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【シエルの注目映画】2021年10月公開作品

10月に入ってしまいましたが、10月公開予定で気になる作品をピックアップしてみました。

『TOVE トーベ』(10月1日公開)

2020年製作/103分/G/フィンランド・スウェーデン合作
原題:Tove
配給:クロックワークス
監督:ザイダ・バリルート
製作:アンドレア・ロイター、アレクシ・バルディ
原案:エーバ・プトロ、ヤルノ・エロネン
脚本:エーバ・プトロ
撮影:リンダ・バッスベリ
美術:カタリーナ・ニークビスト・エールンルート
衣装:ユージェン・タムベリ
編集:サム・ヘイッキラ
音楽:マッティ・バイ
出演:アルマ・ポウスティ、クリスタ・コソネン、シャンティ・ルネイ、ヨアンナ・ハールッティ、カイサ・エルンスト、ロベルト・エンケル、ヤーコプ・エールマン、エーバ・プトロ
公式サイト:https://klockworx-v.com/tove/

『ムーミン』の原作者トーベ・ヤンソンの半生を描いた作品。おそらく何よりも自由を愛したであろう作家の創作の源泉をうかがい知ることができるのかもしれません。

北欧の児童文学には優れた作品がたくさんあります。『ムーミン』もその一つですね。

少し前に公開された、スウェーデンの児童文学作家アストリット・リンドグレーンの半生を描いた『リンドグレーン』は見逃してしまったのですが、本作は見逃さないようにしたいです。

『夢のアンデス』(10月9日公開予定)

2017年製作/85分/G/チリ・フランス合作
原題:The Cordillera of Dreams
配給:アップリンク
監督:パトリシオ・グスマン
製作:レナート・サッチス
脚本:パトリシオ・グスマン
撮影:サミュエル・ラフ、パブロ・サラス
編集:エマニュエル・ジョリー パブロ・サラス
音楽:ミランダ&トバー
出演:フランシスコ・ガシトゥア、ビセンテ・ガルハド、パブロ・サラス、ホルヘ・バラディット
公式サイト:https://www.uplink.co.jp/andes/

絶望をこえ、過去と未来を見据え、どう生きるべきか、私たちの「今」を問う。
世界最長の山脈、アンデス。チリの国境に沿って大きな壁のごとくそびえる不変の山々は、その足元で繰り広げられる生と死を、ただ静かに見つめ続けている。
いまなお続く、ピノチェトの遺産―
新自由主義の実験の場となったクーデター後のチリ
『光のノスタルジア』『真珠のボタン』に続き、チリの歴史的記憶、政治的トラウマ、地理の関係を探る三部作最終章。(公式サイトより)

『光のノスタルジア』『真珠のボタン』ともに、公開時に気になってはいたものの、観ることができませんでした。本作もやはり気になります。

心身ともにあまり元気がない今、シリアスなドキュメンタリーを観に行く力が出るかどうか… 出たら観に行きたいです。

『DUNE デューン 砂の惑星』(10月15日公開予定)

2021年製作/155分/G/アメリカ
原題:Dune
配給:ワーナー・ブラザース映画
監督:ドゥニ・ビルヌーブ
製作:メアリー・ペアレント ケイル・ボイター ジョセフ・M・カラッシオロ・Jr. ドゥニ・ビルヌーブ
原作:フランク・ハーバート
出演:ティモシー・シャラメ、レベッカ・ファーガソン、オスカー・アイザック、ジョシュ・ブローリン
公式サイト:https://wwws.warnerbros.co.jp/dune-movie/index.html

全宇宙から命を狙われる一人の青年に、未来は託されたー(公式サイトより)

待っている人は待っていた、SF大作。
かつて「不可能」といわれた映画化に、アレハンドロ・ホドロフスキーやデヴィッド・リンチが挑み、前者は未完、後者は監督の本意でない作品となって酷評を浴びた、本作を、今度こそはと期待していた人は多いと思います。

実のところ、“宇宙戦争系”にはあまり惹かれることがなく、『スター・ウォーズ』シリーズでさえ、2作くらいしか観ていません。
SFが嫌いっていうわけじゃなくて、フィリップ・K・ディックなどは好きで結構読んでるし(本は一度全部手放したのですが、最近Kidleセールの時にいくつか買い戻しました)、映画化されたものは観ています。『スキャナー・ダークリー』とか好きだな。

本作は原作も読んでいないので話もわからないのですが、予告を見るとおもしろそうだし、ティモシー・シャラメにゼンデイア(いつもと全然違う感じ!)など、気になるキャストがいるし、何より「映画化不可能」を可能にした作品ですから、どんなものか観てみたいです。

『かそけきサンカヨウ』(10月15日公開予定)

2021年製作/115分/日本
配給:イオンエンターテイメント
監督:今泉力哉
原作:窪美澄
脚本:澤井香織、今泉力哉
製作:狩野隆也、小林栄太朗、渡辺和則、有馬一昭、佐竹一美
撮影・照明:岩永洋
録音・整音:根本飛鳥
美術:禪洲幸久
衣装:馬場恭子
ヘアメイク:寺沢ルミ
編集:相良直一郎
音楽:ゲイリー芦屋
出演:志田彩良、井浦新、鈴鹿央士、西田尚美、石田ひかり
公式サイト:https://kasokeki-movie.com

