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経腸栄養チューブの仕様変更の理由がわかって脱力

トップ画像は、どっかで見つけた変な飲み物
Thirsty Buddha のRoot BeerとVintage Cola。

内容とは一切関係ないが、同様に脱力したので採用。
Buddhaって商標にしていいんだ・・・仏教は寛容だなぁ。

本題:
先般より、クライアントの経腸栄養バッグやパーツが、いくら発注してもものが納品されなかったり、あちこちたらい回しにされた挙げ句、数ヶ月経ってから実は生産中止になっていたことが判明して呆れた事件があった。


いつか、生産再開されるのではないのか?代替部品の納品があるのではないか?と思いながら生産中止になったパーツを大切に使っていたけれど、基本使い捨てのものなのでいよいよ在庫がなくなってきた。
そこで、今日、仕様変更によりパーツが生産中止になったことを深掘りしてみた。

パーツが生産中止ということは、今後はそのパーツ(チューブの接続部分とキャップ)が不要になるということだ。しかし、うちのクライアントはGJチューブのエクステンションとと、経腸栄養のバッグから伸びた接続口の形が違うと接続できなくなる。だから、接続パーツが無くなると困るのだ。同様の経管栄養チューブは多くの人が使っており、日本でもスタンダードであった。なぜ、仕様変更なのか?突然変更されても困らない人達がいるのか?

接続部の形が違うので、接続できない

今一度、経腸栄養バッグの袋の接続方法を見てみると、接続口の形状が変わっている。今まで見たことがない形状だ。
「これは、もしかして胃ろうの延長チューブ自体の形状も変更になっったのでは?」との考えがよぎる。

日本語のサイトで検索をかけてみた。すると、驚きの事実が・・・
今まで普通に使っていた経腸栄養チューブの接続の形状が、ISOの規格に統一することになり、全て変更されることになっていたのだ。
理由は、誤投与による事故防止のため。
日本では、昔、経腸栄養のチューブと点滴のチューブの差し込み口が同じ形をしていたため、点滴に栄養剤を注入、あるいはその逆といった誤投与による医療事故が起きていた。
(牛乳を点滴してしまった事件など)
なので、点滴(注射)薬用のシリンジと経腸栄養用のシリンジの先端の形状を違うものにして、接続できないようにした。臨床では、シリンジの色が違うし保管場所も違う、過去の医療事故も学習し、間違えないように徹底されていた。

だが、世界中の他の国は形状が区別されていなかったために誤投与による医療事故があとを絶たなかったらしい。なので、数年前にISOの国際規格ができてそれに移行することになったそうだ。その動きは日本では2019年頃に始まったらしい。しかし、日本はそもそも間違えないように別規格で作られていたので変更の必要性はないのだが、国際規格なので統一せざるを得なくなったという・・・なんということだ!私は、日本にいた2021年の7月まで同様な胃ろう管理を行っていたから知らなかった。

で、さっそく経腸栄養バッグ製造会社のwebsiteで仕様変更について検索かけてみると、カクカクシカジカでISO規格に統一することになるので、サプライヤーは顧客が変更に対応できるように在庫の把握と周知をするようにと書いてある・・・

おいおいおいおい、誰も聞いてないよ!そんなこと。

クライアントは、20年近く経腸栄養を使用している。物品の発注は、お母さんや同僚のカナダ人看護師がやっているが、栄養剤の形態によっては使用物品も変わるから、なにか変更があれば栄養士から連絡が来ることになっているようだ。しかし、栄養士からは何も情報提供なく、サプライヤーからも仕様変更になったことのみ伝えられただけで、患者側の延長チューブも規格変更になるという情報はなかった。なんで、そんな大事なことおしえてくれないのかな・・・こっちで調べるの大変なんだよ。在宅なんだから。それに、隅から隅まで企業のwebsite見るほど暇ないんだって。そもそも、ENFitって新規格知らなかったし。

てかさ。新規格使いにくそう・・・絶対汚れる。
そういうわけで、ものすごく疲れた。

本当は、こういうことは英語ネイティブの同僚にお願いしたい。日本語サイトで、新規格のチューブが細すぎるのでミキサー食などは閉塞のリスクがあるかもなど情報がある。お母さんは今後、既製品の栄養剤をやめてミキサーを腸ろうから入れてみたいという希望があった。これらも確認して、カナダではもう旧規格を一切使用できないのか確認する必要がある。新規格になると、シリンジも全部変更しなければならないのかもしれない。そんなこと、誰からも何も聞いていない。シリンジの種類だって、7種類ぐらいあるのに、全部変更なのか?なんだか、果てしなくめんどくさい気がする。やっぱり、英語力を高めないと、何かアクションを起こす前に、最悪の事態考慮して代替案も考えようっていう話を進めるのが大変。

予め予測して動かず、なにか起きてから考える、カナダ人。
助けてBuddha〜


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