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新世紀の寺子屋 第6回

第6回の金融教育の授業を開催しました。少しだけ、紹介します。
今回は、生徒さんに「企業」のことをもう少し知ってもらいたいことから、以下のような超有名企業のミッションやパーパス的なものを当ててもらうクイズをしました。

たとえば、こんな感じですね。

「爽やかさ」と「飲料」というヒントがあったので、コカ・コーラという正解が出ました。次の問題は、小学生には少し難しいようでした。「量産」がヒントだけど、分からいですよね。そうです、トヨタです。

こういう問題を、先に挙げた全ての企業について行いました。何故、そんなことをするのか?それは、生徒さんに我々の身近にある企業が、単にサービスを提供しているだけでなく、壮大なミッションを掲げていることを知ってほしいからです。生徒さんが、自分の就職先を探すとき、あるいは株式投資における銘柄の選択でも、その企業がどういう理念を持って会社を運営しているのかは重要です。コカ・コーラは単に美味しい炭酸水を売っているわけではないのです。地球にとって前向きな変化を起こすことを目指しているのです。
次に、投資の前に知るべきことの中から、今回は「需要と供給」を取り上げました。需要と供給で世の中は成り立っています。しかし、これが意外にも難しいんだなー。

小学生でも需要という言葉は知っているようでした。しかし、供給という言葉は馴染みがないようでした。需要とは欲望です。人間は欲望だらけです。

マズローの要求5段階説もクイズで取り上げました。生存欲求の正解率は高かったです。「水や食料」と答えてくれました。しかし、次の安全欲求は何か?との質問では、多くの生徒さんが「お金!」と回答してました。確かに、お金で安全は買えるからなー。間違いではないけど、この5段階説だと、お金は承認欲求に入るかな。もう少し高次元の欲求ですね。

需要と供給には「価格」の要因が大きいですね。下のような状況では、人々は価格の状況に左右されることは間違いないでしょう。

小学生には難しいかもしれませんが、需要曲線も取り上げました。「欲しいもの曲線」です。5万円のアイスは買いたくないけど、1円の饅頭なら買いたいと思う人は増加するということですね。以外にあっさり理解してくれました。最近の小学生はグラフに慣れているのかな。侮れない。


基本的には、まずは人々の欲求があり、その需要を満たすべく、様々なサービスが提供される。これが供給であり、ビジネスです。しかし、現代では価値の高いサービスは、人々が要求するものを提供することでなく、人々が気が付いていない潜在的な欲求を満たすことに変化しています。もちろん、昔からそうなのですが、現代ではそのインパクトがとても大きいのです。

革新的なサービスが誕生した時に、どのように人々の間で広がり、流行化していくかについて取り上げました。イノベーション理論ですね。がりがり君の「激辛カレーアイス」が誕生した場合を例に説明しました。アーリアダプターと、アーリーマジョリティの間の溝(キャズム)を超えることが難しいことや、ついでにハイプサイクルによる期待や幻滅、啓蒙活動期などにもふれました。ハイプサイクルは、大人でも知らないかもですね。生徒さん達、お父さん、お母さんをびっくりさせてあげてください!

需要曲線を示した以上、供給曲線も出さないといけません。

そして、需要曲線と供給曲線が交わる部分で、価格が理論上は決まることを説明しました。なんか大学抗議みたいで、いけません。

但し、グラフを使うと難しく見えるけど、実際には下の絵のように、安く買いたい買い手と、高く売りたい売り手が、お互いに納得できる価格に落ち着いているというだけのことですね。

しかも、現実の世の中は理論通りではありません。人気ラーメン屋には長蛇の行列ができるし、何カ月先まで予約の取れないお店がたくさんあります。
何故でしょう?お店の戦略もあるのですが、経済学的に言えば、提供している価格が安過ぎるのです。ラーメンがどれだけ美味しくても、一杯5万円なら、行列なんてできません。行列が出来るのは、需要と供給の均衡価格よりも、実際の価格が低過ぎると考えることができますね。実際の世の中は、そういうことで溢れています。

需要と供給の話は、お金とモノの需給に行き着きます。生徒さん達には、インフレとデフレを知ってもらう必要があります。しかし、今回は混乱するので、ここまでです。しかし、最後に「現金」を保有するとは、どういうことかだけ説明しました。お財布に1000円が入っているということは、1000円を「現金に投資している」という意味です。なんとなく入っているのではなく、現金も複数ある投資の選択肢としての1つなのです。インフレを学ぶ前に、そのことの重要性を説明しました。ちょっと難しいですね。
でも、株式投資をやっている人にとっても重要なことです。当たり前ですが、保有している株式が含み益となったので売却するというのは、損益の観点では「利益確定」ですが、投資先の観点では「株式という投資から、現金への投資へ振り替えた」ということでもあります。現金をどうコントロールするのかは、投資における重要なテーマの1つですね。

第6回は、こんな授業をやりました。

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