作家・窪 美澄×監督・今泉力哉
恋愛映画の旗手、今泉力哉が描く現代の「父と娘」、そして「家族」の姿
(公式サイトより)

窪美澄さんの小説は、どこか影があって、チクチクするけれど、「それでも、明日も生きて行く」というような強さがあり、誰かの心の支えになるような作品が多いです。本作の原作は読んでいないのですが、予告を見る限りいい感じですね。

今泉力哉監督の前作『街の上で』も面白かったので、本作も期待します。

『THE MOLE(ザ・モール)』(10月15日公開予定)

2020年製作/135分/G/ノルウェー・デンマーク・イギリス・スウェーデン合作
原題:The Mole: Undercover in North Korea
配給:ツイン
監督:マッツ・ブリュガー
製作:ピーター・エンゲル
製作総指揮:ピーター・エンゲル
脚本:マッツ・ブリュガー
音楽:ヨン・エリク・カーダ
出演:ウルリク・ラーセン
公式サイト:https://themole-movie.com

ごく平凡な一市民の潜入スパイ活動が、謎に満ちた北朝鮮の闇取引の実態を暴き出す!“全世界騒然”の衝撃ドキュメンタリー。(公式サイトより)

スパイが大好きで(以前ジョン・ル・カレの作品をよく読んでました)、モグラとかアンダーカバーとか聞くとワクワクしてしまいます。しかし、元料理人の一般人が10年も北朝鮮に潜るなんてホント?って思ってしまいますねえ。10年潜ったにしても、現地の映像とか音声はどれくらいあるんだろう/出せるんだろうか。

“平凡な元料理人”が、北朝鮮に潜るから映画を作って欲しい、と監督に言ってくる、なんてこと自体がフィクションっぽいし、映像なんて作ろうと思えば作れるわけだし。しかし、専門家の鑑定を得て、監督は、映像は100%であると言明しているそうです。

何れにしても、“完全民間”だから実現したことでしょうね。国家に属するスパイだったら、情報を出すことはできないですから。

マッツ・ブリュガー監督の『誰がハマーショルドを殺したか』(2019)は、実は途中ちょっと寝てしまったのですが(汗)、本作では大丈夫かな。

あ、これ、今年2月にNHKーBSで放送したみたいですね。うーん、まあ必ずしも映画館で観なくてもいい作品のような気もします。NHKプラスで観られたらいいんだけどな。

『ビースト』(10月15日公開予定)

2019年製作/130分/G/韓国
原題:The Beast
配給:キノシネマ
監督:イ・ジョンホ
製作総指揮:キム・ウテク
脚本:イ・ジョンホ
撮影:ジュ・ソンリム
編集:シン・ミンギョン
音楽:モグ
出演:イ・ソンミン、ユ・ジェミョン、チョン・ヘジン、チェ・ダニエル
公式サイト:https://movie.kinocinema.jp/works/thebeast/

なぜ、男たちは<正義>の果てに、<運命>を引き裂かれたのか─?
名優たちの魂が激突!韓国ノワールの極北にして新境地!(公式サイトより)

ノワールは好きです。好きですが、今“連続猟奇殺人もの”とか観たい気はあまりしないんですけど、ドラマ『ミセン ―未生-』(2014)で人情味ある営業3課課長を演じたイ・ソンミンさんの映画作品を観たことないので(彼はむしろ映画の人らしいです)観てみたいです。
そして、関係があまりうまく行っていなさそうな相棒役は、ドラマで引っ張りだこのユ・ジェミョンさんです。この、おじさま二人を主役に持ってくる韓国ノワール、渋いですねえ。

『WHOLE ホール』(10月15日公開予定)

2019年製作/44分/日本
配給:アルミード
監督・編集:川添ビイラル
脚本:川添ウスマン
プロデュース:川添ウスマン、川添ビイラル
撮影・照明:武井俊幸
録音:松野泉
美術:藤原達昭、青木ありさ
メイク・衣装:稗田梓
出演:サンディー海、川添ウスマン、伊吹葵、菊池明明、尾崎紅、中山佳祐、松田顕生
公式サイト:https://www.whole-movie.com

日本生まれ、日本育ちで日本のパスポートしか持っていない、監督の川添ビイラルと脚本・主演の川添ウスマン兄弟は、日頃からハーフの偏ったイメージに違和感を感じていて、タレントでもない、日本で普通に暮らしているハーフを主人公にした映画を作ることを決意。知り合いの紹介で、同じく日本生まれ、日本育ちのサンディー 海に出会い、春樹役に抜擢した。
純粋な目線で、どこにでも居るハーフの日々の生活を通して、アイデンティティーや日本社会に対する複雑な気持ちを誠実に描いた。多様性を目指す現在の日本社会に語りかける本作は、第14回大阪アジアン映画祭でJAPAN CUTS Award スペシャル・メンションを受賞し、北米最大の日本映画祭であるニューヨークのJAPAN CUTS及びソウル国際映画祭に正式出品された。(公式サイトより)

