uber existence アクター 体験記

https://www.uberexistence.com

チャットルームに入室して、名前を自分のIDに変更。
自分を利用するユーザーと軽くやりとりを、行う。

こんにちは。
ユーザー:待機しています。
接続します。お待ちください。

じきにユーザーの声がイヤホンから聞こえてくる。
基本的にこちらからは話せないのでジェスチャーで目線の先についた小型カメラに手を映す形でユーザーとコミュニケーションを取った。
👍:了解、OK
🙅‍♀️:できません
📱をかざす:チャットを見てください

存在代行がスタート、時間は1時間

展示室に向かってください、ソファに寝転んでください、右を向いてください、と指示されるまま動く。
移動を頭で考えないから楽。

いくらか時間が経って、ユーザーから敬語をなくしてもいいですか?
と言われる。

👍:OK

次の展示作品を見たい、ストップして、この作品をじっくり見たい

敬語だった時とは全く違う感覚になった。
わたしは、アレクサみたいな、モノになった。

鏡を見たい
と言われる。

展示会場に鏡が無くて、トイレに向かう。
ユーザーは男性だったけれど、私の意志で女性用のトイレに入った。

いくらか展示を回った後、トイレに行ってくるのでストップしてください。と言われる。
完全にユーザとシャットダウンされているのかこちらからは確認できない。本当は見ているかもしれない。
トイレに行っていたとしてもストップしてくれと言われている以上その場から少しも動く事が出来なかった。

またユーザーから相談が入る
第一人称で話しても良いですか?

👍:OK

右を向く、止まる、歩く、走る

私はユーザーの身体になった。

「鏡を見る」
と指示される。

多目的トイレを見つけてそこに入った。

手をあげる、回転する、しゃがむ、身体を傾ける、両手を上げる
鏡に映る滑稽な私の姿を指示通りに動くか確認されている。
おて、まて、ふせ、と言われる犬のような気分でなんだか気持ち悪いのと、絶対に指示通りにやってみせるという自分の闘心が対立しながら片足立ちをした。

いくらか展示を見た後、
3度目の鏡を見るを言われる。

スタッフさんに付き添ってもらって
女性用トイレに入る。

女性用トイレという空間に入った瞬間の居心地の悪さ。聖域。
自分と異なる性別を持つユーザーとの隔たりを感じる。

指示がない時間は何をどうして良いのか分からず、ぼーっとする。
自分の意思とは関係なく、自然にまばたきを繰り返した。
鏡に映る自分を見て最近ちょっと太ってきたなぁと別のことを考える。ユーザーと接続されている事を忘れることもあった。

女性用トイレから出たところで
1時間が経過し、存在代行のサービスは終了。

控室に戻り、ユーザーが私の身体を通して作家の花形さんと会話をする。
会話が終了し、接続が切れたところで終了。

まだイヤホンから声が聞こえて来そうで、
私の視界に映る映像を見られているようで、
自分に戻るのにいくらか時間がかかった。

記念にキャップをもらう。
どこに被って行こうか。

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