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下心をガードするためのTシャツ

シティハンターの高橋サフランです。

ネパールには「ダルバート」という定番料理がある。豆や野菜を中心に、いくつかの「おばんざい」が一緒になっている定食のような料理である。インド料理などと同様に銀のワンプレートで出てくるのが一般的だ。わざわざヴィーガンを志向しなくても、「ダルバート」を食べておけば植物性の栄養分をバランスよく摂取できるだろう。
「肉は食ったほうがいい」「魚は食ったほうがいい」というように本当にからだに良い食べ物や栄養源の議論には賛否ある。少なくとも日本では賛否ある。でもいったい何が正解なのか。個人個人の体質によるかもしれない……とも思う。
いずれにしてもネパールの「ダルバート」は日常的な料理でありながら、健康的でもあるということが信じられている。

しつこいけど、ヘッダーの画像をあらためて載せる。
撮りたてほやほや、何の加工もしていない今の僕の姿である。首元がよれよれのTシャツ、その胸元には「DAL BHAT POWER 24 HOUR」と刺繍されている。(インカメラで撮ったから文字が反対で見づらいのはご勘弁。)

このTシャツはまさにネパールで買った。10年近くも前のことである。
メッセージの正確な意味は訳せないけれど、「ダルバートを食べれば24時間元気!」そういう意味合いのTシャツだと思っている。

ネパールの国民食である「ダルバート」。
それを借用・着用させてもらうことで自分も元気をもらえそう。
しかも日本に帰ってからも着回せそうなデザインである。
たしかそこいらが気に入って即買いしたのがこのTシャツだった。


当然今でも気に入っている。
でも首元もよれよれだし、色もくすんでしまったので、とてもよそゆきとしては着られない。部屋着として落ち着くのが妥当、せいぜいコンビニに行く程度である。仮にこのTシャツのまま電車を乗り継いでショッピングにでも行けば、きっと足元を見られるだろう。

でもこのTシャツに対する僕の思い入れは変わらない。
このよれよれのTシャツには、ネパールはおろか、若気の至りや、東南アジア・南アジアでの放浪の思い出まで全部がつまっている。
だから自分にとっては「もう簡単には手に入らない」「希少価値が高い」という類の単なるレア感とは別次元の、かなりの思い入れが宿っているTシャツなのである。よれよれではあるが。

ヤマダが言うように、よれよれのTシャツ姿が他人に好印象を与えることはないだろう。そこは完全に同意だ。
とはいえゴミ出しや散歩中、子供の送り迎えにまで気合いの入ったTシャツを着ること、それもそれで微妙だろう。たとえばパパが子供の送り迎えにいちいち「オフホワイト」でかっこつけるとなると、保育士さんへの下心を感じずにはいられない。
そう考えるとTシャツには、いわゆるTPO以上に細かく、場所場所時々で「ちょうどいいTシャツ」というものが存在するように思う。


つまり今回高橋が言いたいことは。
ベンとの散歩中にヤマダが出会ったママはよれよれのTシャツを着ていたわけだが、そのママにとってそのTシャツにはただならぬ愛着があったのかもしれないし、よく知らない男から下心を感じられないようにあえて色気のないTシャツを選んだのかもしれない。いかんせん他人の思惑というものは本当にわからない。

ちなみに高橋はよっれよれのTシャツでゴミ出しをするママが大好きである。

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