。なぁんにも見えません。雨風がない事をありがたく思うのみです。お天気が良ければ百名山のうちの43座が見えるんだって!ふーん、へー、ふーん。

画像13

何かあるかなー、トイレも行きたいしなー、と軽い気持ちで頂上の先にある甲武信小屋まで行ってみる。すぐに激下りが始まり、また後でこれを登らにゃいかんのかとちょっと後悔。可愛い小屋。バッチを買う。すごく後悔しながら(でもトイレ行けたし!)、また頂上に戻る。

画像14

画像15

戻る途中の岩陰に咲いていたイワカガミ。かわゆす。

 あとはもうガンガン下ってゆくだけ。これは楽しかった。往路よりよほど早く感じた。実際コースタイムより30分くらい早く降りられた。

画像16

下りの後半日が差してきて、木漏れ日がそれは綺麗だった。やや頭ももーろーとし、天国かな!?って感じになる。

画像17

鹿さんもいた。

 6時半に登り始め、14時10分下山完了。いい道だった。展望がなかろうが、終始曇りだろうが、1人で寂しかろうが、終わってしまえばいつも"楽しかった!!"となってしまう山登りの不思議。

 快晴となった駐車場で、疲れた足を投げ出し、アンパンもりもり食べて帰途に着く。次はどこに行こうかな。

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?