uchida

マーケティング業界→広域自治体のデジタル職→財閥系総合商社DXリーダー

uchida

マーケティング業界→広域自治体のデジタル職→財閥系総合商社DXリーダー

マガジン

最近の記事

高収益企業がDXでハマりがちなジレンマと、その乗り越え方

以前こちらの記事で「デジタル人材教育」の違和感について書きましたが、最近DXを「守りのDX」と「攻めのDX」に分けることで理解した気になる風潮にトレンドにも違和感を感じています。今回はその点について説明したいと思います。 「守りのDX」の定義は効率化(コスト削減)の取り組みで、例えば省力化や無人化、サプライチェーンのスマート化が含まれます。一方の「攻めのDX」は付加価値化的な取り組みで、新しい機能やサービスの提供を通じて「顧客便益」を高めて、収益拡大することを目指します。こ

    • デジタルサービスの開発効率を上げるための共同化のススメ

      デジタルサービスは共同化と相性が良いと言われます。共同化とは、サービスの部品を共通にして使うことで、開発が早くなり、コストも節約できる方法です。企業内では、各部門が縦割りでそれぞれのサービスを開発しますが、その資源は横連携して活用することができます。デジタル活用に優れた企業は、この共通化の実現を目指しています。 共同化の対象は、技術的なハード面だけでなく、人材やガイドラインなどのソフト面にもおよびます。 例えば人材の共同化では、組織内のデジタルスキルの保有状況を可視化し、

      • DXプロジェクトを進めるためのピースと役割分担

        デジタル技術で業務オペレーションを最適化・効率化するDXプロジェクトは業務部門と開発部門のどちらがリードすれば成功率が上がるのか?というテーマは非常に良く耳にする議題ですが、様々な現場を見てきた結果、良い仕事をするには対立せずにそれぞれが得意なことを仕事にして団結して進めることがベストだと思い至るようになりました。デジタル開発の技術まわり(D)をリードするチームと、技術を触媒として業務変革(X)をリードする業務部門のマネジメントのツートップ体制が理想的だということです。 「

        • 「全社員デジタル人材教育」の違和感

          最近毎週のように、大企業が社員のデジタル教育を始めるというニュースを見かけます。 「⚪︎⚪︎株式会社は、××万人にDX人材向けの研修を始めた。」 ITパスポートの取得を必須にするという。 受講レベルを分け、上位レベルではより実践的な内容を身につけられるようにする。 だいたいこういった見出しの記事が並びます。 共通言語を作り、会社のデジタル投資への本気度をあげる仕草になるといったメリットもわからなくはないですが、こういった取り組み紹介には、前から違和感を感じています。

        高収益企業がDXでハマりがちなジレンマと、その乗り越え方

        マガジン

        • テスト
          0本

        記事

          Chat GPTは「エンゲルスの休止」を再現するのか

          Chat GPTという単語を見ない日はない、というくらい盛り上がりを見せてますね。 この自然言語応答メカニズムの質については色々是非が言われてるけど、デジタル系の企業を中心に現場で専門知の教科書作りや非エンジニアが自社システムをカスタマイズする場面などでゴリゴリ使われ始めていて、そのことが出資者にレポートされ、評価されているのを目の当たりにすると、努力して貴重なスキルや専門知を習得した人の価値が突然下がる痛手を受けているのを体感中です。 「人減らし(人件費削減)系DX」は

          Chat GPTは「エンゲルスの休止」を再現するのか

          マスクという道具のアフォーダンス

          アフォーダンスという概念があります。 環境の中におかれた道具は、人によって様々な知覚や解釈を起こすというような意味です。 2021年12月9日時点で東京都は「基本的対策徹底期間」になっていますが、その中でマスクは医療の用具としての本来想定されている機能を超えて、色んな意味を帯びてきているなという印象です。 たとえばこのランキング、裏を返せば「マスクは着用者の匿名性を上げるツールである」という解釈をしてますね。 また、この引用元の解釈では、マスクはその人の属性を分類識別

          マスクという道具のアフォーダンス

          デジタルツールとビジネス慣習

           東京都がデジタルファースト条例を施行したことなどをはじめ、いまやICTが、一般の人や事業者にとって電気ガス水道などと並ぶ生活上の必須インフラとして一気に浸透し始めています。  当然それは企業活動にも波及していて、ICTを取り込んだ働き方の見直しをどう進めていくかが大きな社会課題として活発に議論されています。その流れを受けて、ICTを駆使したデジタルコミュニケーションにビジネスマナーをどう融合していくか?も大事なトピックになってきています。  具体例として2点、その議論の

          デジタルツールとビジネス慣習

          オープンデータ meets ビジュアライゼーション #1 バリアフリートイレを見やすくしてみた (レイアウトデザイン編)

          Googleデータポータルを使ってバリアフリートイレデータのデータを可視化してみたシリーズを続けます。 本シリーズは、以下の構成でお届けしています。 可視化デモ編→こちらのエントリ データの集約と準備の流れ→こちらのエントリ ダッシュボードのレイアウトデザイン→今回 可視化(作表・作図)と公開設定→次回 今回は、どうやってわかりやすいビジュアライズかできるか?ということに関連して、レイアウトデザインの取り組みや考え方をご紹介します。 *Googleポータルでは、ログイン

          オープンデータ meets ビジュアライゼーション #1 バリアフリートイレを見やすくしてみた (レイアウトデザイン編)

          オープンデータ meets ビジュアライゼーション #1 バリアフリートイレを見やすくしてみた (データ接続、準備編)

          みなさんこんにちは。 前回の記事を受けて、今回はBIツール「Googleデータポータル」を使ってバリアフリートイレのビジュアライズを行うための作成手順を紹介していきます。(長くなったので今回は、可視化手前のデータ準備まで。) 前提として、今回使った「Googleデータポータル」はサーバーレス、ノーコードの無料クラウドサービスなので、とりあえずGoogleアカウントを持っていれば、データ操作言語を十分に習得していなくても「作り手」としての作業を一通り完結できます。こうした無

          オープンデータ meets ビジュアライゼーション #1 バリアフリートイレを見やすくしてみた (データ接続、準備編)

          オープンデータ meets ビジュアライゼーション #1 バリアフリートイレを見やすくしてみた

          こんにちは。今日から「オープンデータを使ってみよう」がテーマのnoteを始めたいと思います。 というのも、「オープンデータ」を個人レベルで使ってみよう、という記事ってあんまり見ないんですよね。でも、ダッシュボードなどの技術と掛け合わせた虫眼鏡を通せば、分かることやできることは様々ある(はず)。であれば、少しずつ手順を外に出していきながらそうした種を植えていこうと思いました。 あと、これを書いているわたし自身「オープンデータを出す側」の自治体に今のところ身を置いていまして、

          オープンデータ meets ビジュアライゼーション #1 バリアフリートイレを見やすくしてみた