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公務員と災害 vol.2

これが首都直下地震か、と本気で思った

2011年3月11日
この日を、僕は杉並区のシステム課で迎えました。

テーマとは全く関係のないことだけど、この日は2011年4月1日の人事異動の内示が予定されていて、システム課は1年で最も戦々恐々とする日です。
(今は違うかもしれないけれど)システム課では、内示が出た直後に人事課から渡される人事異動のデータを元に、庁内の各システムに異動を反映させるためのデータを作ります。

人事からの内示は16:00。データが渡されるのはその直後。
即データの変換やテスト環境への流し込み、動作確認などノンストップで行うので、その下準備に抜けがないか何度も何度も確認する。
そして「そろそろ自分、異動じゃないか」と思っている職員はソワソワしている。
職場内がそんな浮き足立っている15時前、足元が揺れ始めました。

直後、数名の職員と共に、サーバ室に駆け込みました。
日頃から「地震があったらサーバ室にある震度計(加速度計)を確認しろ」と教わっていたからです。
小ネタになりますが、これは「ある程度の地震があった場合、システム機器の故障があったとしても災害によるものとして考えるが、そうでない場合は機器の不具合は委託業者へ原因究明と再発防止を求める」という理由から、揺れた直後に震度等を確認するためです。
(これも今もやってるかは不明ですが)
正直この時の数字は既に覚えていないのですが、普段は「ま、この程度だよね」ということを確認するためだけの作業だったのに、この時だけは数字がギュンギュン上昇していき、最終的には自分が立っていられなくなってしまったと記憶しています。

職場は区役所最上階の7階。
重さがおよそ1トン近くある大型の機械が足場ごと横滑りしているのを見た時は、「このまま床が抜けて下の階に落ちたら助からないな」とか「首都直下地震がついに自分の代で来てしまったのか…」なんて考えていました。

なんか東日本大震災の回想録みたいになっていますが、それだけ大きな出来事でした。僕にとっても、誰にとっても。


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