Corno blu(コルノブルゥ)さんのオーダー会に行った話

先日、初のMTOをジョーワークスさんで行なった記事を投稿しましたが、連続してMTOに関するお話です。

ジョーワークスさんでオーダーした二足がすこぶる調子良く、また各メーカーの値上げラッシュであることも相まって、またまた国産MTOで一足誂えることにいたしました。

今回お願いしたのは、福岡県を拠点とするCorno blu(コルノブルゥ)さんです。

連続してジョーワークスさんにお願いすることも考えたのですが、やはり色々なメーカーさんでMTOしてみたいという思いが勝り、色々と調べた上でコルノブルゥさんに至りました。

まだオーダーしただけの段階ですので、完成品などの紹介はできませんが、自分の備忘録も兼ねてオーダー時の様子を記事にしようと思います。

※写真はほぼなく、文字だけの退屈なブログです。悪しからず。

1 Corno blu さんとは

コルノブルゥさんは福岡県福岡市に工房を構え、イタリアフィレンツェで修行された清角(せいがく)さんがオーナーを務めるシューメーカーさんです。

かのロベルト・ウゴリーニ氏にも師事し、帰国後の2004年に創業。私が革靴沼に入った2014年頃には、既に日本のビスポークメーカーとして名を馳せていた記憶があります。

靴に対する個人的な印象は、イタリア靴のような色気と、英国靴のような逞しさが、絶妙な加減で両立しているなあという感じ。

インスタなどで膨大な写真を眺めていても、「この靴、カッコいい」と思う靴がコルノブルゥさんの靴だったことが良くありました。

福岡県のメーカーさんのため、中々オーダーする機会もありませんでしたが、年に数回東京でオーダー会をされているということを知り、機を伺っておりました。

そしてこの10月、ようやく機会に恵まれましたのでオーダー会に参加してまいりました。

2 予習をしましょう

コルノブルゥさんでのMTOについて、簡単に下調べしてから臨みました。

1 サイズ

ビスポークならまだしも、MTOではかなり珍しい0.25ピッチでのサイズ選択が可能。

特にローファーなどで「このサイズだと少しキツいけど、一つ上げると少し大きい気もするなあ」という経験がある方もいるかもしれませんが、0.25ピッチなら心配無用。

サイズが豊富って、めちゃくちゃ嬉しいですよね!

2 価格・料金

コルノブルゥさんでのMTOは、主に3パターン。詳しくはHPを参照を。

①グッドイヤーウエルト⇒¥78,500
②ハンドソーン&マシン⇒¥135,000
③ハンドソーン⇒¥200,000
※価格はすべて税抜き

これを基本料金に、革やデザイン、木型のモディファイなどにアップチャージが必要となる場合もあり。まあ、靴の仕様次第ですね。

また、完全なビスポークも勿論可能。この場合は約30万円〜といった感じのようです。

3 デザイン・仕様

HPには、「選べるシューズデザインはオーソドックスなオクスフォードタイプ、スリッポンやダービーシューズなどの12タイプよりお選びいただけます。」との案内。

ネット上にはこのようなデザインパターンが探すことができました。

4 革

コルノブルゥさんといえば、イルチアというほど、どのサイトでも紹介されていますね。手持ちでイルチアの革を使った靴は持っていないはずなので、楽しみです。

今回も表革しか考えていませんが、パティーヌをほぼアップチャージなしでできることは特筆すべきですね。

「他の人と被りたくない」「既成靴に飽きた」からMTOを考えている人には、うってつけのサービスではないでしょうか。

3 オーダー会に訪問!

今回のオーダー会は汐留にあるコンラッド東京で開催されました。

事前のメールのやり取りで、自分のサイズや普段履いているブランド、今回オーダーを検討している仕様などを大まかに伝えます。

当日はホテルの客室行きエレベーター前で清角さんと合流し、清角さんがが宿泊されている?ホテルの一室で採寸やオーダーなどを行うというもの。このようなスタイルでのオーダー会は初めてだったので、とても新鮮で楽しかったです。

色とりどりのサンプルシューズ

部屋に入ると、ベッドの上にたくさんのフィッティング用のサンプルシューズが並べられており、壮観。UK9.5のデカ足の私のためだけに、6足もサンプルシューズを福岡から持参いただいたようで、恐縮しきりでした。

1 採寸・サイズ

早速、靴を脱いで、足の採寸や癖のチェックを受けます。私の足を見た途端、清角さんから「本当、大きいですねえ」の一言。余り意識したことはありませんでしたが、指が長いタイプのデカ足だそうです。

