天気が良くて、アリエ川のほとりを散歩することにした。
もうすぐ、方違えに来る友人と散歩できるなあと思いながら、シラノを放す。

アリエ川はロワールの支流。
川幅はかなり広く、大きな橋がかけられている。
海は遠くても、川があるだけで生活の質や満足感が違う。

歩く人は少なく、リードをつけなくても散歩できる。

シラノと距離ができてしまっても、誰の邪魔にもならず遠くから安心してながめていられる。

シラノは束の間の自由を堪能した様子。
まるでわたしなんて必要ないみたいに、気ままに歩き回っている。
そういうシラノを見ているのが好きだ。

帰りにクリーニング店に寄ったら、お店の人に「窓からのぞいているのはあなたの犬？」と聞かれて外を見ると、シラノがこちらを見ていた。
思いが伝わるような、表現力豊かな顔。

わたしを必要として、待っていてくれるんだね。
そういう顔を見るのも好きだ。
さあ、一緒に帰ろう。