私の2023年

 今日は2023年12月31日。一年の終わりの日だ。単に暦の上の話で、昨日と今日と明日とで、何かが劇的に違っているなんてことはきっとないのだけれど、そうはいっても区切りは区切りだとも思うから、簡単に私の2023年を振り返りたい。

 まず、様々な土地を訪れたなぁと思う。1月は長崎、3月は道東、4月は福岡、5月は徳島と京都、7月は高山、8月は岡山と山梨、9月は新潟、10月にはまた京都。
 特に印象深いのは道東だろうか。釧路から釧網本線を徐々に北上して網走まで。新千歳との間を結ぶプロペラ機、釧路の夕焼け、港町の街燈、冬の釧路湿原、石油ストーブのにおい、車窓から見える鹿の群れ、雪の舞う川湯温泉、瀝青色のオホーツク、「涯て」を思わせる網走の空気、深く積もった雪に足を取られて転びながらやっとの思いで横切った近道、橋から望む網走の黄昏。
 2024年はもっとたくさん旅をしたい。

 旧Twitter経由で何人かにお会いしたことも2023年の特徴。30歳にもなると、会うひとの範囲が仕事の関係か昔からの友人に固定されやすいから、趣味のつながりがきっかけとなって予期せぬ形で人間関係が広がるのは嬉しいことだった。私自身は億劫がりで人疲れしやすいタイプだから不安もあったけれど、気さくな方ばかりで楽しい時間を過ごすことができて、フットワーク軽く参加して良かったなと思う。会ってくださった皆様、どうもありがとうございました、また遊びましょう〜!

 趣味の関係でもヒット作に多く出会った年だった。特に、『もっと、海を─想起のパサージュ』(著:イルマ・ラクーザ、訳:新本史斉)、『人生と運命』(著:ワシーリー・グロスマン、訳:齋藤紘一)、『ウンガレッティ全詩集』(著:ウンガレッティ、訳:河島英昭)、「aftersun/アフターサン」(監督:シャーロット・ウェルズ)の四作は、マイベスト級で、この一年夢中になったし、生涯愛おしく思い続けるだろうなと感じている。


 仕事やプライベートではストレスやトラブルもあったけれど、振り返ってみると、総じて2023年はいい年だったと思える。2024年はより一層いい年になるといいな。

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