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キム・ジョーンズやMame Kurogouchiともコラボした京都マーブルの魅力に迫る/『pas deux pareils』POP UP開催

渋谷区幡ヶ谷のセレクトショップPOESIES(ポエジー)にて『pas deux pareils KYOTO MARBLE(パドゥパレイユ京都マーブル)』POP UP STOREを開催します。

大手セレクトショップ様などをサーキットし、年内最後のポップアップを、12月11日(日)に行われるPOESIESのオープニングパーティーに合わせてスタートします。
また、POESIESでのポップアップのためだけにお借りした、京都マーブルのスペシャルアイテムの展示もあります。どうぞお楽しみに(後ほど詳細をご紹介します)。

①pas deux pareils (パドゥパレイユ)とは


およそ100年前にヨーロッパで生まれた染色技法を、世界でただひとり操る染色職人、野瀬守可氏。その独創性あるマーブルプリントに魅了されたDessin de Modeのデザイナーは野瀬氏にアプローチを重ね、京都マーブルとのカプセルコレクションを21年春夏よりスタート。
その後も芸術性の高いコラボレーションを続け、満を持してブランドpas deux pareils(パドゥパレイユ)として本格的に始動しました。

京都マーブルのアーカイブの再解釈、またはDessin de Modeデザイナーの内に秘めるムードを野瀬氏にデッサンとして渡し、お互いのクリエイティビティを尊重した、モダンな佇まいのコレクションに仕上がっています。

ちょうどこのカプセルコレクションをローンチした、21年春夏の展示会に僕も伺いましたが、躍動感あるホワイトマーブルがアートさながらに整然と陳列され、繊細な中に宿る力強さに圧倒されました。
なんとなくマーブルプリントの存在は知っていましたが、その技術を持っているのは、まさか世界に一人しかいないとは夢にも思っていませんでした。
そこから興味を持ち、調べたり、デザイナーに聞いたり。その奥深さを知る事になります。

②京都マーブルとは

1900年代初頭にスイスとドイツで開発されたマーブルプリントの技法は、発祥の地ヨーロッパにも残っておらず、世界で唯一その技法を継承するのがこの京都マーブルです。

色糊を粘土のように半固形化したのちに、モザイクするように各色糊を組み合わせてデザイン化し、布に写し取るこの技法は、同じものがふたつとなく、まさに熟練された高度な職人芸によって生み出されます。
周りの人が見てもその工程はまったく理解できず、どんな柄の仕上がりになるのかは野瀬守可氏の頭の中にしかないのです。

『婦人画報』2021年7月号より
「京都マーブル」の前身「日本芸染」の創業者は、現社長・福永美登利さんの父、西岡利男さん。西岡さんは1963年、染色会社の技師として、当時西ドイツで隆盛だった技術を学ぶため、ケルンの北西に位置するライトという街に派遣されました。工房で技術を習得し帰国。67年に独立して工房を開き、マーブルプリントの技を実践します。
70年代、花開くように工房は大きくなりますが、その後、衰退の道を辿り、職人として最後に残ったのは、福永さんの実姉の夫である野瀬守可さんだけでした。
ー「京都マーブル」のファミリー・ヒストリー
鮮やかな色、ニュアンスを含んだ色が、繊細な線や粒となって複雑に入り組んだ模様を作り、さらにそれらが大きくしなやかに流れるデザインとして現れる。どんなに線が細く点が小さくても、そしてどれほど多くの色を使っても、隣り合う色が混じって濁ることはなく、どこまでもビビット。「京都マーブル」のマーブルプリントは、世界のさまざまな美に触れてきた人こそが目を奪われ、いったいどのようにして染められたのか、染色の知識をもってしても工程を推し量ることができない、魔法のような技法です。
ー「京都マーブル」とは、どんな技法?

③夢のようなコラボレーション

京都マーブル×Dessin de Modeのカプセルコレクションと時をほぼ同じくして、ファッション好きにとって胸が熱くなるようなコラボレーションが世界的なビッグメゾンと行われていました。

Dior fall 2020 men’s collection

野瀬守可氏が手がけた、グラフィティアートのようなマーブルプリントシャツ

このコレクションで京都マーブルはDiorとコラボレーションしています。アーティスティック・ディレクターのキム・ジョーンズは、Louis Vuitton 、Diorといったブランドでラグジュアリーとストリートの融合を推し進めてきた最重要人物の一人ですが、アートにも造詣が深いことでよく知られています。
これまでもKAWS、ダニエル・アーシャム、空山基、ピーター・ドイグなど錚々たるアーティストとコラボレーションしてきました。

そして2020年秋。ステューシー創業者のショーン・ステューシー、さらにJORDANともコラボレーションした歴史的なコレクションで、Diorは京都マーブルにも制作を依頼しています。
キム・ジョーンズがショーン・ステューシーにグラフィックデザインを依頼し、京都マーブルがそれをかたちに。すごい組み合わせですね。

ストリートカルチャーとラグジュアリー、そして伝統技法が重なりあったこの革新的なコラボレーションは、とてつもない驚きと感動を私たちにもたらしてくれたのです。メイキング動画は本当に必見です。

Diorのアクセサリーを手掛けているYOONが着用しているシャツ。この度、京都マーブルの代表、福永様が所有する同デザインの半袖をお借りしてイベント当日POESIESで展示します。
Dessin de Modeのデザイナーがディレクションするpas deux pareilsの他、最近はMame Kurogouchi(マメクロゴウチ)の仕事なども手がける野瀬守可氏

④互いの信頼関係こそが、とてもないケミストリーを生む

Diorに抜擢された野瀬氏の技術が世界的に認められたのと同時に、キム・ジョーンズとほぼ同じタイミングで京都マーブルにアプローチしていたDessin de Modeのデザイナーの審美眼もすごいな、とやはり思ってしまうのです。
セレクトショップのバイヤー時代から、良いものの本質を見極める力と先見の明が抜きん出ていて、デザイナーとして活躍するようになっても、その飽くなき探究の姿勢は全く変わっていないな、と思い知らされた出来事でした。
そしてクリエイターへのリスペクトが半端ない。

「作り手や工場との信頼関係が、良い商品が生み出せている理由であり、最大の強みだ。」
そうデザイナーが語るとおり、お互いの個性やセンス、技術を尊重した熱量のある対話が、素晴らしい商品が生まれる原動力になっているのだと思います。

オープニングパーティーの当日、デザイナーもふらっとPOESIESに立ち寄るかもしれませんので、ご興味のある方は直接深い話が聞けるチャンスです。なかなか無い希少な機会になると思います。是非お立ち寄りくださいませ。

基本的にpas deux pareilはウィメンズになりますが、一部男性も着て頂ける商品があります。
また、「自分のためだけに作った」というマーブルプリントのキューバシャツを夏にデザイナーが着ていました。
それがめちゃくちゃカッコ良かったので、次回商品として作ってくれないかと現在交渉しています。笑
どうなるかわかりませんが、こちらもどうぞお楽しみに。

『pas deux pareils KYOTO MARBLE(パドゥパレイユ京都マーブル)』POP UP STORE

《日時》
12月11日(日)〜25日(日)まで
《場所》
POESIES(ポエジー)
東京都渋谷区幡ヶ谷2-1-3高橋ビル1F
《特別展示》
Dior×ショーン・ステューシー×京都マーブルの三者が協業した、スペシャルコラボレーションのアイテムを展示します

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fashionsnap.comより

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