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一人深夜ドライブで苗場山

 登山の原則として、早出早着(はやではやちゃく)というのがある。
なるべく早く出て早く帰りましょうーというもの。お天気や安全面を考えてなのだが、都心から車で出かける人には、ぶち当たるとすさまじい渋滞回避としても大事だ。
 夜家を出て、登山口にて仮眠し早朝出立ーというのに、以前から憧れていた。一丁前感(一人前な感じ)が醸し出されている。白山登山でそれっぽい事(夜中にホテルから出発)はやったのだけど、自宅から自分の車で行ってみたい。ちょっと大きい車になったし、車中泊とかもやってみたい。

 うちから車で3時間、苗場山はどうだろう。車中泊とまではいかなくても、夜中に移動して早朝から登るのだ。苗場山は一度登山口までは行ったことがある。一応百名山だし、頂上付近は池塘がたくさんあっていい感じらしい。計画をたてるも、2回ほど前夜に急速に面倒&心細いとなり、取りやめたりした。へたれだ。が、一人登山だと急な心変わりも誰にも迷惑かけないから、全然オッケー。オットにはいちいち相談が行くのだが、彼は"はいはい、ソウダネー、うんうん"と聞いてるようで聞いていない(もしくは逆)のが上手である。

 とうとう決行したのが、10月9日土曜日。3時起床、3時半出発。夜中に家を出るのは、まるで家出みたいだ。遠い昔父母が寝静まってから、こっそり家を抜けでた事を思い出す(深夜の玄関で、同様に家を抜け出ようとしている弟とばったり鉢合わせて"お、おう・・"ってなったこともあったな・・)。

 遠い昔とはちょっと違う、"いいのかな、大丈夫なのかな"という思いを終始抱いたまま、ティラー・スウィフトのクールな歌声と共に車は高速道路をひた走る。コンビニで買ったフルーツサンドを運転しながら暗い中食べて、(なんかのテレビドラマみたいに)ぼろぼろと盛大に胸にこぼすーなどしながら、6:40かぐらスキー場駐車場に着く。

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どよどよの空ですね。3日前まで予報は晴れだったのに、明るくなってみたら、すげー曇り。絶対雨降る感じ。でも駐車場はそこそこいっぱいだ。さすが土曜日。さすが苗場山。これだけの人数と雨に濡れるのなら、心強い。

しばしアスファルトの道を行き、和田小屋前から登山道に入る。

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道は結構濡れている。時々小雨が落ちてくるがレインウェアは出さず、フード付きのジャケットのフードをザックの上からかぶり、てるてる坊主のようになってしのぐ。

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ちょっと青空見えてんじゃなーい??

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この次は君たちがお花の時に来るよ。

結構長い道をがしがし行く。およそ半分の道のりを、コースタイム3分の2くらいで進んでいる。するといきなり視界がぱっとひらけた。

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ひらけたのはいいが、急な下りだ。眼下に人が見える。えーー、あそこまで降りたらまた登りがあるじゃんーー。

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その下りきったあたりには"お花畑"という看板があった。やはり来春にはまた来ねばならないな。
 案の定そこからは大変な急登だった。若いお兄さんたちと前後しながら、苦笑いを交わしつつぜーぜーと登る。

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と、突然平たいところに出る。曇ってて見通しはきかないが、これはもう頂上だ。池塘がたくさんある。木道が続いている。

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うへへーい、着いた着いた。着いてみたら、ほぼコースタイムであった。前半飛ばしすぎて後半失速した感じ。苗場山自然体験交流センターという名前の(大きめの山小屋って感じ)建物前で、一息つく。けっこう人がいる。

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ちょっとのんびりして、下山。相変わらずの視界のなさだけど、草紅葉がいい感じ。

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ずうっと散策できるらしい。この次は一泊で来てみたいもんだ。

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下山がまた長かった。ほとんど休まず、ガンガン下る。3時間45分のコースタイムのところ、3時間15分で下りた。一度尻餅ついた。ひぇぇ。

やっとこ車に乗り込んでくねくねと山道を降り、"道の駅みつまた"の隣の"街道の湯"にどぼん。多少生き返って、道の駅にて山菜そばとナッツをのせたソフトクリームと珈琲頂く。どれもとても良心的でおいしかった(蕎麦は山菜が山盛りだし、ナッツもすごいたくさん)。

それから3時間運転だ。いやー、疲れた。北アルプスより疲れた。そりゃそうだ。1日にこんなに詰め込んではいなかったもの。遠くの日帰りは根性いります。楽しかったけど。また行くけど。


 

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