市民のすずき NO.3 「玉木政治への批判、なぜ、誰もしないのか!」

 「政治とは生活である」という小沢一郎議員が生涯をかけて練り上げた哲学を持った、小沢支持者が、玉木雄一郎議員に対して、ものを申さないのは、一体どういうことなのだろう。その疑問から、玉木雄一郎議員の政治姿勢に強い疑問と憤りの念を持つには、そう時間はかからなかった。
 私は、ネットは当てになりにくいという、小沢一郎議員の言葉に納得している節がある。というのも、れいわ新選組若者勝手連の代表者や創設に関わった人たちと、春休みを使って議論したのだが、彼等のツイートからは想像がつかないほどの知識と、政治への思いを語ってくれた。しかも、どういった癖があるのか、話す声だとか、姿勢とか、そういうところまで、知ることができたので、彼等の話を聞いて安心した。やはり、ネットでのコミュニケーションと、実際のコミュニケーションの質は違うものなのだと学んだし、政党政治に於いて、その役割を担っているのは、現場で活動している方々であるという点を忘れてはならないということも再確認させられた。
 しかし、玉木雄一郎議員は、ネットでのパフォーマンスに走り、自らの政策をひけらかし、一部の熱狂的な支持者にブイブイ言わせている。一方で、現実として、その熱狂的な彼等が国民民主党の党員を目指すことを前提として、Twitterで活動しているのか、或いは、国のリーダーを目指して、Twitterで活動しているのか、それがよく分からない人たちだ。彼等のプロフィールを覗いてみると、その多くが自称「愛国」であっり、「立憲嫌い」と批判している人であったり、また、「いいね・リツイート」の傾向を見ていると、自民と維新に好意的な論客のツイートのものが多かったりなどして、真剣に玉木雄一郎議員の人間性、それから、理念に向き合っているのかよく分からない集団、ただ、時間があって、粘着している、排外的な欲求を満たしているように思えるし、政策に詳しくなることで優越感を感じているのかもしれない。そもそも、彼等の一部が韓国や中国に対して、排外的な感情を持ち、現実の脅威としての批判ではなく、執拗なまでの歴史批判であったり、酷いと差別に走り、心を満たしている点を留意しなくてはならないだろう。彼等の熱狂の正体については、ここでは言及しないが、玉木雄一郎議員は、今、彼等をブイブイ言わせているのである。
 私は、そのパフォーマンスのために、犠牲になっている小沢支持者をみて、とても残念な気持ちになる。しかも、これは、正に、エマニュエル・トッドが批判していた「エリートのナルシシズム」のような話ではないだろうか。Twitterでのパフォーマンスのために、自民党と対峙すべく必要な「立憲との合流」をひた隠しにしながら、嫌われぬよう、嫌われぬようにと、自らの長所を見せ、論理に自己満足し、喝采を浴び、喜んでいるように思える。確かに、勉強にもなるが、私にとっては、それぐらいのことにすぎないのである。
 結果、確かに、新型コロナウイルス感染症の対策としての一律10万円給付等が実現したが、自民は、それを幕引きの材料とし、次回以降の給付や大学生への一律給付も渋っている様子を見せている。考えられることは、自民が野党の意見を使って、新型コロナに関わる政権批判を上手く下火にしたにすぎないのではないかということだ。もちろん、個人として、給付金が貰えることはありがたいが、それ以降の補償を求めている人も確実にいる。しかし、更に、追加での給付が発表されることはないと認識しているため、これを手柄として、主張している様子を見ても、何も響かないというのが正直なところである。しかも、給付を主張したのは、野党の政治家でありながら、国民の悲痛な叫びであったこと、それが、政府に伝わったというプロセスがあったことを忘れてはならない。一律10万円給付に関しては、誰の「手柄」でもなければ、「実績」でもないと思う。ただ、「早々と施策を練って発表した」という評価はできるが、それだけである。
 今後は、野党のリーダーが1人、自民党のリーダー1人と対決していく仕組みを作らなくてはならないことは、野党を支持する者なら、誰もが承知しているのではないだろうか。自民に対峙するという、理念を野党全体で共有して、1つの野党、これからの与党としての議論を構築して行かなければならないのだ。
 以前、玉木議員は御自身のツイートで、「自民党から学ぶことは多いです。」それを「いい加減」と、批判していたものの、自分の出番が回るまで、強かに党を支える岸田文雄議員、仲間に貧乏くじを引かせながら、また、自らも貧乏くじを引きながら耐える石破茂議員の何を学んで、そう言ったのかも分からない。
 そもそも、「今はバラバラにやっていますけど、後で連立政権を作るかもしれません」という話に、いま選挙に行かず、様子を見ている国民が納得して、投票に来てくれると思っている辺りが許せないところである。もちろん、玉木雄一郎議員だけの問題ではないが、玉木議員は、党を指導する立場の人であり、野党をまとめる立場にいる人である。その人がネットの意見に左右され、パフォーマンスに走ることをよしとはできない。
 去年の小沢一郎議員との対談にあった「川上作戦」とは、なんだったのであろうか。

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