靴下の上からでも私の足のクセを瞬時にいくつか把握されたようで、内心「かっけえぇ〜」と嘆息してしまいました。

サイズとしては両足ともUK9.5で、せっかくの0.25ピッチの恩恵は受けれませんでした…残念。(6足も持ってきていただいてたのに、すみませんでした…。)

サイズ感としては、試着しただけですけどほぼ通常のUKサイズと同様でOKだと思います。

2 デザイン・価格

今回、私が考えていたのは、前回ジョーワークスに引き続き、レイジーマン。ただ、上のデザインパターンにあるフルブローグではなく、ブラインドフルブローグにできないかと考えていました。

ブラインドフルブローグってこういうやつ

清角さんに相談すると、「ハンドソーン&マシン以上のMTOであれば対応できる」とのこと。どうやら、¥78,500のマシンメイドだとデザインは基本的にデザインパターンどおりで、¥135,000のハンドソーン&マシンでお願いすれば、デザインはかなり融通がきくそうです。

恐らく、マシンメイドの場合は底付けをはじめとする一定の作業を外注されている関係(他の方のブログを拝見すると宮城興業?)で、原則はデザインパターンの通り作成されていて、ハンドソーン&マシン以上のMTOだとほとんどをコルノブルゥさん自身で一貫して製作されるためデザイン等に融通がきくということだと思います。

最近の円安などを考慮すると、135,000円でも破格だろうと自分に言い聞かせ、今回はハンドソーン&マシンでブラインドフルブローグレイジーマンをオーダーすることにしました。

ちなみに、カラーはブラックにしました(革は勿論イルチア)。履き込んでいって、ジョーワークスの同じくブラックのフルブローグレイジーマンと、ワインハイマーとイルチアの違いを楽しみたいと思います。

あとは、革のサンプルもパラパラと見せてもらいましたが、メダリオンが4パターンから選べるみたいでしたね。

3 ラスト

ラストは恐らく2種類(ローファー用含めれば3種類かも?)で、ラウンドトゥとセミスクエアトゥのいずれかから選ぶよう。

カッチョいいスクエアトゥ!

インスタなどで拝見していた感じから、セミスクエアトゥにすることを決めていましたので、あっさりと即決。ラストの違いなど特段詳しい説明は受けませんでした。

4 シューツリー

上の下調べに書き忘れましたが、シューツリーは3Dプリンタでラストに合わせて作成される優れものとのこと。

特筆すべきは良心的なプライスで、¥12,000とのこと。もちろんオーダーさせていただきました。

4 完成は年明け1月

オーダー会は1時間制とのことで、あっという間にお時間となりました。

終始、清角さんが気さくに靴のことも、靴以外のこともお話してくださって、ホテルの密室にオジサン二人という状況もリラックスして楽しむことができました。

改めて、今回オーダーした仕様は以下のとおり。

後日送付いただいた仕様書
ここから少しデザインを修正していただきました

■サイズ…UK9.5
■デザイン…ブラインドフルブローグ
■ラスト…セミスクエアトゥ
■タイプ…レイジーマン
■カラー…黒
■革…イルチア
■オプション…シューツリー
■製法…ハンドソーン&マシン(9分仕立)
■価格…靴¥135,000+シューツリー¥12,000

当初は普通のマシンメイドのMTOを想定していましたが、オーダー会のライヴ感からワンランク上のオーダーをしてしまいました。

まあそれでも、現状の革靴界を考えるとかなりお安いと思います(感覚がバグってますねw)ので、全く後悔はしていません。

というか、マシンメイドであれば、8万少しでMTOができてしまうなんて、良心的すぎませんか??

コルノブルゥさんもいつか値上げされるかもしれませんが、国産MTOの偉大さを身に沁みて感じる素晴らしい機会でした。

完成は年明け1月とのことで、首を長くして待ちたいと思います。(それまでは、靴を買うのはガマンするつもりです…。つもり、です…。)

なお、コルノブルゥさんのオーダー会へ参加をご検討の方がおられましたら、上述したような下調べをされてから臨むことを強くお勧めします。

何せ、1時間しか時間がありませんので、客側から要望などを積極的にお伝えしないと、あっという間にタイムアップとなってしまうこと必至。

事前にオーダー内容を頭に思い浮かべ、当日は細部の確認に済ますくらいのイメージで臨まれることをオススメします。(私は結構な丸腰で臨んだので、アタフタしてしまいました…。)

靴が完成しましたら、またご紹介したいと思います。それでは、また〜。

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