個人的に関心のある題材が扱われているので、ぜひ観たいと思っています。

日本に暮らす外国人も、ハーフ/ダブルの人もどんどん増えてきているのに、偏ったイメージは何十年も前と変わらない。当事者によって作られた映画は貴重ですが、これが当たり前になって行くことが望まれます。

『二人小町』(10月22日公開予定)

2020年製作/86分/日本・香港合作
配給:ユナイテッドエンタテインメント
監督:曽根剛
原案:芥川龍之介
脚本:平谷悦郎
企画:和田有啓
プロデュース:和田有啓
音楽:辻伶
出演:ハンナ・チャン、エリズ・ラオ、和泉素行、ウェスリー・ウォン、濱津隆之
公式サイト:http://futarikomachi.united-ent.com

芥川龍之介の戯曲が香港を舞台に大胆に甦る!
同姓同名の女性に恋した死神の摩訶不思議な愛の物語ダーク・ファンタジック・ラブストーリー。(公式サイトより)

死神かぁ… って気もしてしまいますが、芥川龍之介の原作なんですね。
予告を見ると、ちょっとウォン・カーワイっぽい色。舞台が香港だから自然とそうなるのか、あるいはあえてそうしてるのか。
わからないですが、香港の街、見たいなという気になりました。

『スウィート・シング』(10月29日公開予定)

2020年製作/91分/G/アメリカ
原題:Sweet Thing
配給:ムヴィオラ
監督・脚本:アレクサンダー・ロックウェル
製作総指揮:サム・ロックウェル、スティーブ・ブシェーミ、ジェニファー・ビールス、ダミアン・ニューマン、エレイン・ウォルシュ
編集:アラン・ウー
音楽:バン・モリソン、ビリー・ホリデイ
出演:ラナ・ロックウェル、ニコ・ロックウェル、ウィル・パットン、カリン・パーソンズ、ジャバリ・ワトキンス、M・L・ジョゼファー、スティーブン・ランダッツォ
公式サイト:http://moviola.jp/sweetthing/

世界は悲しいけれど、幸福な1日はある。
15歳のビリーと11歳のニコ、その家族の物語。
普段は優しいが酒を飲むと人が変わる父アダム。家を出て行った母親イヴ。頼る大人がいないビリーとニコの姉弟。ある日出会った少年マリクとともに、彼らは逃走と冒険の旅に出る!世界はとても悲しい。でも、幸福な1日はある。その1日がずっと長く続きますように。(公式サイトより)

本作監督の作品は未見ですが、パーソナルな世界観が16mmフィルムの感触とマッチした、たぶん私の好きなタイプの映画じゃないかと想像します。
最近あまりこういうのを観ていないので楽しみです。

『MONOS 猿と呼ばれし者たち』(10月30日公開予定)

2019年製作/102分/R15+/コロンビア・アルゼンチン・オランダ・ドイツ・スウェーデン・ウルグアイ・スイス・デンマーク合作
原題:Monos
配給:ザジフィルムズ
監督・製作:アレハンドロ・ランデス
脚本:アレハンドロ・ランデス、アレクシス・ドス・サントス
撮影:ヤスペル・ウルフ
編集:ヨルゴス・モブロプサリディス
音楽:ミカ・レビ
出演:モイセス・アリアス、ジュリアンヌ・ニコルソン、ソフィア・ブエナベントゥラ、フリアン・ヒラルド
公式サイト:http://www.zaziefilms.com/monos/

前作「Porfirio」(11/日本未公開)がカンヌ国際映画祭監督週間に出品された新鋭アレハンドロ・ランデス監督の3作目は、南米・コロンビアで50年以上続いた内戦を下敷きにした物語だ。暴力の脅威にさらされ続けたコロンビアの歴史と、外界から遮断された世界で生きる少年少女兵の思春期のゆらめきを重ね合わせ、幻想的な世界観で大胆に描いた本作は、サンダンス映画祭をはじめ世界中の映画祭で喝采を浴びた。さらに、SCREEN DAILYが選ぶ2019年ベスト5では『パラサイト 半地下の家族』などの強豪を抑え1位を獲得、ギレルモ・デル・トロら名だたる映画監督や海外メディアからも絶賛の声が相次いだ。(公式サイトより)

コロンビア内戦下の少年少女兵たちの話、という内容も興味深いし、予告を見る限り映像も凄そうです。ちょっと『地獄の黙示録』(1979)っぽいところがありそうな気も。

近年、このように南米の社会情勢に関係した映画が日本にも結構入ってくるようになったのは個人的に嬉しいです。

* * *

10本あげてみましたが、たぶん見落としあるだろうなあ… なかなか全部チェックしきれません。(そして観きれないことも多いです。涙)
何かおすすめ作品ありましたら、ぜひお知らせ下さい。

それではみなさま、よいご鑑賞を。

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