見出し画像

安心か、豊かさか。迷惑行為への対策を「安心と信頼」に基づいて考える

安心をもとにした社会は、安心だけど窮屈な社会
信頼をもとにした社会は、不安はあるけど豊かで楽しい社会

こんにちは!シンギュレイトです。

少し前から、回転寿司店を始めとした飲食店での迷惑行為のニュースが相次いでいますね。迷惑行為をした人への対応はもちろんですが、一消費者として気になるのが今後のお店側の対策です。

そこで今回は、お店側の対策を「安心」と「信頼」をキーワードに考えてみたいと思います。

迷惑行為ができないようにするのか、それとも別の策を講じるのか。それは、企業がお客さんを「信頼」するかどうかにかかっています。


信頼とは、「不安な状況でも、相手に任せようと思える気持ち・行動」を意味します。これは社会心理学における一般的信頼の定義です。

今回事件が起きたお店は、やろうと思えば迷惑行為ができる、というお店側にとって不安な状況を、お客さんを信頼することで作っているお店です。お店側が、「お客さんは、今回のような迷惑行為はせず、マナーを守ってくれるだろう」という信頼をお客さんにしています。

しかし今回、その信頼は裏切られました。

では、お店は今後どういう対策をすれば良いのでしょうか。その対策は、大きく2パターン考えられます。

  1. お客さんを信頼することを辞めて、安心安全を実現する仕組みをつくる

  2. お客さんを信頼し続けて、自然とマナーが守られる空間を作る

この2つです。

迷惑行為が絶対にできない環境をつくれば、お客さんは安心するでしょう。回転寿司を例に取ると、「常に監視する」「寿司を回さない」「醤油は小分けパックに」などです。しかし、このような仕組みの導入によって、いまあるサービスやエンターテイメント性は、失われてしまいます。安心をつくる仕組みによって、不便になったり、楽しめなくなったりするのです。

一方で、これまで通りお客さんを信頼し続ければ、いまのままの空間やサービスを提供できます。信頼にもとづいた店舗設計をすれば、お客さんは変わらず、便利に利用することができ、お店を楽しむことができるでしょう。


こういった安心と信頼の違いによる仕組みの差は、社会のあらゆるところで存在しています。

たとえば、役所の対応です。役所は、窓口に行かなくてはならなかったり、書類が多かったりで、いちいち手続きに手間がかかることが多いですよね。これは、仕組みとして安心安全を徹底しすぎているのが原因です安心を求めるあまり、スピードが遅くなったり、柔軟な対応ができなかったりしてるんですよね。

このように、たしかに安心はできますが、その安心と引き換えに、面倒なことも増えます。実際、楽しくはないでしょう。

そこで「信頼」の出番です。「安心」を求める代わりに、「信頼」をもとにした仕組みをつくりましょう。相手を信頼することで、柔軟性が生まれます。回転寿司では、回るお寿司、というエンタメを楽しめるのです。楽しめることが増えることで、心の豊かさも増すでしょう。


安心を取るか、楽しさ・豊かさを取るか。みなさんはどちらがいいでしょうか?

今回は、回転寿司の迷惑行為への対策を起点に、安心と信頼による対策の違いを考えてみました。

今回紹介した「信頼」については、こちらの記事でより詳しく紹介しています。ぜひ、ご覧くださいませ。


最後まで、お読みいただきありがとうございました。もし今回のnoteが、「参考になった」「面白かった!」と思った方は、ぜひ記事への『スキ』とフォローをお願いします!