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旅の記録6 「とある一日、ジャイプール。」

〜イントロダクション〜

マガジン「2012年地球の旅」2012年6月〜2014年4月の世界一周旅の記録です。今から12年前に書いた旅日記を、再度noteにまとめています。

ー本文ー

「とある一日、ジャイプール。」

昼過ぎ、デリー行きのチケットを買いにバスターミナルへ。暇そうにバスを待っていたスーツのおじさんに話しかけられ小一時間話す。おじさんのバスが来たので手を降って見送る。

バスが走り出したと思った矢先におじさんが小走りで降りて来て驚く。何か忘れ物でもしたのかと思いきや、「写真!写真!」と言うので、肩を並べておじさんの携帯で記念撮影。

バスターミナルから中心部に戻る途中、道端でサモサを売る屋台のお兄さんに道を聞く。ついでに食べて行きなよとジェスチャーで誘われ、お昼にする。

中心から外れているからか英語が通じない。4,5人の先客も地元民っぽい。店主もお客さんも世話焼きで、水を注いでくれたり豆料理を手ですくって食べるコツを身振り手振りで教えてくれる。

メインロードに向かう途中、「平日は稼げないよ。」とぼやくリキシャーのドライバーが、良い暇つぶしを見つけたとばかりに、仕事を放ってチャイをご馳走してくれる。

こちらの懐事情を察しているのか、わざわざ勧誘してくることもない。道路脇に腰を下ろし道行く人を眺めながら身の上話をする。リキシャー目線で街を眺める。

中心部に戻り、見慣れた景色。ジャイプールは国内から観光に来ているインド人も多く、人が陽気でテンション高め。こちらからカメラを向けるよりも「一緒に撮ろう!」と顔を近づけられることのほうが多い。

夜は街の映画館に行く。VIP席にはいかにもお金持ちな着飾った人たち、通常席には家族連れや若者。映画はライブ会場並の盛り上がり。手を叩いて笑ったり口笛吹いたり、大人も子供もスクリーンに向かって大騒ぎ。

日が暮れて宿に帰るとすっかり顔見知りになった近所の男の子たちが絡んでくる。やんちゃ小僧たちもカメラを向けると一丁前に決めポーズ。

「また明日!」そう言って手を降って、長い一日が終わった。

〜追記〜

約1ヶ月滞在したインド。ジャイプールはインドの終盤で自分も土地に馴染んでいたし、人の相性も良く純粋に楽しかった。

観光地巡りよりも、地元の人と仲良くなることに全力を傾けていた。今読み返してもひとりひとりの顔が浮かぶ。

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