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【小説】 壊滅的な自分

いい歳して
ええ思いしやがって

そう父は言う
佳世子は両親の実家にいた
両親が旅行に行くから
その間、家と犬を見ていてと言われ
実家に帰ってきた

旅行から帰ってきた両親は
次の日から寝込んでいて
それと交通事故の治療がもう終わるから
後1日家にいた

80近い親の面倒を見るのが当たり前なのに
迷惑かけやがって

父とは1年と1か月前は
良好だった
普通の父娘より
仲の良い親子だった
ケンカをするときは
激しかったけど

ジョコの家
行くのもなー
言うことがコロコロ変わる
父は
離婚してこの家に帰ってきなさい
そして親の介護をしなさいと
言ってきたこともあった
子供のいない佳世子に
吹っ飛んで、介護なのかと佳世子は思った

だーれも佳世子を知らない所に行きたい

ある人は言った
東京で住み込みで働くといいよと
 
でも働けるとしても
ギリギリの年齢だけど
性風俗しかない
 
バカな子だ
止まらない自分がいるのがわかっていた
お願い
私をとめて
  
いったい何があったかわからなくなっていた
昔は以前は
自分が大好きな子だった
何の根拠も自信もないけど
 
心の奥で知っていた
ユウは酷い人ではないと
酷くて、征服感でいっぱいの人に
佳世子は出会った
怖い
常に緊張で胸がはりつめていた
深呼吸の仕方を接骨院で教えてもらった
鼻から吸って口から深く吐く
そうすると
何故か左顔がピクピクと動いた
もう限界だ


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