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Mallory-Weiss Tear マロリーワイス症候群

激しく嘔吐した後、吐血することがある。血を吐いてしまったら、さぞびっくりするだろうな。
私は、酒のんで吐いたことはしょっちゅうあったけど、血を吐いたことはないな。

今日、クライアントの胃ろうチューブ(G-tube)から鮮血が出てきた。今までもジワジワ暗赤色の血液が出てきたことはあったけど、鮮血は初めて。同僚元看護師に「鮮血ーでてる」と言ったら「前にもあったよ」と。

クライアントは、胃潰瘍か逆流性食道炎による粘膜の荒れ、胃ろうのペグが圧迫されすぎてることによるペグ潰瘍の可能性、胃ろうの皮膚が胃液で荒れて出血などなどあるからG-tubeから出血しても全然不思議じゃない。

ただね、今日は結構咳してたし、リフラックスの症状もここ最近あったからマロリーワイスだったりして・・・
血性の排液が100ml/hour 出てきたりしたら緊急事態だなー
とか、
血が固まってチューブ詰まるかもー
などなど、考えるわけだ。

看護師の仕事は、アセスメントして次に起こることを予測して行動しなきゃだから。
しかも、在宅で、指示を仰げる医者もいないし、よほどのことがない限り病院にもいけないんだ。だからケアギバーが判断しなきゃならない。

こういうことは、当然知ってるよね?ベテランだし。いや、カナダだからわからんな。
聞いてみるか。

私「マロリーワイスって、カナダでは常識?」
同僚「知らん」
マジカ。
吐くまでで酔っ払って道端で寝ちゃったりするのは、やはり日本だけか・・・
 *酔っ払って吐くときに必ずしもマロリーワイスになるわけではありません。。。

じゃあ、日本でしょっちゅうあるのか?と言われてみれば、私もあんまりそれで入院してきた患者は見たことないな。一人ぐらい?しかも経過観察だったような。

さておき、一応、排液も多いし血が止まらんかったりしたらまずいから、チラチラ観察しておく。血性の排液がやばいってことも知らんのかもしれん。

最近は、クライアントG-tubeからの排液が多いんだ。
(G-tubeは栄養のためではなく減圧のために装着している)
おしっこも臭うし、UTIになりそうスレスレだから、水分多めにしたくて経腸栄養終わったらすぐに、電解質も投与することにしている。

同僚「栄養が全部投与できているのに、なんで電解質も投与するの?」
あれ、そこ聞くか?
in-outって知らんのかな?

自分が新人だった時、1日2回in-outの報告しなきゃなんなくて、当時の業務リーダーが鬼の形相で
「in-outは?」
と聞いてきた。のを覚えている。医師が聞いてくるから、リーダーも焦ってたんだろう。

いや、同僚だって水分出納(water balance)は知ってるはずで、脱水(Dehydration)を防ぐために、吐いたらその分水分補給しなきゃならんことぐらい知ってると思う。それとも、日本の病院みたいに、in-out,in-out,in-out連呼しないのか。

また思い出してきた。
イレウス(腸閉塞)の患者さんに胃管とかイレウス管を入れてるんだが、その排液量によって点滴の量とか決めてたから、いつでもチェックしてなきゃならん。排液が多ければ、まだ腸が詰まっているし、その分水分の吸収もないから脱水状態になる。なので、電解質の点滴が追加になったりする。一方排液が減ってきたら、管を抜くタイミングだ。鼻や肛門から管が入ってる患者さん、水も飲めない。つらいことこの上ない。早く抜いて楽にしてあげたい。だから、
「先生、◯◯さんの排液減ってきてますよ」
などと、頼まれもしないのに言ってみる。

おっと、思い出に浸ってしまった。

そういえば、この同僚は胃ろうの患者をあまり見たことないって言ってたな。入院期間も短いし、胃ろうの増設とかもカナダなら日帰りなのかもしれない。高齢者も胃ろうしないみたいだから、小児科とか難病患者しかつけないのかも。だったら、経験ないのもわかる。水分出納と言えば、人工透析やってた在宅のクライアントの水分制限もずいぶん緩かったよな。。。いろんな意味でカナダの医療システムって謎すぎるわ。


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